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2016年J1ファーストステージ第9節 ガンバ大阪対川崎フロンターレ レビュー「ガンバ大阪が抱える問題」

      2016/05/04

2016年Jリーグファーストステージ第9節、川崎フロンターレ対ガンバ大阪は1-0で川崎フロンターレが勝ちました。

出来ることをしよう

この試合の勝因は、チーム全員が「出来ることをしよう」と割りきった事です。分かりやすいのが、右サイドバックでプレーした登里です。オーバーラップして中央にパスを送るような場面はありませんでしたが、攻撃を組み立てる時は適切なタイミングでボールを受け、味方に繋ぐ。守備の時は相手に激しく寄せて、相手に自由にプレーさせませんでした。派手ではありませんが、自分が出来ることをしっかりプレーとして表現してくれました。

この試合は、チームとしてやることが整理されていたと感じました。谷口ならセンターバックと中村、大島を繋ぐ役割を担う。小林なら右サイドを起点に空いている場所でボールを受ける、森谷は中村と大島の近くでボールを受ける、中村は今野を引っ張りつつ、大久保へのラストパスを狙う、そして大久保はゴールを決めるといった具合に、選手個人個人が自分がやるべきことに集中し、プレー出来ていると感じました。したがって、プレーに迷いが見られませんでした。

久々に中央からの攻撃も多く、パスの受け手と出し手の関係だけで崩してみせた大久保のゴールなど、久しぶりに川崎フロンターレらしい攻撃がみられた時間もありました。谷口、大島、中村の3人のパス回しもスムーズで、今後も継続して見てみたいと思わせる出来でした。浦和レッズ戦の敗戦を受けて、今まで抱えていた問題を解決するヒントを見つけられたような気がします。

ガンバ大阪が今シーズン成績がよくない理由

ただ、この試合はガンバ大阪のプレーがよくなかったことは、考慮しなければならないと思います。ガンバ大阪は前半、4-1-2-1-2というフォーメーションで戦いました。遠藤をFW2人の後ろに配置し、ボランチは今野1人で試合を始めました。

ところが、川崎フロンターレは守備の時は4-4-2というフォーメーションで守っていましたが、攻撃の時は4-1-2-3というフォーメーションに変化しました。ボランチの谷口がセンターバックの間に下がることで変わる、このフォーメーションの変化によって、ガンバ大阪の守備をずらすことが出来ました。

まず、宇佐美、パトリック、遠藤の3人の守備の時の動きが連動しません。特に谷口を誰がマークするか曖昧で、谷口がフリーになる場面が何度もみられました。遠藤が谷口をマークしても、今野の横で中村、大島、森谷、小林といった選手がボールを受けられるので、センターバックの選手は空いている選手の誰かに出せば良いという状況でした。ガンバ大阪の立場にたてば、倉田と阿部が全く守備で機能しておらず、常に中盤で数的不利を強いられていた状態でプレーしていたということです。

ガンバ大阪は後半は4-2-3-1とうフォーメーションに変更します。倉田を中央に移し、宇佐美を左サイドハーフに移動します。これによって、谷口、中村、大島という川崎フロンターレの3人のMFに対して、倉田、遠藤、今野という3人で守備をするようになったので、前半のように川崎フロンターレの思い通りにパスを回されることはなくなりました。しかし、宇佐美を左サイドに配置したことで、最もシュートが上手い選手がゴールから遠ざかってしまったため、押し込んではいるものの、呉屋のシュート以外得点が入りそうなチャンスはありませんでした。

ガンバ大阪のチーム状態は、かなり良くないと観ていて感じました。選手の強みではなく、宇佐美なら守備といった弱点が目立ってしまいます。長谷川監督は就任以降、守備を整備。攻撃重視だったチームのバランスを建て直し、J1復帰後即優勝、そして2015年シーズンの天皇杯優勝とACLベスト4という結果に導いてみせました。

ところが、この3年の成果の代償を、今シーズンは受けていると僕は思います。2015年シーズン、Jリーグで最も多くの試合を戦ったチームは、オフの期間も最も短くなってしまいました。選手のコンディションを回復させる時間も、新しい戦い方を用意する時間もとれません。しかも、2年間ガンバ大阪の躍進を陰で支えていた片野坂ヘッドコーチが、大分トリニータの監督に就任するため退団。解決策を考え、チームに落としこむ役割を担っていたコーチの退団は、今のところ大きな影響を与えていると思います。

ガンバ大阪が抱える攻撃の問題

長谷川監督就任後、守備はよくなりました。しかし、攻撃は特別レベルアップ出来ているわけではありません。二川はスタメンで出場しなくなり、遠藤は年々パスのスピードと、パスを出せる範囲が狭くなってきています。

ガンバ大阪の攻撃を支え、チャンスを作ってきた2人の力が衰えてきているのに、代わりがいません。アデミウソンも藤本もチームにフィットしていません。長谷川監督も「どう守備するか」はチームに落とし込めているものの、「どう攻撃するか」は落とし込めていません。ここに、ガンバ大阪の現在の問題があると思います。攻撃のレベルアップは、守備のレベルアップより簡単ではありません。風間監督はその事について、前節の浦和レッズ戦後にこう語っています。

攻撃というのは発想だと思っています。確実性もないし誰の目にも見えないものだと思うんです。守備というのは相手が教えてくれるものなので、そういう意味ではそこの対処は比較的にできるのではないかなと思います。ただ、どういう組み立てをするか、どういうふうな時間を使うのか、それから普通でいうと攻守という言葉になってしまうのですが、どっちが先にすればそういうことができるのか。最終的に、守備も含めてチームとして成り立っていくのかというのがすごく重要になるんじゃないかなと。
(中略)
攻撃を組み立てる上では1番は技術と戦術眼。これが、自分たちの中で判断という形を生んでくるので、その的確な判断を正確な技術でやらなければ結局、ボールは持てませんので。そういうところが違うんじゃないかなと。攻め切れないというのはボールを持って前に進めない。これは形でできるポゼッションだと思うんですけど、チャンスをしっかり作れるというのは、そういう技術のところからこだわっていかないと行けないと思います。

守備がよくなったチームが、攻撃をレベルアップさせようとして上手くいかない。この問題はJリーグの他のチームでも、よく見られる問題です。ちなみに、この問題は長谷川監督が清水エスパルス時代に解決出来なかった問題でもあります。正直、解決には時間がかかると思いますが、長谷川監督の真の実力が試されています。ガンバ大阪がどう立て直すのか注目したいと思います。

期待してしまう三好の気の強さ

最後に三好のイエローカードのシーンについて、書いておきたいと思います。丹羽と競り合った後、丹羽に詰め寄られた三好は、テレビで見ている限り、謝る素振りをみせませんでした。僕は三好の態度に好感がもてました。そんな接触でいちいち謝ることを要求するな、それより勝つことが大事、そして何としても結果を残したい。そんな三好の気持ちが観ていて伝わってきました。僕は三好の顔に似合わない、気の強さが大好きです。もっと三好のプレーが観てみたいと思いますし、僕は期待しています。

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