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ほぼ日の連載『中国の職人』を読んで考えたこと。そしてお願いごと。

   

ほぼ日刊イトイ新聞で、昨日まで「塩野米松さんの『中国の職人』をみんなで読もう。」という連載が掲載されていました。この連載がとてもおもしろかったので、ブログにも感想を書いておこうと思います。

この連載は、塩野米松さんという小説と職人の聞き書きを中心に執筆活動を行っていらっしゃる作家さんが、ほぼ日刊イトイ新聞に原稿を持ち込んだ事から始まります。ほぼ日刊イトイ新聞では、塩野さんが書いた、宮大工の小川三夫さんの言葉をまとめた「木のいのち木のこころ」の文章を公開していた事があります。塩野さんが持ち込んだのは、急須や人形造りの名人6人に、塩野さんが「聞き書き」した原稿でした。なぜ塩野さんがこの原稿を持ち込んだかというと、他の出版社や編集者では「売る自信がない」と言われ、断られたからだというのです。そして、塩野さんは「中国の職人」を「定価0円の本」としてほぼ日刊イトイ新聞で出版できないかと相談をもちかけたのです。

思い出したほぼ日刊イトイ新聞初期

詳しくは連載を読んでいただきたいのですが、この連載を読みながら思い出したのは、ほぼ日刊イトイ新聞がスタートした頃に糸井さんが語っていたことです。

糸井さんは、ほぼ日刊イトイ新聞を始めた頃、「まかない飯を提供する場にしたい」というような事をおっしゃってました。糸井さんが語っていた「まかない飯」とは、映画監督、ミュージシャン、劇作家、俳優といった方々だけでなく、普段人にお金を頂いて何らかの商売をしている人が、「お金にならなくてもいいからやってみたい」と思う物の事を指していたと記憶しています。多くの人に受け入れられる商品やサービスを提供している人は、やりたいことがたくさんあるのですが、お金、時間といった制約の問題で、なかなか実現出来ません。特にお金が儲からなくてもやる、というのは簡単ではありません。生活は支えていかなければなりませんから。そんな人々に対して、「まかない飯」を提供出来る場として始まったのが、ほぼ日刊イトイ新聞でした。

「まかない飯」を提供する場だったほぼ日刊イトイ新聞は、開始から何年かは全く収益を上げていません。ただひたすら「まかない飯」を提供し続けたのです。すると、ほぼ日刊イトイ新聞が提供する「まかない飯」は美味しいという評判をよび、少しずつ読み手が増えていきました(僕もそんな1人です)。その後、ひょんな事から始めた物販によって、ほぼ日刊イトイ新聞は収益を得て、ほぼ日手帳というヒット商品も登場し、大きく成長していったのは、多くの人がご存知のとおりです。

この連載を読み終えて、ほぼ日刊イトイ新聞は、「お金にならなくてもいいからやってみたい」という事を提供し続けていたんだなと、改めて感じました。その事をよく知っている塩野さんは、ほぼ日刊イトイ新聞に「定価0円の本」として提供したいと考えたのでしょう。

信頼を築き上げる事を優先してきたほぼ日刊イトイ新聞

商品を買ってもらうには様々な方法がありますが、ほぼ日刊イトイ新聞が採用している方法は、「ほぼ日刊イトイ新聞の事を信頼してくれる人に、信頼に応えられる商品を提供する」事です。ほぼ日刊イトイ新聞は、信頼を築き上げるために、無料で面白い記事を公開するという事を始めました。まずは「ほぼ日刊イトイ新聞は面白い」と信頼してもらう事から始めたのです。

ただ、ほぼ日刊イトイ新聞は信頼してもらうために徹底的に手をかけています。記事の編集は時間をかけて行われていることが伝わってきますし、記事毎のページのデザインはオリジナルです。これは簡単な事ではありません。ほぼ日刊イトイ新聞は、信頼してもらう事がいかに大変で、難しいかをよくわかっています。僕はその事を、ブログの運営を通じて痛感しました。

常に参考にしてきたほぼ日刊イトイ新聞

僕のブログは、自分自身がサッカーなどを観たり、考えたり、聞いたりした事を、文章にまとめる場として始めました。当然始めた頃は、文章を書くことでお金を稼げないか、サッカーの記事を読んで仕事をいただけないかといった下心もありました。しかし、ブログを始めてすぐに、僕のように誰にも知られていない人の発言を拾い上げてくれる奇特な人はいない、という事が分かりました。その事に気がついてからは、考えが変わりました。

まずは多くの人に読んで頂けるような文章を、コンスタントに書いていこう。継続して読んでもらえるような人を増やそう。お金を稼ぐとか、名前が売れるとかは、それから考えればいい。そう思うようにしました。考え方が変わってからは、少しずつ少しずつ読んで頂ける方が増えてきました。そして、僕が有料記事を連載してみようと思ったのは、同じ事を続けるのは嫌だという事もあったのですが、頭にあったのは、自分の事を信頼してくれる人に対して、より信頼に応えるにはどうしたらよいのかと考えたからです。僕が有料記事の事を決断するまでに1年くらい悩みましたが、頭の片隅には常にほぼ日刊イトイ新聞の事がありました。

ほぼ日刊イトイ新聞に本を出版してもらいたい、なんて。

最後にこんな事を書くのは野暮だとは思っているのですが、どうしても書きたいので書きます。僕は2014年から川崎フロンターレの試合のレビュー、プレビューをほぼ毎試合書いてきました。3年分の原稿がブログにはアップされているのですが、これをまとめて読みたいという人が少なからずいるのではないかという思いもあり、出来れば本にしたいと思っておりました。ただ、無名の僕の本を手伝いたいという奇特な方がいらっしゃらないのもよく分かっておりますので、自分でやろうかなと思っていたのですが、さすがに仕事をやりながら本にする時間は捻出できそうにありません。

もし可能なら、ほぼ日刊イトイ新聞で本にしてもらえないかなぁ、なんて思ったりしたのですが、まあそんな事にはならないでしょう。でも、この連載を読み終えて、どうしても言ってみたくなってしまったのです。ほぼ日刊イトイ新聞で、僕がブログに書いた川崎フロンターレに関する連載を本にしてもらえないかなぁ、と。既に「定価0円の本」はブログにあるので、出来れば有料で販売してみたいです。

まあ、そんな事にはならないと思いますが、凄く読み応えのある連載でしたし、考える事が多い連載でした。本日から塩野さんが書いた原稿が公開されるそうです。どんな形式で公開されるのか、とても楽しみです。

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