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2017年J2第32節 名古屋グランパス対大分トリニータ プレビュー「素早く敵陣に運んで、ラストプレーはゆっくり正確に」

   

2017年J2第32節、名古屋グランパスの対戦相手は大分トリニータです。まず、第31節までのデータを基に、大分トリニータのデータから分析した特徴を紹介します。

「スローテンポ」な大分トリニータ

Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は10.8%でリーグ7位。攻撃回数は121.2回とリーグ22位。リーグで最も「攻撃する回数が少ない」チームです。しかし、1試合平均のシュート数は13.1回でリーグ10位。効率よくシュートチャンスを作り出しているチームだと言えます。大分トリニータのシュート成功率は10.1%でリーグ9位。シュート成功率もチャンス構築率から考えると、悪い数字ではありません。

大分トリニータのように、「攻撃回数が少なく、チャンス構築率が高い」戦い方をしていたのは、森保一さんが監督を務めていた頃のサンフレッチェ広島です。ボールを確実につないで、時間をかけて攻撃を仕掛けるので、攻撃回数は少ないものの、パス数が多く、ボール支配率が高いのが特徴です。大分トリニータのパス数は1試合平均500.7本でリーグ4位、ボール支配率は52.4%でリーグ4位。このデータは、「ボールを確実につないで、時間をかけて攻撃を仕掛ける」という大分トリニータの戦い方を裏付けています。

注目したいデータは、スローインの数です。1試合平均のスローインの回数は22.2回でリーグ22位。スローインが少ないという事は、相手がボールをタッチラインに出すプレーが少ないという事を意味します。大分トリニータの試合では、プレーが途切れず、フィールドの中でボールが動き続けるので、相手にボールを渡したら、なかなかボールが自分たちに返ってきません。したがって、名古屋グランパスには、普段以上にボールを相手陣内にミスなく運び、ボールを保持する時間を長くし、相手陣内でプレーする時間を増やすことが求められます。

大分トリニータの守備のデータを分析すると、攻撃を受ける回数は117.6回でリーグ1位。つまり、「攻撃を仕掛ける回数も少ないけれど、攻撃を受ける回数も少ない」チームなのです。これは、ボールを保持する時間を増やし、ボールを奪われたらまず帰陣して相手の攻撃を受け止め、攻撃にも守備にも時間をかけることで回数を減らす「スローテンポ」なプレーを仕掛けているチームであるということがよくわかります。

ただ、大分トリニータはシュートを打たれる回数が、1試合平均14.3本でリーグ20位、シュートを決められる確率を示す「被シュート成功率」は12.1%でリーグ21位。名古屋グランパスの被シュート成功率が11.1%でリーグ18位なので、いかに大分トリニータのデータがよくないかがわかります。つまり、攻撃される回数は少ないけれど、シュートを打たれる回数も多いチームなのです。ただし、被シュート成功率は8.1%でリーグ9位。シュートは打たれるけれど、相手に成功率が高いシュートチャンスは作らせていないということが読み取れます。

玉田に求められる「わざとテンポを落とす」プレー

この試合で注目したいのは、玉田のプレーです。怪我から復帰しましたが、第26節以降は出場機会なし。第28節ではベンチからも外れました。

前半戦の名古屋グランパスのMVPを選べと言われたら、僕なら玉田を選びます。前半戦は玉田がいなければ、攻撃が成立しませんでした。現在のようにミスなく相手陣内にボールを運べなかったチームが頼りにしていたのは、玉田のボールを奪われないドリブルでした。玉田がボールを相手陣内に運ぶことで辛うじて攻撃が成立していた時期を乗り越えなければ、8月の5連勝はあり得ませんでしたし、玉田が怪我で離脱してからチームが勝てなくなった事からも、玉田という選手にいかにチームが頼っていたかがよくわかります。

ただ、玉田が欠場中にチームにはガブリエル・シャビエルが加入し、玉田が担っていた役割を担ってくれるようになりました。ガブリエル・シャビエルがチームにフィットしたことにより、攻撃のテンポが上がり、効率よく相手陣内にボールが運ばれるようになりました。しかし、素早く相手陣内にボールを運べるものの、ペナルティーエリア付近までボールを運んだ後に、スピードを上げたまま攻撃を仕掛けてしまい、せっかく作り出したシュートチャンスを潰してしまうような場面もみられました。前節の水戸ホーリーホック戦の青木からガブリエル・シャビエルへのパスが通らずに得点できなかったシーンは、スピードを上げたままペナルティーエリアに侵入したため、正確にプレー出来なかったシーンのよい例だと思います。

玉田に期待されているのは、ミスなく相手陣内にボールを運んだ後に、成功率の高いシュートチャンスを作り出すために「わざとテンポを落とす」プレーです。プレーのテンポを落として、ズレを作り出し、味方をフリーにする。そんなプレーが玉田には求められています。プレーのテンポを調節出来るのは、「止める」「受ける」「運ぶ」のレベルが高い、一部の選手だけです。日本人選手の中で、玉田の「止める」「受ける」「運ぶ」のレベルは突出しています。たぶん、怪我明けはコンディションやチームのプレーのテンポが上がっているので、玉田が上手く適応出来ていなかったのだと思いますが、このタイミングで起用されるという事は、ようやくチームのテンポの中で技術を発揮出来るようになったという事だと思います。

僕は玉田のプレーが大好きです。シュートチャンスを作り出すプレーが出来る選手としては、いまだに日本一だと思います。久々に観れる玉田のプレーが楽しみです。

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