2017年J2第29節 名古屋グランパス対アビスパ福岡 プレビュー「チャンス構築率1位 vs シュート成功率1位」

2017年J2第29節、名古屋グランパスの対戦相手はアビスパ福岡です。まず、第28節までのデータを基に、アビスパ福岡のデータから分析した特徴を紹介します。

チャンス構築率がリーグ1位のアビスパ福岡

Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は13.7%でリーグ1位。攻撃回数は128.8回とリーグ14位ですが、1試合平均のシュート数は17.6回でリーグ1位。つまり「少ない攻撃で確実にシュートチャンスを作り出しているチーム」だといえます。アビスパ福岡の1試合平均のパス本数は390.3本でリーグ11位、ボール支配率は1試合平均50.0%でリーグ9位と、ボールを長い時間保持するチームでもありません。しかし、1試合平均の30mラインの侵入回数は43.5回でリーグ4位、1試合平均のコーナーキックは6.5回でリーグ2位。この数字からは、ボールを保持する時間やパスの本数は少ないものの、効率よく相手陣内にボールを運んでいる事が分かります。コーナーキックは、相手陣内にボールを運び、相手選手がゴールラインにボールを出した時に行われるプレーなので、ボールを効率よく相手陣内に運べているかどうかを判断する指標になります。

ただ、アビスパ福岡の「シュート成功率」は7.7%でリーグ20位。シュート数は多く、効率よく相手陣内にボールが運べているものの、成功率の高いシュートチャンスが作れているチームではないという事が分かります。なお、アビスパ福岡の得点データを分析すると、セットプレーからの得点が全体の45%を占めています。前回対戦時もコーナーキックから失点したことを考えると、いかにセットプレーで失点しないかがポイントになりそうです。

アビスパ福岡が2位につけている要因は守備です。相手にシュートを打たれた回数を攻撃を受けた回数で割った「被チャンス構築率」は、8.5%でリーグ3位。1試合平均の被シュート数は10.3本でリーグ1位。つまり、「シュートを打たせない守備が上手いチーム」だといえます。シュートを打たれて失点する率「被シュート成功率」は、7.0%でリーグ4位。シュートを打たせない守りだけでなく、相手に成功率の低いシュートを打たせている事がよくわかります。

この試合は名古屋グランパスがボールを保持する時間が長いと思いますが、名古屋グランパスの1試合平均の30mライン侵入回数は42.8回とアビスパ福岡より低く、ボールは持てるものの、シュートチャンスはアビスパ福岡の方が多い。そんな試合が予想されます。

実は「チャンス構築率」はアビスパ福岡がリーグ1位なのですが、「シュート成功率」は名古屋グランパスが13.5%でリーグ1位です。シュートチャンスを数多く作り出すアビスパ福岡と、作り出したシュートチャンスを確実に決める名古屋グランパスの対決、どのような結果になるのか楽しみです。

ボールを保持して、得点を奪えるようになったので、次は試合のテンポをコントロール

名古屋グランパスは前節は4-3で勝利し、4連勝。直近3試合で16得点挙げていますが、9失点しており、盤石の試合運びが出来ているとはいえません。特に4-0から4失点した愛媛FC戦、3-1から2失点した町田ゼルビア戦など、リードして2点差以上つけたのに追いつかれるという試合が続いています。

追いつかれている要因は、選手が動きを止めてしまっている事だと思います。相手が追いつこうと攻撃を仕掛けてきたら、相手の背後にはスペースが空いています。空いているスペースでボールを受けて、相手を帰陣させれば、相手が攻撃を仕掛ける時間も回数も減らせます。しかし、名古屋グランパスの選手はリードしたら動きを止めてしまい、ボールを奪っても攻撃に出ず、自陣から動かないので、相手に捕まってしまい、ボールを失い、攻撃を受ける。そんな場面が何度か見られました。相手が攻撃を仕掛ける場所が、自陣ゴールから遠ければ遠いほど、失点のリスクは減ります。

相手が攻撃を仕掛けてきた時に、少ない人数で余裕もって守りきれるような守備力を名古屋グランパスは持っているチームではありませんし、現在は守備を犠牲にしてでも、攻撃を仕掛ける事を意識づけ、チームを前に進めようとしています。そして、リードしても動きを止める事なくボールを受け続ける事によって、試合のテンポをコントロールすることが出来ます。ボールを保持して、得点を奪えるようになったので、次は試合のテンポをコントロールする。そんな段階にきているのです。

僕は後半戦はずっと田口のプレーに注目しています。前節の町田ゼルビア戦は出場停止でしたが、田口がいなかったことも、相手の攻撃を受け続けた要因だったと思います。田口がどのように試合をコントロールしようとするのか、そして最近の試合で披露している得点チャンスを作り出すプレーを何度披露できるのか。注目したいと思います。

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