ブラジルワールドカップは選手をローテーションして戦うのではないか。日本代表対ザンビア代表 レビュー

2014年ブラジルワールドカップ前の強化試合、日本代表対ザンビア代表の試合は、4-3で日本代表の勝利。この試合は、正直スコアはあまり関係ないと、個人的には思っています。重要なのは、このチームがどう戦うのか。それがよくわかった試合でした。

大会期間中にコンディションを保つには

ザッケローニは、「選手のコンディションがよければ、日本はどんなチームとも戦える」と常に語っています。大会期間中、いかに選手のコンディションを保つか。長距離の移動もあるなかで、どうコンディションを保つのか。ザッケローニは、よく考えたのだと思います。

吉田麻也がザンビア戦の試合後に、「よい試合の後に悪い試合をしてしまうのが、日本の欠点」といったコメントをしていましたが、よい試合の後に悪い試合をしてしまう。それが、日本の欠点です。その理由を、ザッケローニは技術や戦術ではなく、コンディションだと感じているようです。

余談ですが、メジャーリーグで活躍した吉井理人さんが語っていたのですが、メジャーリーグの一流選手と日本人選手との大きな違いに、回復力があるそうです。中4日の間隔でメジャーリーグの先発投手は登板していくのですが、吉井さんは時差と移動があるなかで中4日の間隔だと、完全に回復出来なかったそうです。

2013年U-17ワールドカップを戦った日本代表は、徹底的にパスを繋ぐスタイルだけでなく、1戦ごとにスタメンを入れ替える戦い方でも話題になりました。U-17日本代表の吉武博文監督は、「日本人選手は外国人選手に比べて、回復力が劣る。だから、1戦ごとに選手を変えた」と語っていました。たぶん、ザッケローニも同じ考えなのだと思います。

前置きが長くなりましたが、ザッケローニは、ブラジルワールドカップでは選手をローテーションしてくると思います。対戦相手や選手の体調によって、予選リーグは試合ごとにスタメンが変わるんじゃないでしょうか。それが、コンディションを高いレベルで保って、大会を勝ち抜くためにザッケローニが考えた方法なのだと思います。

核となる選手は、吉田、長友、本田、山口、香川

ザンビア戦は、その最終テストだったのだと思います。

遠藤をほぼ90分使ったのは、先発出場した時のパフォーマンスを確かめるためだと思います。右サイドバックで内田篤人をフル出場させないのは、酒井宏樹のコンディションが良いので併用するためだと思いますし、大久保の1トップを15分しかやらなかったのは、途中投入で予想されるプレー時間である15分で何が出来るのか、見極めたかったのだと思います。だから、あまりスコアは関係ないのです。守備の課題は、監督も選手もよく承知している話で、今さら目を向ける課題じゃありません。

重要なのは、課題を克服することではなく、いかに自分たちの時間を増やして、勝つ確率を増やすか。そのために、日本は23人全員で戦う方法を選択したんだと思います。ザンビア戦は、その戦い方の最終チェックとして、非常に有意義なテストマッチだったと思います。

この試合を観ていて、ザッケローニが核として考えている選手もわかりました。DFは吉田、長友。MFは本田、山口、香川です。核となる選手以外は、相手チームや戦い方によって、使い分けてくると思います。

例えば、相手DFの背後を攻略したいと考えるなら、1トップは柿谷で、ボランチに青山。ボール支配率を高めて攻撃したいなら、1トップは大迫で、ボランチは遠藤。相手左サイドがフィジカルに強い選手を起用したら、酒井宏樹を使う。といった具合です。場合によっては、GKもローテーションするかもしれません。

そう考えると、ザッケローニの誤算は、この時点で怪我人が出ていることだと思います。

どんな状況でも安定したパフォーマンスが披露できる長谷部は、本来ローテーションの核としたい選手です。また、左右どちらのサイドバックも出来る酒井高徳を本番までに使えなかったのは、選手の組み合わせを考えると大きな痛手です。コートジボワール戦でジェルビーニョが左サイドに移ったら、酒井高徳を使えば右サイドに長友を回す、なんてことも出来ます。ただ、酒井高徳が使えないことを想定して、さらっと今野の左サイドバックをテストしたのは、さすがザッケローニです。したたかです。

参加されるだけじゃなく、どう勝つのか。

今回のワールドカップは、ただ勝つのではなく、日本のサッカーをして勝つ。今回の日本代表のワールドカップに向けた準備をみていると、ワールドカップがただ参加することが目的の大会ではなくなったのだと、実感します。参加するのではなく、どう勝つのか。その事に真っ向から向き合い、ワールドカップに臨もうとする日本代表の戦いが、今から楽しみで仕方がありません。

ワールドカップ初戦まで、あと7日。いよいよです。

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