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2018年ロシアワールドカップサッカー最終予選 日本代表対イラク代表「シュートにかける時間が短い攻撃に潜むデメリット」

      2016/10/08

2018年ロシアワールドカップサッカー最終予選、日本代表対イラク代表は、2-1で日本代表が勝ちました。

なかなか連動しない攻撃

イラク代表は、非常によいチームでした。FWからDFまでの縦方向の距離を短く保ち、横幅もペナルティエリアの幅も保ち、日本代表が中央から攻撃するスペースを与えません。FWの2人は長谷部と柏木をマークし、縦方向に正確なパスを出させないように守ります。前半の日本代表は、イラク代表が守備しているエリアの外側ではボールを保持出来ていましたが、なかなかペナルティエリアの中に侵入させてもらえませんでした。

4-4-2のフォーメーションで守るイラク代表に対して、日本代表はイラク代表のFW2人の横のスペースを活用して、攻撃を仕掛けようとします。ところが、センターバックの吉田と森重は慎重なプレーに終止し、ボールを運ぶことが出来ません。センターバックから縦方向にパスが出てこないので、柏木と長谷部がイラク代表2人の横のスペースを活用して攻撃を仕掛けようとするのですが、柏木と長谷部が受けても、他の選手が連動しません。

特にFWの原口、本田、岡崎の3人は相手のDFが守る位置と横並びに並んでしまい、柏木や長谷部のパスを受ける動きがほとんどありません。清武がよいポジションをとっても、柏木と長谷部の距離が遠く、イラク代表が守っている場所もよいので、なかなかボールが前に運べません。柏木がボールをもって、顔を上げて味方を探しても受けられる選手がいないため、バックパスもしくは横方向へのパスを選択する。こんな場面が何度もみられました。

攻撃のテンポがほとんど一定

気になったのは、攻撃のテンポがほとんど一定だということです。選手たちは一生懸命に走り、相手の守備を崩そうとしています。ところが、同じリズムでプレーしているため、イラク代表の選手たちにとっては、日本代表の攻撃に対応するのは、そこまで大変ではない。そんな印象を受けました。

パスのスピードを変える、パスを出すタイミングを変える、身体の向きとは逆にパスを出す。あるいは、わざとゆっくりプレーして相手を誘い、相手が空けたスペースを活用して攻撃を仕掛ける。パスの受け手も、フェイントを入れて動く。フェイントを入れるとみせかけて、動かない。こうした、相手の守備を工夫するための工夫がほとんど見られませんでした。ハリルホジッチはその事が分かっていて、動きの量が少ない岡崎と本田を交代させ、浅野と小林をいれましたが、2人が動いたタイミングでパスを出せる選手がいなかったため、効果的だったとはいえませんでした。

攻撃のテンポが一定だったのは、「出して、受ける」というサッカーで相手の守備を攻略するために欠かせない動きの量が少なく、質も低かったからです。「受ける」には、相手の守備を外さなければなりませんが、清武以外の選手は相手の守備を外すための動きのスピードが遅く、相手に捕まり続けてしまいました。

また、ボールを受けても正確にボールが止まらないので、次のプレーに移るまでに時間がかかってしまいました。したがって、せっかく相手の守備を崩すきっかけになりそうなパスを受けても、次のプレーまでに相手の守備が対応してしまい、なかなか崩せない。そんな場面がみられました。

ロスタイムに吉田をFWのポジションに上げて、ロングパスを活用した攻撃を仕掛けた時、イラク代表は初めて予想外の攻撃にさらされ、慌てているように見えました。吉田の競り合い方も巧みで、競り合うときはペナルティエリアの角にポジションをとり、相手のサイドバックと競り合うように工夫していました。サイドバックの選手はヘディングが強くありません。ヘディングが強くない相手を狙って競り合い、ヘディングのパスを狙って、浅野と小林が走りこむことで、イラク代表のDFを慌てさせることが出来ました。どうにか勝ててよかったです。

シュートまでの時間を短くするデメリット

実は、ある人から「今日の内容でワールドカップでどこまでいけるのか書いてくれ」と言われたのですが、相手があってのサッカーなので、なんともいえません。ただ、僕は今の日本代表がパスの本数を減らして攻撃を仕掛けるサッカーを志向していることで、実は守備のリスクを増やしているように感じます。

パスの本数を減らし、シュートまでの時間を短縮して攻撃回数を増やすということは、チャンスが増える可能性がある反面、相手にボールを渡す時間も早め、相手の攻撃回数を増やす可能性が高くなることを意味します。ボールを奪うのが得意ではないチームが、ボールを渡す時間を早めるとどうなるか。シュートがゴールに結びつけばよいのですが、シュートを決める成功率が高くないチームが、相手に早くボールを渡すのがよいのか。僕自身は疑問です。

次はアウェーのオーストラリア戦。簡単な試合にはならないはずです。オーストラリア代表は、日本代表が苦手とする、身体をぶつけ合ったり、空中でボールを交換し合うような戦い方をしかけてくるはずです。意図的に試合のテンポを落とし、日本代表の焦りを誘うようなプレーをしてくるはずです。たぶん、ボランチには山口蛍が先発で起用されるのではないかと思います。どんな試合になるか、楽しみです。

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