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2016年J1ファーストステージ第10節 川崎フロンターレ対ベガルタ仙台 レビュー「自信がないから相手に捕まる」

   

2016年Jリーグファーストステージ第10節、川崎フロンターレ対ベガルタ仙台は1-1の引き分けでした。

風が強い事が試合に与える影響

この試合を振り返るうえで踏まえておきたいのは、とにかく風が強かったという事です。

風が強いとどんな影響があるかというと、向かい風の時はボールが戻され、追い風の時はボールが早く進みます。ボールが浮いている時だけでなく、転がっている時も風による影響は受けます。この試合のように、スタンドに貼られてある弾幕がめくれる程の強風が吹くと、転がっているボールでも、風が吹いた方向に流れてしまいます。

また、風は選手の体力も奪います。喉が渇きやすくなるだけでなく、向かい風の中を走るのは、疲れます。この点を踏まえたうえで、試合を振り返りたいと思います。

ベガルタ仙台の川崎フロンターレ対策

ベガルタ仙台は、川崎フロンターレ対策をきちんと立てて試合に臨んできました。

まず、守備です。ベガルタ仙台の狙いは、川崎フロンターレのセンターバック2人と谷口に対してパスコースを限定し、自分たちが奪いたい場所でボールを奪う事でした。

川崎フロンターレは、ボールを持っているときは、4-1-2-3のようなフォーメーションになります。「1」を務めている谷口のポジションは、4-4-2で守るベガルタ仙台の選手から誰もマークを受けない、はずでした。

ところが、ベガルタ仙台は守備の時は4-4-1-1のようなフォーメーションになり、ハモンロペスは川崎フロンターレのセンターバックの間に、谷口には野沢がマークにつきます。大島と中村は、冨田と三田がマーク。数的優位を作らせません。

ハモンロペスがセンターバックの間に立つことで、センターバックの奈良とエドゥアルドの2人は、パス交換ができません。2人と谷口は、自然と中央ではなく、サイドにパスを出します。それもベガルタ仙台の狙い通りでした。

サイドの小林と森谷にボールが渡ったら、サイドバックとサイドハーフが挟んで、数的優位を作ってボールを奪います。この守備に川崎フロンターレは、苦労しました。

次に攻撃です。ベガルタ仙台の狙いは、川崎フロンターレのサイドバックでした。特に前半は登里が左サイドバックだったので、執拗に登里を狙ってロングパスを蹴り続けました。上手く行かなくても、ロングパスに対応させることで、川崎フロンターレの選手間の距離を広げ、ボールを奪われても、スムーズに攻撃されないようにしていました。実によく考えられていた戦い方だったと思います。

まんまとハマる川崎フロンターレ

川崎フロンターレは、ベガルタ仙台の狙いにまんまとハマってしまいます。奈良とエドゥアルドは、縦方向にパスが出せず、谷口が受けようと下がって逆に捕まり、仕方がないから大島が下がり、中村が下がり、サイドを捨てて森谷が受けに来る、といった具合に、少しづつポジションがズレていきました。当然、大久保は孤立し、イライラし始めます。ゴール裏から見ていると、森谷の場所が空いていたのですが、そこにも出てきません。風が強くて、ボールコントロールに苦労したことで、余計に捕まりやすくなってしまいました。

センターバックの2人と谷口のパスは、ただ時限爆弾を人に渡しただけで、自分はピンチじゃないけど、渡された相手は凄くピンチになるという、あまり受けとりたくない類のパスです。相手の狙いを外さなきゃならないところで、外せない。前半に相手に捕まってしまった事が、後半に攻勢に出られなかった要因です。

自信がない選手がいると、チームの戦い方に影響する

後半川崎フロンターレは、4-4-2にフォーメーションを変更。中村にベガルタ仙台の守備を外す役割を託します。

ところが、今度は中央でのパス回しはスムーズになりましたが、谷口がいる右サイドのパス回しが滞るようになります。そうすると、みんな右が気になって人が集まり、バランスが悪くなる。この繰り返しでした。

谷口のプレーに、ここ数試合注目していましたが、試合を重ねるごとにミスが増え、自信を無くしているように思えます。風間監督は、それでも谷口を信用して起用し続けていますが、ますます深みにハマっている気がします。

川崎フロンターレとして辛いのは、谷口の代わりがいない事です。井川、武岡が怪我で、奈良も怪我を抱えているし、次節の柏レイソル戦はエドゥアルドが出られない。この状況で谷口を外すという選択は、簡単にはできません。

ただ、川崎フロンターレのサッカーは、1人1人が自信を持って、個人の技術と戦術を駆使して、相手の守備を崩すサッカーです。したがって、自信のない選手が1人いると、サッカーの質が簡単に下がります。しかも、その選手が2015年シーズンのチームMVPともいえる選手なら、なおさらです。

谷口がどう立ち直るのか。そして、風間監督はどうするのか。ここに、今シーズンの川崎フロンターレの行く末がかかっている。僕はそんな気がしています。

三好がプレーで表現する「俺がなんとかする」という気持ち

自信なさげにプレーする選手もいる中、「俺がなんとかする」という気持ちを全面に押し出してプレーしてくれたのが、三好です。この試合交代出場し、ついに20分以上の時間が与えられました。

決定機はGKに防がれてしまいましたが、常にボールを受けようという姿勢と、ボールを受けたら前を向き、ゴールに向かう姿勢は、停滞していたチームの雰囲気を変えてくれました。

三好の良い所は、「俺がなんとかする」という気持ちです。相手なんて誰であろうと関係ない。誰かに頼るのではなく、自分がチームを勝たせる。そういう良いプライドを持った選手です。僕は三好のような選手が大好きです。

多分、三好は昔から気の強い選手だったのだと思います。背が小さい選手がプロになろうと思ったら、他の人より目立つので活躍をしなければ、プロにはなれません。プロになる過程で、三好の良い意味でのプライドの高さは、上手く育まれたのだと思います。

僕は今の川崎フロンターレの停滞した雰囲気を変える可能性を、三好は持っていると思います。大久保にも、中村にも遠慮しない、三好のような選手が出てくることを、風間監督は望んでいるはずです。

ピンチの時ほど「どう戦うのか」が問われる

次節は中3日で柏レイソル戦。相手は5連勝中。しかも、川崎フロンターレはエドゥアルドが契約により、出場出来ません。

このピンチに、チームがどう戦うのか。風間監督はどんな準備をするのか。このピンチをどう乗り切るかで、タイトルが獲れるかどうか変わります。試合を楽しみに待ちたいと思います。

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