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いわきFCが掲げる「エコノミーファースト」という言葉に隠された狙い

   

昨日、SBA(スポーツビジネスアカデミー)が主催する、「「いわきFC」から始まる真のスポーツビジネスへの挑戦~日本のスポーツビジネスの常識を覆す新戦略とは~」というセミナーに行ってきました。このブログでも「アンダーアーマーといわきFCが掲げる壮大なビジョン」という記事に詳しく書きましたが、いわきFCは、以下の様なビジョンを掲げています。

  1. いわき市を東北一の都市にする:スポーツが持つ経済的な価値を最大限引き出し、復興から成長へとつなげていきます。
  2. 日本のフィジカルスタンダードを変える ~魂の息吹くフットボール~:身体の大型化+ボールスキルを高いレベルで実践する攻撃的なスタイルを確立し、観る者に感動、勇気、希望といった無形のサービスを提供します。
  3. 人材育成と教育を中心に据える:スポーツを通じて社会を豊かにするために、地域と共に未来ある子供たちの成長を担います。そして社会性のある世界基準の選手、指導者を育成します。

いわきFCの取組は、今までの日本のスポーツ界のクラブ設立とは全く考え方が異なっています。いわきFCは今後どう進んでいこうとしているのか詳しく知りたくて、いわきFCを運営する「株式会社いわきスポーツクラブ」の社長を務める大倉智さんのセミナーに行ってきました。

お金が儲かるから初めて地域に貢献できる

大倉智さんの言葉で最も印象に残ったのは、「エコノミーファースト」という言葉です。どういうことかというと、いわきFCをサポートする、アンダーアーマーの日本総代理店である株式会社ドームは、「スポーツを通じて社会を豊かにする」をいう企業理念を掲げています。そのために、「スポーツの産業化」に様々な観点で取り組んでいます。その上で「エコノミーファースト」とは、まずは経済、お金の事を最優先にして考えていこうということを現した言葉です。

スポーツを通じて地域経済が活性化し、内需が拡大し、雇用が拡大する。このように、スポーツを起点に経済が活性化するからこそ、地域の住民はスポーツクラブを支援しようとするのではないか。大倉さんはそんな事を伝えたかったのだと思います。

スポーツクラブを設立する時、「地域に貢献したい」という言葉を語る人がいます。しかし、本当に地域に貢献するということは、自分の会社で売上を上げ、税金を払う事だと思います。税金も払えずに、地方自治体に「支援してください。お金ください」とお願いに行くのは、本末転倒ではないかと、常々僕は感じていました。したがって、大倉さんの「エコノミーファースト」という言葉に、強く共感しました。

お金がないことで優秀な人材が定着しない

僕がなぜ「エコノミーファースト」という言葉が最も印象に残ったかというと、日本ではスポーツとお金を結び付けなかったがゆえに、出来なかったことがたくさんあるからです。クラブハウスやスタジアムの建設、ITシステムを活用したスカウティングシステムの充実、選手育成への投資、そして何より優秀な人材の獲得といった、お金があれば出来たことが出来ていないがゆえに、成長しきれていないというのが現状です。

特にお金がないがゆえに、優秀な人材を獲得てきていないという問題は、サッカー界の大きな課題です。大倉さんは湘南ベルマーレの社長時代の経験から、「選手、監督・スタッフに給料を払ったら、チームを支えてくれるフロントスタッフに払う給料がなくなってしまった。毎日深夜まで働いてくれるスタッフにボーナスを出したかったり、給料を払いたくても、払うお金がなかった。」と語っていました。

僕はスポーツの世界で、情熱をもって働いてらっしゃる方をとてもリスペクトしています。しかし、その裏で「食べていけない」と判断し、情熱をもって働いてらっしゃった方が、たくさん辞めている現実も、僕は知っています。スポーツを産業として発展させるには、スポーツの世界で働いている人だけではなく、異魚種、異分野で働いている人材の活用が不可欠です。しかし、お金の問題があり、二の足を踏んでいる人が多いのが現実です。

これまでの日本のスポーツは、手弁当で支えてくれた人によって成り立っていた面がたくさんあります。それは悪いことばかりではありませんが、いい加減変えていく必要があると、僕は思うのです。

スポーツが経済を活性化させる

いわきFCのビジョンと取組は、日本における「お金とスポーツ」の関係性を変える可能性を秘めています。生活必需品が行き渡った21世紀の日本では、人は「モノより体験」にお金をかけるようになりました。スポーツは、人々がお金をかけてくれる可能性がある分野です。そして、スポーツという体験を起点にすることで、これまでとは逆にモノが売れたり、経済が活性化する可能性を秘めています。

いわきFCは、まだ福島県リーグ2部のチームです。地域経済の活性化ということでは、地域の理解も必要だと思いますので、課題も多いチームです。ただ、チームが掲げるビジョンと熱意、そしてそのビジョンを成し遂げるためにかけられる投資金額は、今までのスポーツクラブの設立とは全く異なっています。

いわきFCが今後どんな歩みを進めるのか、引き続き注目していきたいと思います。

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