2017年J2第41節 名古屋グランパス対ジェフユナイテッド千葉 プレビュー「11対11ではなく、14対14で戦う試合」

2017年J2第41節、名古屋グランパスの対戦相手はジェフユナイテッド千葉です。

パス本数が少ないのに、ボール支配率が高いジェフユナイテッド千葉

Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は12.4%でリーグ4位。攻撃回数は134.5回とリーグ3位。1試合平均のシュート数が16.7回でリーグ1位。シュート数がリーグ1位ですが、1試合平均の枠内シュート本数も5.3本でリーグ1位。相手ゴール前にボールを運んで、シュートチャンスを作るのが上手いチームだと言えます。

ジェフユナイテッド千葉の攻撃のデータで注目したいのは、ボール支配率です。1試合平均のボール支配率は、60,0%でリーグ2位。これは、名古屋グランパス(56.3%)より高い数字です。1試合平均のパス本数は、495.3本でリーグ4位と決して高くないにもかかわらず、ボール支配率が高いというデータは、あまり見たことがありません。

なぜこのようなデータになるかというと、ジェフユナイテッド千葉のボール保持の仕方が、他のチームと違うのだと思います。ジェフユナイテッド千葉は、攻撃回数が134.5回と非常に多く、「ボールを奪って、奪われる」回数が多いチームでもあります。ただ、ボールを奪われたとしても、相手チームから奪い返すのが早いため、相手チームより結果的にボールを保持している時間が長いのだと思います。

ジェフユナイテッド千葉は、1試合平均のコーナーキックの数が7.3本でリーグ1位。サイドから中央にパスを出すクロスの1試合平均の本数が、21.7回でリーグ1位。ジェフユナイテッド千葉は、ボールを奪ったら、ボールを奪ったのと逆のサイドにロングパスを出し、空いているスペースを使ってボールを運ぶチームだという事が、データから読み取れます。そして、コーナーキックの本数は、ジェフユナイテッド千葉が相手陣内にボールを運ぶプレーの質が高いという事を裏付けています。1試合平均の30mライン侵入回数は45,8回でリーグ2位。34.5%の確率で相手陣内にボールを運べています。

5連勝中のシュート成功率は11%を超えている

しかし、得点数をシュート数で割った「シュート成功率」は、9.7%でリーグ9位と決して高いチームではありません。ボールを相手陣内に運び、シュートチャンスを作り出せていても、シュートが入らない。そんな試合が続いていたことが、9位という順位になっていたのだと思います。しかし、現在のジェフユナイテッド千葉は5連勝中。5連勝中のシュート成功率は11%を超えています。シュート成功率は、40試合の平均ではなく、直近のデータを元に考えた方が良いと思います。

シュートチャンスを作らせない守備は上手いが、シュートを止めるのは上手くない

守備のデータを分析すると、シュートを打たれた数を攻撃を受けた数で割った「被チャンス構築率」は8.4%でリーグ1位。攻撃を受ける回数は129.8回でリーグ11位と多いのですが、被シュート数が10.9回でリーグ1位と、シュートチャンスを作らせないのが上手いチームです。

ジェフユナイテッド千葉はDFが守っている位置が、相手ゴールにかなり近い位置だというところが特徴なのですが、この守り方は相手にシュートチャンスを作らせないという効果を挙げているということが、データから読み取れます。ジェフユナイテッド千葉は、1試合平均の間接フリーキックの数が4.8回でリーグ1位。間接フリーキックの数は、ほぼオフサイドの反則を得た数なので、ジェフユナイテッド千葉がいかにオフサイドの反則を誘発しているか読み取れます。

しかし、シュートの被成功率は、12.9%でリーグ21位。相手にシュートチャンスを作らせる確率は低いけど、自陣ゴール前にボールを運ばれると失点する確率が高いという守備をしている事が読み取れます。名古屋グランパスの1試合平均の30mライン侵入回数は、ジェフユナイテッド千葉と同じく45.8回でリーグ2位。そして、シュート成功率は14.2%でリーグ1位です。一方、チャンス構築率は10.4%と、シュートチャンスを作りだすプレーに課題を抱えているチームでもあります。

どちらが相手陣内に侵入する回数を増やせるか

相手にシュートチャンスを作らせない守備が上手いジェフユナイテッド千葉と、シュートチャンスを確実に得点するのが上手い名古屋グランパス。ポイントは、いかに名古屋グランパスが相手陣内にボールを運ぶ回数が増やせるかだと思います。

ジェフユナイテッド千葉が名古屋グランパスからボールを奪う回数が増え、押し込む時間と回数が多ければ、ジェフユナイテッド千葉が優位に試合を運ぶと思います。一方、名古屋グランパスが相手陣内にボールを運ぶ回数が多ければ、ジェフユナイテッド千葉の守備を考えると、思わぬ点差がつくことも考えられます。両チームともセンターラインをいかに超え、相手陣内にボールを運べるかがポイントになりそうです。

ジェフユナイテッド千葉は、この試合に乾が怪我で欠場することが予想され、矢田が名古屋グランパスとの契約の問題で出場出来ません。僕は、このタイミングで選手が2名欠場するのは、試合の戦い方に影響があると思います。なぜなら、ジェフユナイテッド千葉の戦い方は、選手同士が連動して動かないと機能しない戦い方だからです。5連勝中はほぼメンバーを固定して戦っていただけに、メンバーが入れ替わる事による影響がどこまであるのか注目したいと思います。

いかに中央から攻撃できるか

名古屋グランパスの戦い方で注目したいのは、いかに中央から攻撃できるかです。

今の名古屋グランパスなら、ジェフユナイテッド千葉が積極的にボールを奪いにきても、右の宮原、左の和泉のドリブルでボールが運べると思います。ただ、サッカーのゴールは中央にあるので、いかに中央を崩すかがポイントになると思います。ガブリエル・シャビエル、玉田、田口、小林という4人が、ジェフユナイテッド千葉の守備に対して、いかに縦方向のパスを活用しながら、ボールを運んでいけるのか。中央からボールを運ぶ事を意識しないと、佐藤や青木の背後への動きも活きません。

横方向や後方向のパスばかりだと、ジェフユナイテッド千葉の守備に捕まってしまいます。横方向のパスを使いながら、相手の守備者の間に動いた選手に対して、素早く縦方向のパスを出せるか。ジェフユナイテッド千葉は素早く、強く、ボールを奪いにくると思いますので、相手の背後を上手くとってボールを受けるか。DFの背後ばかり狙いたくなるチームですが、僕はMFの背後でボールを受けられるかがポイントになると思います。玉田、ガブリエル・シャビエル、青木といった選手がどのくらい受けられるかに注目です。

11対11ではなく、14対14の試合

そして、この試合は交代選手の活躍が勝敗を分ける気がします。シモビッチ、押谷、杉本、杉森といった選手が、1点が欲しい場面でどのようなプレーをするのか。特にシモビッチを入れるタイミングが早いと、ジェフユナイテッド千葉の守備に捕まるでしょうし、遅いと動ける前に試合が終わってしまう。交代出場させるタイミングと、選ぶ選手を間違えないようにすること。11対11の試合というよりは、14対14の戦いで、勝敗が決まる。そんな試合になる気がします。

残り2試合というタイミングで、強い相手と戦えるというのは、とてもいい事です。勝てば、自分たちの強さを証明し、他のチームにプレッシャーを与える事が出来るからです。プレッシャーを力に変え、他のチームに打ち返す事が出来るか。2017年シーズン取り組んできたことが試される試合です。楽しみです。