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“企画は公序良俗に反するものをやる”スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫が語る「企画論」

      2014/07/22

鈴木敏夫の ジブリ汗まみれ 1

僕は、スタジオジブリのプロデューサーを務める鈴木敏夫さんのラジオ番組「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」の大ファンです。Podcastが更新されると、繰り返し繰り返し、内容を覚えるほど聴いています。

3月3日に放送された「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」では、日本テレビの若手ディレクターを対象に、日本テレビ制作局・局長代理の吉川圭三さんが3年前から開催している「企画塾」から注目の若手ディレクターが集結し、「企画」について語っていたのですが、そこで語られている鈴木さんの「企画の考え方」が面白かったので、紹介します。(ちなみに吉川さんはスタジオジブリが発行する雑誌「熱風」に「新・仮説・エンターテイメント進化論」を連載中です。)

実戦がすべて。

鈴木さんが徳間書店で週刊誌の記者をやっていた頃、取材の方法や記事を書く方法は誰も教えてくれなかったそうです。、現場に行かされ、わからないまま取材や記事を書くことで、やり方を学んでいったのだそうです。

また、アニメーションは「原画」という動きの元となる絵から「原画」と「原画」の間をつなぐ「動画」という絵を描いて、動きを表現していきます。通常、アニメーターを目指す場合は、「動画」を書くことからスタートするのですが、「風の谷のナウシカ」の時、宮崎駿を訪れた、後にエヴァンゲリオンを作ることになる庵野秀明は「原画を書かせてくれ」と宮崎駿に直談判し、アニメーターの経験がないにもかかわらず、「原画」を書くことになります。そして、あの「巨神兵」が誕生へとつながります。

この2つのエピソードを紹介した後、鈴木さんは、「失敗しないとわからないことがある」といいます。本当にいいか悪いかは、どんなに勉強してもわからないと。また、「先輩の仕事をなぞるだけだと、本来の自分を失っちゃう」とも語っています。段階を経て何かを習得することが不要だとは思いませんが、学んだことを活かすも殺すも実戦です。実戦こそ、”最良の勉強”なのかもしれません。

企画は公序良俗に反することをやる

鈴木さんは、「企画は公序良俗に反することをやるべきだ」と語っています。「おしん」が生まれた時代、「差別はいけない」という考えが始まったころだったそうです。そんな時、「おしん」というドラマは産まれます。「おしん」は1人の女性が差別に負けずに頑張る、というテーマの物語です。つまり、「差別はいけない」という時代に、「差別」のことをあえて語ったことが、国民的ヒット作が産まれた要因の一つだというのです。

また、鈴木さんが他に例として挙げたのは「天才たけしの元気が出るテレビ」。この番組を評して、「公序良俗に反することをやりながら、オブラートの包み方がうまかった」といいます。「公序良俗に反することを、オブラートに包んで見せる」というのは、北野武の芸の根源とも言える考え方ですが、公序良俗に反するものを、人は見たがります。事件が起きた場所に野次馬が群がるのも、人々が公序良俗に反することを求めているがゆえの行動と言えます。

鈴木さんは企画のヒントについて、こう語っています。
企画のヒントは、「世間が騒いでいる、”これはやっちゃいけない”」の中に潜んでいる。

企画は”公私混同”で考える

この「企画塾」を始めた吉川圭三さんは、不順な動機から番組作りの企画がスタートしていると語ります。吉川さんが、「世界中の番組を観たい」と考えて始めたのが「世界まる見えテレビ特捜部」。「世界中を旅して知らないことを知りたい」と考えて作った番組が、「特命リサーチ」。

吉川さんの話を聞いた鈴木さんは、「仕事は、個人的な動機を正当化した人の勝ち」と語ります。鈴木さんは、常に自分の仕事は”公私混同”と言っています。自分が作りたいものを今まで作ってきた、と。

自分が本当にやりたいこと、欲しい物を形にすることが、ヒット作を企画する最初の一歩なのかもしれません。そのためには、まず自分が本当にやりたいこと、欲しいものを常に考えて、知ること。それが重要なのだと思います。

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「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」が本になりました。これはこれで楽しみ。

鈴木敏夫さんの「公私混同」という考え方は、以下の2冊でもよく出てくる話題です。

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