nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

今じゃなくて、みらいのことを話そう。書評「フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み」

      2013/02/28

フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み

普段仕事をしていると、「部署の壁」「会社の壁」「担当の壁」といった、目に見えない「壁」の存在を感じて、本来やるべきことができず、「今の自分のできる範囲の仕事」しかやれないといったことはないでしょうか。

本書で説明されている「フューチャーセンター」は、そんな「壁」を超えて、本当にやるべきことを明確にし、実行するための方法論をまとめた1冊です。

フューチャーセンターで利害を超えて”未来”について語る場所

したがって、「フューチャーセンター」という名前を聞くと、どうしても”場所”の必要性を先に考えてしまいがちです。しかし、「フューチャーセンター」は場所の事を指すのではありません。「フューチャーセンター」は、「利害を超えて、”未来”の事について語る」ことそのものを指すのです。目先の問題にとらわれず、より根本的な問題に対応するため、また、自分たちの会社や社会全体が、将来どのようになっていたいのか。その点を語ることが重要だと、本書では繰り返し説明しています。あくまで重要なのは、考え方なのです。

なぜフューチャーセンターが必要なのか

では、なぜフューチャーセンターが現代社会に必要なのでしょうか。必要な理由としては、社会が複雑になったことが挙げられます。社会が複雑になったことで、国や自治体や会社といった組織単体で問題を解決することが、難しくなりつつあります。したがって、国や自治体や会社が協力して、問題を解決する必要があるのですが、いざ問題を解決しようと集まって話し合っても、自分たちの利害ばかり主張してしまい、なかなか問題点を解決することができません。そこで、登場するのが「フューチャーセンター」なのです。

フューチャーセンターで決まったことを、どのように具体化していくのか。

本書は、掲載内容を「フューチャーセンター」の考え方や方法論に絞って説明しています。考え方や方法論にしぼって説明することは、「フューチャーセンター」という言葉になじみのない読者にとってはわかりやすいと思うのですが、「フューチャーセンターを取り入れたことで、何がどう変わったのか」という具体例がないため、実際にどう変わるのかがよくわかりませんでした。具体例を一つでもよいから、挙げてもらえると、もっとわかりやすい1冊になったのに、と思います。興味深い考え方だけに、具体例がないことが大変残念です。

東日本大震災が起きて、早2年が経過しようとしています。しかし、いまだに仮設住宅に住んでいる方や、自宅に帰れないかたが多数いらっしゃいます。震災復興のように、国や自治体や会社といった組織の「壁」を超えて解決しなければいけない問題が横たわっている時こそ、「フューチャーセンター」が必要になるのではないか。本書を読んで、そう感じました。

地域コミュニティの発展について詳しく知りたい方や、企業の部署間の壁に苦しんでいる方におすすめです。

おすすめ商品

本書を読んで、興味をもったかたはこちら。

今、この本を読んでいます。
本書にも関係する「コミュニティのデザイン」について、事例を基に手法を説明した書籍です。
本書とあわせて読むといいかもしれません。

「コミュニティデザイン」にも登場する島根県海士町の取り組みについて、紹介している書籍。
先日「NAVER まとめ」でも話題になりました。

参考情報

 -