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斉藤和義と伊坂幸太郎のコラボレーション「ベリー ベリー ストロング」「アイネクライネナハトムジーク」-絆のはなし-

   

アイネクライネナハトムジーク

最近、よく聴いている曲があります。それは斉藤和義さんの「ベリーベリーストロング」です。

「ベリーベリーストロング」は、伊坂幸太郎さんの小説「アイネクライネナハトムジーク」が元になって作られた曲です。元は、斉藤和義さんが伊坂幸太郎さんに作詞を依頼したところ、伊坂さんは「作詞は出来ないけれど、小説なら書ける」と、小説を書いたのだそうです。それが、「アイネクライネナハトムジーク」に収められている短編「アイネクライネ」です。

そして、「アイネクライネ」で描かれている世界観を元に、斉藤和義さんが作詞し、曲として形にしたのが、「ベリー ベリー ストロング」です。

「出会い」から生まれる「絆」

「ベリーベリーストロング」そして「アイネクライネナハトムジーク」では、日本人初めてのボクシングヘビー級タイトルマッチと、傍らでやりたくないアンケート調査をやらされる男性を軸に、関係する様々な人間模様が描かれています。そこで描かれているのは、人と人との何気ない出会いです。誰かと誰かが出会う。そして、偶然の出会いが人の人生にどんな影響があるのかについて、描いています。

そして、出会いとともに描かれているのは、人と人とが出会うことによって生まれる「絆」です。誰にでもある出会い。その出会いがきっかけで、人と人との関係が深まることで生まれる「絆」。絆が深まるというのは、どういうことなのか。そもそも絆とはなにか。2つの作品では、絆がもたらす世界や人物の変化が、丹念に描かれています。

伊坂幸太郎さんの斉藤和義さんへのリスペクト

ちなみに、伊坂幸太郎さんは、システムエンジニアとして働いていた時代に、斉藤和義さんの「幸福な朝食 退屈な夕食」という曲を聴いて、「僕も小説一本に専念しないと、こういうすごい作品は作れないんじゃないのか」と考え、小説家になることを決意したそうです。そして、「アイネクライネナハトムジーク」には、「斉藤さん」という人物が登場します。1回100円を払うと、登場人物の心情にあった楽曲を流してくれます。もちろん流すのは、斉藤和義の楽曲です。

「自分の仕事が一番辛いと思う奴にはならない」

「ベリーベリーストロング」の中で、特に好きなフレーズがあります。それは、「自分の仕事が一番辛いと思う奴にはならない」というフレーズです。誰も立ち止まらないアンケート調査、ようやくアンケートに応えてくれた女性が「立ちっぱなしの仕事も大変ですね」と男性に声をかけてくれます。それを聞いた男性は、ふいに「でも座りっぱなしも大変でしょうね」と応えます。そう応えた心象を説明してるのが、「自分の仕事が一番辛いと思う奴にはならない」というフレーズです。

「自分の仕事が一番辛いと思う奴にはならない」。このフレーズから読み取れるのは、相手への気遣いだったり、リスペクトです。どんな時でも相手を敬う気持ち。これがなければ、せっかくの出会いも、強い絆を生むような出会いにはならない。そんな事を考えさせてくれます。

「ベリーベリーストロング」そして「アイネクライネナハトムジーク」を聴いたり、読んでいると、こういう作品こそが、真のコラボレーションというのではないかと感じます。お互いがリスペクトしあう関係であり、ある世界観を共有し合いながら、歌と文章で同じようで、微妙に違う表現。そして、お互いがリスペクトしあうがゆえに感じられる緊張感。これらがすべて揃っているからこそ、読み応え、聴き応えがある作品になっているのだと思います。ぜひ、2つの作品を聴き比べ、読み比べてみてください。様々な発見があるはずです。

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