2017年J2第37節 名古屋グランパス対湘南ベルマーレ プレビュー「湘南ベルマーレの得点源はセットプレー」

2017年J2第37節、名古屋グランパスの対戦相手は湘南ベルマーレです。まず、第36節までのデータを基に、湘南ベルマーレのデータから分析した特徴を紹介します。

イメージする湘南ベルマーレの得意パターンによる得点は少ない

Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は11.0%でリーグ6位。攻撃回数は130.7回とリーグ8位と攻撃回数は多いチームですが、湘南ベルマーレのように「ボールを奪って、素早く攻撃する」チームは攻撃回数が増える傾向にあるので、プレースタイルから考えると、そこまで多いとはいえません。ただ、シュート数は14.4本でリーグ5位という本数は、攻撃回数を考えると少なくはないと思いますし、効率よくシュートチャンスを作れてはいると思いますが、問題はシュート成功率です。「シュート成功率」は8.8%でリーグ13位。シュートは打っているものの、得点につながるシュートチャンスを作れているわけではないことが読み取れます。

攻撃のデータを詳しく分析すると、30mラインの侵入回数は40.2回でリーグ7位。少なくはありませんが、湘南ベルマーレのプレースタイルから考えると物足りない数字です。枠内シュート数も1試合平均4.4本でリーグ6位。そこまで攻撃において特筆すべき数字がない湘南ベルマーレの得点の内訳を調べていると、セットプレー関連からの得点が多いことに気づきました。セットプレー関連からの得点は、総得点の39%を占めます。

湘南ベルマーレというチームのプレースタイルを思い浮かべる時、ボールを持っている選手を後ろの選手が次々と追い越し、相手ゴールに迫っていくシーンを思い浮かべる人がいると思いますが、実はそんなプレーで得点を奪っているわけではなく、敵陣で得たフリーキックやコーナーキックを上手く得点しているのだという事が、データから読み取れます。湘南ベルマーレは1試合平均のコーナーキック数が4.3本でリーグ14位、直接フリーキック数が13.6本でリーグ7位と特別本数が多いわけではありません。いかに効率よくセットプレーで得点を奪っているかが読み取れます。

出来るだけ相手ゴール近くでボールを奪って、自陣のセットプレーを減らす

守備のデータを分析すると、湘南ベルマーレが首位にいる要因が読み取れます。攻撃を受ける回数は130.4回でリーグ12位。攻撃を受ける回数が多いチームなのです。しかし、シュートを打たれる回数が1試合平均12.4本でリーグ7位。被チャンス構築率は9.5%でリーグ6位です。つまり、相手にボールを保持されて攻撃されるけれど、ボールを奪い返すのが上手いチームでもあるのです。そして、シュートを決められる確率を示す「被シュート成功率」は6.0%でリーグ1位。湘南ベルマーレの守備をかいくぐって、いかにシュートを決めるのが難しいかが読み取れます。

なお、名古屋グランパスのシュート成功率は、13.9%でリーグ1位。湘南ベルマーレの被シュート成功率の倍です。どちらのデータの方が、試合に優位性をもたらすのか注目です。

湘南ベルマーレの失点の割合を分析すると、実はセットプレーからの失点が多く、セットプレー関連プレーから12失点を喫しています。

湘南ベルマーレは背が高い選手が少なく、特に3人のDFの左右に背が低い選手を起用しているので、どうしても高いパスに対する対応で、不利になる時があります。その事が分かっているので、湘南ベルマーレは出来るだけ自陣ゴール前から遠い位置でボールを奪おうとし、フリーキックやコーナーキックを減らそうという守備をしています。

湘南ベルマーレと対戦した、前回の対戦時からの最も大きな変化は、ガブリエル・シャビエルの加入です。ガブリエル・シャビエルが加入してから、名古屋グランパスはコーナーキックやフリーキックからの得点が増えています。名古屋グランパスの直接フリーキックの獲得本数は、1試合平均15.9本でリーグ1位。この直接フリーキックの数を得点に結びつける事が出来ず、前半戦は勝ち点を落としていましたが、今の名古屋グランパスにとって、セットプレーは武器です。湘南ベルマーレのセットプレーだけでなく、名古屋グランパスのセットプレーにも注目です。

上手くいかなかった時にどうするか

この試合の名古屋グランパスの戦い方で注目したいのは、「上手くいかなかった時にどうするか」です。名古屋グランパスが普段通りにプレー出来たら、1得点は取れると思います。問題は普段通りにプレー出来なかった時です。湘南ベルマーレの他のチームとの違いは、守備時のコンタクトの強さやスピードです。こうしたコンタクトやスピードをまともに受けてしまうと、湘南ベルマーレのペースで試合が進んでしまいます。もし、湘南ベルマーレが先制点を奪って、後半20分頃までリードされていたら、どのように得点を奪いにいくのか。杉森のようにボールを運べる選手を選択するのか、あるいは永井のように相手の背後に抜け出す選手を選択するのか、あるいはシモビッチのようにゴール前で技術を発揮する選手を起用するのか。玉田や佐藤はこの試合も後半20分までの出場を目処に、全力でプレーするはずです。

前回の対戦時には、疲れてはいたものの、相手にとって最も嫌な動きをしていた杉森を交代させた結果、相手陣内にボールを運べなくなり、あと一歩のところまで追い詰めながら、試合に敗れてしまいました。拮抗した展開になった時、欲しい1点をどのように奪うのか。この1年試行錯誤してきた事が試される試合です。楽しみです。

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