僕はゆるいつながりに救われてきた。書評「自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~」(佐々木俊尚)

最近、数カ月前の自分を振り返る時、遠い昔を振り返るような感覚をおぼえる事があります。数カ月前に自分が考えていたこと、自分が感じていたことと、今の自分自身を比較すると、あまりのギャップに愕然とする。でも、それは遠い昔の事ではなく、まだ数カ月前のこと。そんな時、自分が生きている現代が、変化や浮き沈みが激しく、自分自身知らず知らずのうちに、強いプレッシャーを感じながら生活をしているのだと感じます。

プレッシャーを強く感じすぎると、日々綱渡りをしているような感覚で生活をしている気分になったりします。失敗が許されず、一歩踏み外したら、落ちていく。そして、ネットサービスの発達で、家でも仕事のメールが読めるようになりました。自分自身で線をひかないと、いつまでも仕事のプレッシャーから開放されない。プレッシャーはよい仕事をするには必要ですが、過度のプレッシャーは、よい仕事や生活の敵です。そんな感覚で生活し続けるのは、つらいものです。直近1ヶ月はそんな感覚をおぼえたことが、何度もありました。

プレッシャーを感じる仕事が一段落した時、何気なく図書館で手にとったのが、本書「自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~」です。リストラされても、お金がなくても、会社がなくなっても、変化の激しいい時代で、生活していくにはどうしたらよいのか。そんな時、本当に必要なのは、お金でも、会社の肩書でもなく、会社の外にあるゆるい人と人とのつながりなのだと、いうのです。

ゆるいつながりを築くには時間が必要

僕自身、会社の外にあるゆるいつながりが、セーフティネットとなり救われていると、感じることがあります。僕の場合のセーフティネットは、サッカーやフットサルをする仲間であり、以前仕事でお世話になって親しくさせて頂いている知人であり、ブログでコミュニケーションを取るようになった見知らぬ人々だったりします。最近だと、スポーツビジネスやテクノロジーに関するセミナーやイベントで知り合った方々も、僕にとってはセーフティネットなのだと、本書を読んで改めて実感しました。

僕自身は、意識的にセーフティネットを築こうとしてきたわけではありません。むしろ、自分にとって楽しいと思うことを、都度都度選択して、実行してきただけです。ただ、会社の外にあるゆるいつながりを、セーフティネットにするには、ある程度の時間が必要だと、個人的には感じています。一気に深くつながるのではなく、少しづつ少しづつ、取り組めることや頻度を増やして、つながりを深めていくことが必要です。信頼は短期間で獲得出来るものではありません。時間をかけて、少しづつ培われるものなのだということを、僕はブログを更新し続けることで、学びました。

正直は最大の戦略

また、僕がゆるいつながりを築くために気をつけているのは、正直でいることです。嘘をついたり、よく見せようとしたりする人間は、FacebookやTwitterを読めば、簡単に素性がバレてしまう時代です。僕は、その事をサッカーから学びました。友人のサッカーやフットサルに参加するときは、僕の好きなプレーや、ゴールばかりを狙った独りよがりなプレーをせず、同じチームの人が楽しくプレー出来るようなプレーを心がける。いいパスを出して、フリーになるために走る。頑張ってディフェンスをする。こういうプレーを繰り返していると、次第に信頼してもらえ、パスがくるようになります。よく考えると、これはゆるいつながりにつながるのかもしれないと、本書を読み終えて感じました。

本書に書かれているメッセージは、自分自身とても共感出来る内容でした。そして、知らず知らずのうちに、僕自身が実行している様々な取り組みが、ゆるいつながりを築いているのだと、読み終えて感じました。僕がやっていることについて、「このままでよいのか」と悩んでいた時期だったので、読み終えて勇気づけられた気がしました。仕事で悩んでいる人、人間関係で悩んでいる人にとって、新たな考え方を提示してくれる1冊だと思います。

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