2016年J1セカンドステージ第15節 川崎フロンターレ対サンフレッチェ広島 プレビュー「中央をいかに崩すか」

2016年Jリーグセカンドステージ第15節、川崎フロンターレの対戦相手はサンフレッチェ広島です。この試合で注目したいポイントは2点あります。

エドゥアルドのポジションを変える理由

1点目は、エドゥアルドのポジションです。今までは、DF3人を並べる時、エドゥアルドは中央のポジションでプレーしていました。この試合は谷口と入れ替わり、左サイドでプレーすることになりそうです。エドゥアルドが中央でプレーすることで、強みであるヘディングの強さと、シュートブロックの上手さを中央で活かすことで、失点を減らそうという狙いがありました。しかし、エドゥアルドはセカンドステージ第8節のサガン鳥栖戦で肩を脱臼してから、相手とコンタクトするプレーに対して一歩引いてしまうようになり、強さとシュートブロックの上手さを活かした守備が出来ていません。

元々エドゥアルドは、攻撃においては、ある問題をかかえていました。エドゥアルドの問題とは、川崎フロンターレのテンポにあわせて、ボールを止めたり、パスを出したりすることが、上手くないという点です。特にエドゥアルドは左足でボールを蹴る時と、右足で蹴る時では、プレーの質が全く違います。前節のヴィッセル神戸戦で、エドゥアルドの右足のプレーの質が低いことを見抜いていたヴィッセル神戸は、徹底的にエドゥアルドを狙ってきました。正直、いままで狙われなかったのが不思議なくらい、明らかな弱点でした。

ちなみに、岡田武史さんと話す機会があった時、ヴィッセル神戸戦のエドゥアルドへの狙いについて「ネルシーニョならやるだろうね。」と語っていました。また、現場の試合分析は、一般のファンが語るフォーメーションの分析よりは、こうした個人個人の癖をいかに見抜き、狙いを定めるかについて、分析するのだそうです。

中断期間中、僕は風間監督がエドゥアルドのポジションを変更するのではないかと思っていました。しかし、先週行われた湘南ベルマーレ戦を観た時、まだポジションは変わってませんでした。まずは本人の取組で改善がみられるかを試してから、ポジションを変えるか判断しようとしていたようです。そして、練習試合で上手くいかなかったので、谷口と入れ替えるという決断をしたのだと思います。

谷口に求めたいのは、縦方向へのパスです。最近の川崎フロンターレの試合を観ていると、ボールは保持しているのですが、相手陣内にボールを運ぶまでに時間がかかりすぎていて、FWの選手がボールを受けるスペースがありません。大久保がしつこいくらいに「早くボールを運んで欲しい」「もっと自分を見て欲しい」と要求し続けていますが、ボールを取られないために、横方向へのパスが増えた結果、攻撃のスピードが遅くなっていました。谷口が中央に入ることで、大島や中村だけではなく、直接大久保や小林までボールを届ける事が出来るかもしれません。

実は、風間監督は「横パスは1本も要らない」と言った事があるのですが、別にパスをつなぐ事を目的にしたサッカーをしたいわけではありません。ゴールを奪えれば、なんでもいいし、手数は少なければ少ないほうがいいのです。もっとスムーズにボールを相手陣内に運びたい。そのために、エドゥアルドを左に、谷口を中央に配置するのだと思います。2人のプレーに注目したいと思います。

中央を崩すための3-5-2

2点目は、中央をいかに崩すかです。風間監督は常々「ペナルティーエリアの3辺を崩す」という事を掲げ、左右のサイドと、中央のエリアをいかに崩すか、突き詰めて取り組んできました。2016年シーズンは、左右のサイドを崩す攻撃は出来ているのですが、中央のエリアを崩す攻撃はよい攻撃が出来ていません。

風間監督は、ペナルティーエリアの3辺を崩すために、今までは「4-3-3」「4-4-2」「4-2-3-1」といった、様々なフォーメーションを採用してきましたが、常にサイドにサイドバックとサイドハーフの2人が配置するフォーメーションを採用してきました。サイドに2人配置することで、サイドから崩しやすくするだけでなく、相手がサイドに気を取られることで、中央のスペースを空けて、中央を攻撃しやすくなるという効果があります。しかし、今はサイドから上手く攻撃出来ているので、サイドに必要以上に人を割く必要はない。だから、FWを小林と大久保、2人の後ろに中村を配置して、より中央から攻める事を意識させる配置に変更するのだと思います。左サイドハーフに、レギュラーと呼べるような選手が出てこなかったことも要因です。

僕は3-5-2というフォーメーションは、中央に攻撃が偏りがちになるだけでなく、サイドを攻守で1人で担わなければいけないので、あまり好きではありません。ただ、このフォーメーションを採用するということは、サイドの車屋とエウシーニョへの信頼が厚いということでもありますが、中央の攻撃がスムーズに機能していないという問題を解決したいという、風間監督の考えがうかがえます。

セカンドステージも残り3試合ですが、毎年ギリギリまでよりよいサッカーを追求し続けるのが、川崎フロンターレです。残り3試合だからといって、集大成のようなサッカーにはなりません。日々進化し、日々変わり続けるサッカーを、僕は楽しみにしたいと思います。

おすすめ