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時代の先端を走る主婦たち。書評「Homeward Bound: Why Women Are Embracing the New Domesticity(ハウスワイフ2.0)」

   

久々に洋書を読みました。毎日通勤中に読んでいたのですが、1日10ページも進まず、自分の英語力に愕然とし続けながら、ようやく3週間かけて読み終えました。読み終えた本は、「Homeward Bound」。邦題は「ハウスワイフ2.0」という題名がつけられています。

本書によると、近年、アメリカでは、高収入・高キャリアの女性が、結婚や出産を経ても仕事に復帰せず、主婦業に専念する女性たちが増えているのだという。女性たちは、自分たちのキャリアを活かして起業したり、普段の食事や家事のノウハウをブログやSNSを使って紹介し、広告収入を得たり、他の主婦との情報交換を楽しみ、夫と家事を分担しながら、日々の生活を楽しもうとしているのだそうです。本書では、こうした主婦を選んだ女性の例を挙げながら、なぜ女性たちは仕事より主婦業を選んだのかまとめています。

家事の負担を減らすための奴隷制度

興味深かったのは、家事の負担を軽くするための過去の歴史を紐解いていくなかで、奴隷制度について言及されていることです。奴隷が肉体労働に従事していただけでなく、白人家庭の家政婦として働いていたという歴史は、現在香港やシンガポールのビジネスマンの家で働く、フィリピン人の家政婦の姿と個人的には重なります。

働いても暮しが楽になるわけではないと感じた女性たち

なぜ、女性たちは主婦業を選ぶのか。それは、女性がビジネスの世界で働くには、いくつもの困難が伴うからだ。出産による休暇、子育て、女性特有の身体の問題など、解決しなければならない問題がたくさんあります。

しかも、これらの問題を解決したとしても、「Lean In」の著者であり、FacebookのCOOを務めるシェリル・サンドバーグのように、高収入、高キャリアを得られる女性は、一握りです。彼女のように、皆がなれるわけではありません。頑張って働いたお金が、ほとんど子供の保育園代に消えている人も多いと聞きます。

そこで、女性たちは、自分たちの生活をより充実したものにするために、自らが積み上げてきたキャリアを捨ててでも、少しでも日々の生活を楽しむために、主婦業を選択しているというわけです。美味しい料理が出来たり、節約するための情報をWebにアップし、SNSを通じて共有し、同じ問題を抱えている人たちとのコミュニケーションを楽しむだけでなく、広告収入を得る人や、本を出版する人もいます。

日々の「衣食住」を工夫して楽しむ

こうした主婦の動きは、先の見えない世の中で、いかにして日々を楽しめるか考えた結果だと思います。先が見えないと感じているのは、アメリカも、日本も同じです。

本書に書かれている主婦の姿をみていると、これからの時代を楽しむためには、日々の「衣食住」をいかに工夫するかなのだと思うのです。そして、その工夫はお金を使うことではなく、創意工夫をこらすことだと思うのです。

もしかしたら、時代の先端を走っているのは、都市のビジネスマンではなく、郊外の主婦たちなのかもしれない。本書を読み終えて、そんなことを考えました。

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