川崎フロンターレが人を入れ替えずに改革を行っているのがおもしろい

風間八宏さんが川崎フロンターレの監督に就任してから、真剣に1つのチームの取組みをきちんと追いかけるようになりました。僕が風間監督の取組を追いかけるのは、「すべて教えてくれない」からです。

ある取組に対して、なぜそうしたのか。風間監督はヒントは話してくれるのですが、すべて話してくれるわけではありません。生粋のサポーターからすればもどかしいのかもしれませんが、話した内容から意図を想像するのは、凄く楽しいです。風間監督が就任してからの川崎フロンターレは、僕に新たなサッカーの観方を教えてくれました。

風間監督が川崎フロンターレに就任してから、1つ気になっていたことがありました。それは、相馬監督時代からあまりメンバーを変えていないのです。風間監督も就任当初は稲本をセンターバックにコンバートしたり、田中裕介のボランチなど配置をいじったこともありました。登里の左サイドバックは成功しましたが、あまり積極的には配置転換はおこなっていない印象があります。(小林悠のサイドハーフ起用はもう少し見極めが必要かと)

また、極端にベテランを排除したり、若手を抜擢したりということもしていません。風間監督の考えるサッカーは、他の監督が考えるサッカーの考え方とは少し違うにも関わらず、メンバーを大きく変えないでチーム作りを進める点に、凄く興味を覚えました。

外国人監督に多い配置転換や抜擢人事

企業でもそうですが新しい組織のリーダーになった場合、手を付けるのは人材配置です。若手の抜擢や思いもよらぬ配置をすることで、組織を活性化させようと試みます。あとは、前任の担当者との違いを出そうと、成功している部分の人事に手をつけるケースもあります。(大抵うまくいかなくなるのですが)

Jリーグでも過去に監督就任後に、大幅に起用するメンバーを変更したチームがありました。就任後にメンバーを変えたり、若手を抜擢するのは外国人監督がよく用いる傾向があります。例えば、イビチャ・オシムは就任後にベテランを外し、佐藤勇人や羽生直剛や水本裕貴などを起用し、キャプテンに就任当時22歳の阿部勇樹を起用しました。

現在柏レイソルの監督を務めるネルシーニョは、名古屋グランパス時代に本田圭佑の才能を見ぬいて起用。柏レイソル就任後は、就任当時控えだった近藤直也をレギュラーに抜擢したり、橋本和を左サイドバックにコンバートしたり、酒井宏樹や工藤壮一や茨田陽生を抜擢したり、従来の考え方にとらわれない選手起用を行いました。

ベテランを外し若手に切り替えた例としては、清水エスパルスの監督を務めるアプシン・ゴトビが、小野伸二や高原直泰といったベテランを移籍させて若手を抜擢して、自分の戦術をチームに浸透させようと試みています。監督が考える戦術を浸透させたり、チームの競争意識を刺激させるには、人を入れ替えるのがわかりやすい変化なのです。サッカーチームの資産は人材ですから。

メンバーを変えないので、変化には時間がかかる

さて、風間監督が就任してからの川崎フロンターレですが、なぜメンバーを大きく入れ替えないのでしょうか。「抜擢すべき若手が多くはいなかった」「お金がないのでメンバーを大きく入れ替えることができない」という理由もあるのかもしれませんが、1番の理由は風間監督が自分の眼で判断して「今のメンバーでやる」と決断したからだと思います。

ただ、メンバーをあまり変えずに組織のパフォーマンスをあげるのは、簡単ではありません。人は簡単にうまくなったり、仕事が出来たりするわけではありませんから、当然変化には時間がかかります。したがって、川崎フロンターレの成績は、急に大きく変わることはないかわりに、改善されるとすれば少しつづ少しつづ変わっていくのだと思います。したがって、今後も3歩進んで2歩下がるようなジリジリした歩みを、これからも興味深く見守っていきたいと思います。

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