2017年J2第34節 名古屋グランパス対東京ヴェルディ プレビュー「チャンスが与えられている「ゴール前で違いを見せられる選手たち」」

2017年J2第34節、名古屋グランパスの対戦相手は東京ヴェルディです。まず、第33節までのデータを基に、東京ヴェルディのデータから分析した特徴を紹介します。

シュートチャンスを作るのが上手い東京ヴェルディ

Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は12.7%でリーグ2位。とてもシュートチャンスを作るのが上手いチームです。攻撃回数は129.4回とリーグ11位と前節戦ったツエーゲン金沢とほぼ同じです。しかし、1試合平均のシュート数は16.4回でリーグ3位。ツエーゲン金沢より約4本ほど多い数字です。

ただ、シュート成功率は9.0%でリーグ14位。シュートチャンスは作り出せていますが、シュート成功率が低いので、成功率が高いシュートチャンスを作れているとはいえないかもしれませんが、1試合平均の枠内シュート数は5.2本でリーグ1位。3本に1本はゴールの枠内にシュートが飛んでくる計算になります。名古屋グランパスの被シュート成功率が11.5%なので、10本シュートを打たれると、必ず1失点する計算になります。東京ヴェルディは10本シュートを打ったら、3本は枠内に飛ばしてきます。いかにシュートを打たせないかが、この試合のポイントになりそうです。

東京ヴェルディの攻撃のデータで注目したいのは、セットプレーからの得点が総得点全体の39%を占めている事です。東京ヴェルディの1試合平均のボール支配率は、53.2%でリーグ5位と決して低くはありません。しかし、30mラインの侵入回数も43.8回でリーグ4位と、チャンス構築率が高い要因にもなっています。しかし、セットプレーの得点の比率が40%近いということは、やはり成功率が高いシュートチャンスを作れていないという事が言えます。

東京ヴェルディの守備のデータを分析すると、攻撃を受ける回数は122.3回でリーグ4位。ボール支配率も高く、攻撃がシュートで終わる確率が高いので、必然的に攻撃を受ける回数も少なくなります。シュートを打たれる回数が、1試合平均12.5本でリーグ8位。被チャンス構築率は10.2%でリーグ9位です。シュートを決められる確率を示す「被シュート成功率」は9.0%でリーグ11位。被シュート成功率が10%を切っているという事は、ゴール前の守備が上手いという事がいえます。

東京ヴェルディのデータで注目したいのは、1試合平均のオフサイドの数が1.1回でリーグ22位。タックル数が16.8回でリーグ22位。この数字から分かるのは、東京ヴェルディの守備はFWが積極的にボールを奪いにくる守備というよりは、守るべき場所に素早く戻り、パスコースを消し、チームで連動して守る守り方をしていることがデータからも読み取れます。だからこそ、誰かがサボったり、誰かがミスをしたら、そのミスがそのまま失点に直結する可能性がある守り方です。名古屋グランパスとしては、相手のミスを誘ったり、連動して動けない選手をみつけて、素早く攻撃出来るかどうかが、ポイントになりそうです。

チャンスが与えられている「ゴール前で違いを見せられる選手」

名古屋グランパスは、直近5試合を1勝1分3敗。5連勝のあとに1分3敗と勝利を積み重ねていく事が出来ていません。名古屋グランパスと対戦する相手は、守備者同士の距離を短くし、中央のエリアを攻撃されないように守ってきます。名古屋グランパスとしては、相手が守ってきても、ミスなく攻撃して攻略してしまいたいのですが、プロが守っているので、そんなに簡単に攻略出来るわけではありません。ボールを奪われて、人数少なく守っているエリアから自陣にボールを運ばれて失点。このパターンで敗戦を繰り返しています。前回東京ヴェルディと対戦した時は、東京ヴェルディはボールを奪った後に、名古屋グランパスのDFとGKの間のスペースを徹底的に狙ってきました。今回も同じように攻撃される可能性があります。

直近の5試合を観ていると、「ゴール前で違いを見せられる選手を、チームのプレースタイルに組み込みたい」と試行錯誤していると感じます。具体的には、FWでは永井、押谷、フェリペ・ガルシアという選手が起用されたり、DFでは新井の怪我もあって、櫛引や内田に再びチャンスが与えられています。

名古屋グランパスは、開幕直後は新戦力と実績のある選手を以前プレーしていたポジションで起用していました。しかし、シーズンが進むにつれて、少しずつチームのスタイルに慣れたボール扱いに長けた選手が台頭し、実績のある選手は控えに回るようになりました。プレースタイルに基づいたプレーの質は高まりましたが、一方で開幕直後に起用されていた選手たちの強みであった、ゴール前のプレーの質はあまり上がっていないと感じる事があります。風間監督はその事を感じていて、ペナルティーエリアの中で違いを見せられる選手を起用し、現在の問題を解決したいと考えているのだと思います。

永井、押谷、フェリペ・ガルシア、櫛引、内田といった選手にとっては、自身のもつ経験や実力を発揮する絶好のチャンスです。風間監督は戦略やチームのスタイル(プレーモデル)は変えないと思いますが、戦術は試合によって変えてくると思います。守備を重視する試合では押谷を起用したり、得点が欲しい試合では永井が起用され、試合をコントロールしたい時は左サイドバックに内田が起用される。起用する選手を変えながら、少しでも勝てる確率を高めようとするはずです。

監督も勝ち点3を高めるために最適な戦術を選択する必要がありますし、選手も起用されたら役割をこなし、勝利という結果が得られるようにプレーしなければなりません。
残り9試合。負けられない試合が続きます。どんな試合をみせるのか、楽しみです。

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