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2017年J2第14節 名古屋グランパス対町田ゼルビア プレビュー「守備の問題は攻撃で解決する」

   

2017年J2第14節、名古屋グランパスの対戦相手は町田ゼルビアです。

攻撃回数が多くて守備回数も多い町田ゼルビア

まず、対戦する町田ゼルビアのデータから分析した特徴を紹介します。Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は10.5%。ゴール数をシュート数で割った「シュート成功率」は、6.9%です。チャンス構築率は目安となる10%を超えているのですが、シュート成功率が10%を下回っており、「チャンスは作れるけど、シュートが決まらない」チームといえます。戦い方は異なりますが、チャンス構築率とシュート成功率の分布は、前節対戦した大分トリニータに似ています。

町田ゼルビアのデータをさらに分析すると、攻撃回数は149.8回とリーグ1位。つまり、ボールを保持して攻撃を仕掛けている回数が多いチームです。ただ、30mラインの侵入回数は、34.5回とリーグ15位と、攻撃回数の割にはあまり効果的に敵陣に侵入出来ていません。敵陣の侵入回数が少ないチームは、パスを繋ぐ本数が少ないチームだったりするのですが、町田ゼルビアのデータを紐解くと、パス数は1試合平均307.5回でリーグ22位。ボール支配率も48.1%でリーグ13位と、パスを繋いで攻撃を仕掛ける大分トリニータとは異なるチームだという事が分かります。

町田ゼルビアの特徴は、守備のデータを読み解くと、より顕著に現れています。相手に攻撃される回数は1試合平均148.8回とリーグ22位。つまり、「攻撃もするけど、攻められるチームでもある」といえます。どういうことかというと、パス数、パスの成功率、30mラインの侵入回数から、ボールを敵陣に運ぼうとする時にボールを失っている事が多いのではないかと想像します。

ただ、町田ゼルビアが相手チームに打たれたシュート数を攻撃回数で割った「被チャンス構築率」は、6.6%でリーグ1位。つまり「攻められるけど、シュートは打たれない」チームだといえます。チームとして守備をきちんとするだけでなく、シュートを打たれる前にボールを奪えているという事が分かります。それが、リーグ1位の攻撃回数につながっています。リーグ戦11試合で失点14という数字は少なくはありませんが、決して守備が弱いチームではありません。

したがって、町田ゼルビアに勝つには、相手の守備をいかにかいくぐってゴール前までボールを運び、相手を自陣に押し込めるかがポイントだということが分かります。被シュート成功率が10.2%で16位なので、シュートチャンスが作れれば、ゴールを決められる確率は高いと、データからは読み取れます。

なぜ失点が増えているのに攻撃のトレーニングをするのか

名古屋グランパスは、前節大分トリニータと対戦して1-4で敗れました。通常、4失点したら「守備の問題を解決しなければならない」と考え、「いかにシュートを打たせないか」「いかにボールを奪うか」というトレーニングを行いがちですが、風間監督の考えは違います、1得点しか奪えなかった攻撃が問題だと考え、試合前のトレーニングでは、攻撃の正確性を高める練習に取り組んでいたようです。サポーターの方からすると、「なぜ守備のトレーニングをしないのか」と考えるかもしれませんが、僕も風間監督の考えに賛成です。

まず、サッカーというスポーツは、野球のように、攻撃と守備が明確に分かれているスポーツではありません。90分間という決められた時間内で、11人対11人で戦い、相手よりゴールを多く奪ったチームが勝つスポーツです。ゴールを奪わなければ、勝利出来ません。そして、バスケットボールのように24秒で攻守交代するスポーツでもないので、ボールを保持している間は、相手に攻撃できる権利を保持しています。ボールを保持している間は、相手に攻撃される事はありません。つまり、守備をする必要はないのです。

名古屋グランパスの現在の問題は、敵陣にボールを運んでからの攻撃です。相手の守備をかいくぐってボールを相手陣内まで運べるようになりましたが、相手陣内に運んでからの攻撃が正確でないため、「ミスしないだろ」と味方が考える場面でボールを奪われたり、味方がリスクを冒して動いた瞬間にボールを奪われたりと、ボールの失い方が悪いため、相手にとって優位な攻撃を受ける回数が増えている事です。自分たちのプレーを正確に行い、相手の守備を崩す回数が高まり、相手がボールを奪われても、すぐに守備に移れるような場面で奪われれば、ピンチにはなりません。つまり、攻撃の問題を解決することが、守備の問題を解決する近道なのです。

その事を理解しない人は、「守備の問題を守備で解決しよう」と考えがちですが、たとえ守備が改善してボールを奪えるようになっても、ボールを奪った後の攻撃の問題が解決していないためにボールを奪われて、攻撃を受けてしまう。その繰り返しで、失点が増えてしまい、改善したはずの守備が改善しないということになるのです。

ボールを奪うのに長けたチームに対して、いかにボールを保持して、相手の守備を崩すか。今の名古屋グランパスは、ボールを保持出来るようになったがゆえの問題に直面しています。この問題を解決できれば、より強いチームになるはずです。どんな試合になるのか、楽しみです。

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