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「視野が広い」選手が頭がいい選手である理由

   

中村憲剛のスルーパスの極意

サッカーでパスが上手い選手を表現するという言葉として、「視野が広い」という言葉があります。観客やテレビで観ている人にとって、予想もつかない場所、人に対してパスを出して、チャンスを創りだすプレーをしたとき、「視野が広い」という言葉でパスの出し手が賞賛されることがあります。Jリーグだと、中村憲剛、中村俊輔、遠藤保仁、小笠原満男、柏木陽介、青山敏弘といった選手を思い浮かべる人もいると思います。

目で見えていないはずの選手にどうやってパスが出せるのか

ただ、人間が目で見れる範囲は、だいたい120度くらいと言われています。個人差はあるものの、そこまで大きな差ではないそうです。そして、120度という視野だと、自分の背後は観えません。しかし、サッカーを観ていると、実際に人が見えてないような遠くの選手や、身体とは反対方向の選手に正確なパスを出す選手がいます。こうしたプレーは、どうやって実現させているのでしょうか。

サッカーでパスを出す選手は、パスを出す先を、全て正確に見ているわけではないと思います。特に、自分の身体の背後にいる選手なんて、見えていません。では、中村憲剛が見えてないはずの背後の選手に、正確にパスが出せるのはなぜか。それは、パスを出す先を観ているのではなく、「把握している」からなのです。

よいパスの出し手は、味方がどこにいるのか、常に把握しています。首を振り、目を動かし、味方や敵の位置を逐一確認しています。ただ、重要なのは見ることではありません。目で見た情報を、頭に叩き込んで、常に頭の中にあるフィールドの情報をアップデートし続け、味方と敵のポジションを正確に頭の中で把握することなのです。つまり、身体と逆の向きにパスを出せる理由は、頭の中に叩きこまれている味方の位置から、身体と逆の位置にいる味方に対してパスを出しているのです。

目で見た情報を正確に記憶し続ける選手

よいパスの出し手は、実際の視野が広いというよりは、目で見た情報を正確に記憶し続ける能力の高い選手だと、僕は思っています。よいパスの出し手が、フィールドで起こっている出来事を自分の言葉で論理立てて語れる選手が多いのは、プレー中に、目で見た情報を正確に記憶し続けているため、人に話す時も自分が記憶した出来事を呼び出し、自分の言葉で語ることが出来るからです。

選手は、目で見た情報だけで、プレーしているわけではありません。「視野が広い」という言葉だけでは、選手がフィールドで捉えている情報や事象を、表現出来ていないと僕は思います。選手の頭の中にこそ、選手の意図やプレーを把握するヒントが隠されているのです。

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