2017年J2第6節 名古屋グランパス対ロアッソ熊本 プレビュー「パスは味方の足元に正確に」

2017年J2第6節、名古屋グランパスの対戦相手はロアッソ熊本です。

素晴らしいゴールだった、松本山雅FC戦の2点目

前節の松本山雅FC戦の後半は、名古屋グランパスが目指すサッカーの一端を、ようやくサポーターに披露出来たと思います。「出して、受ける」を繰り返し、相手がボールを奪いに来なければボールを運び、ボールを奪いにくればシモビッチを狙ったロングパスで外す。そして、2得点目のように「出して、受ける」を繰り返して、ペナルティエリアに侵入し、「触ればゴール」になるようなパスを出して、相手の守備を崩し切る。相手が何人で守っていても、パスの出し手と受け手の関係で、相手の守備を無力にする。そんなゴールをようやく観る事が出来ました。

もちろん、こんなゴールを2試合連続で観たいと思いますが、サッカーは相手があってのスポーツなので、簡単ではありません。そして、今の名古屋グランパスはまだまだ課題だらけです。まだまだ、「出して、受ける」動きだけでは、相手の守備を外す事が出来ていません。特に課題だと感じるのは、「動いた選手の足元に、素早く正確なパスを出す」というプレーです。

パスは足元に正確に出せ

風間監督は、「パスは足元に正確に出せ」と口にします。「足元にパスを出す」という言葉は、サッカーでは「止まっているパスの受け手に対して、パスを出す」と受け止められる事が多いのですが、風間監督の意図は違います。風間監督の意図は、「動いているパスの受け手に対して、正確に速いパスを出す」事なのです。止まっているパスの受け手にパスを出すと、パスの受け手はパスを受けてから動くので、「出して、受ける」というテンポが遅くなります。しかし、動いているパスの受け手の足元に正確に出せば、受け手がきちんとコントロール出来ればですが、テンポを落とさずに攻撃出来ます。

また、Jリーグでよく見かけるのは、パスの受け手ではなく、サイドの人がいない場所を狙って蹴るパスです。人がいない場所なので、相手選手より速く走ってボールに追いつけば、ボールを受ける事が出来ます。一見するとボールが前に進んでいるのでチャンスに見えますが、人がいない場所というのは、相手にとってはゴールから遠い位置で、守る場所としては優先度が低い場所です。また、ボールと選手が走るスピードを比較したら、圧倒的に速いのはボールです。場所をめがけ、選手が追いつかせる事を狙ったパスを活用するよりは、選手が動いた足元に、素早く正確なパスをつけたほうが、速いです。正確で、速いパスを追求することで、本当の意味で「速い」攻撃を実現し、どんな相手でも崩し切るサッカーを目指しているのです。

課題だらけだがチームは前向き

もちろん、そんなサッカーを実現させるのは簡単ではありません。そのためには、ボールをどんな状態でも正確に止められなければなりませんし、正確にパスが出来なければなりませんし、相手が密集している場所でも、ボールが受けられる場所に動く事が出来なければなりません。まずチームは「出して、受ける」がある程度のレベルまで実現出来るように、練習している最中です。まだまだ、「出して、受ける」だけだと外せないので、杉本の運ぶドリブルを活用したり、シモビッチの高さを活用したり、玉田にボールをキープしてもらって他の選手が動く時間を作ってもらったりと、様々な手段を駆使しないといけません。「受ける」達人である佐藤寿人が未だにノーゴールなのは、チームの「出して、受ける」のレベルがまだまだ低い事を現しています。

しかし、今の名古屋グランパスの選手たちは、勝ち進みながらも、試合ごとに出てくる課題を前向きに捉え、改善していこうとしているように感じます。日々の練習をしっかりこなしていれば、少しずつレベルアップし、プレーしていても楽しいサッカーが実現できる。そんな手応えを掴みつつあるのかもしれません。

今節のロアッソ熊本戦は、選手たちが掴んだ手応えがチームを前進させる力となっているのか、そして松本山雅FC戦の後半のようなサッカーがどこまで継続できるのか、そして「動いている選手の足元に正確に出すパス」が何本通るのか。僕はこの3点に注目して試合を観たいと思います。どんな試合になるのか楽しみです。

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