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書評「伝えることから始めよう」(高田 明-ジャパネットたかた創業者-)

   

糸井重里さんのこのツイートを読んで、本書を読むことにしました。

読んでよかったです。今年読んだビジネス関連の本でNo1です。自信もっておすすめします。本書「伝えることから始めよう」は、ジャパネットたかたの創業者である高田明さんが、自身の半生を記した書籍です。

高田さんは2015年1月に社長を退任し、翌年には長年出演していた自社のテレビ番組からも退きました。会長職にもつかず、潔い引き際でした。引き際を誤る経営者が多い中、素晴らしい決断だと思います。

今を生きる。過去にとらわれない。未来に翻弄されない。

僕が本書で最も印象に残ったのは、この言葉です。

今を生きる。過去にとらわれない。未来に翻弄されない。

本書には「今を生きる」という言葉が何度も出てきます。高田さんは、元々「世界を変えよう」とか「起業したい」と考えていた人ではありません。考えていたのは、過去でも、未来でもなく、今の事。今を一生懸命に生きる。そうする事で、人生を切り開いて来た方なのです。

高田さんは、本書の中で以下のように語っています。

一生懸命に今を生きていると、課題が見えてくる。

人間には二つのタイプがいる。

本書を読んでいて思い出したのは、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの言葉です。鈴木さんの著書を読んでいると、「人間には二つのタイプがいる」という言葉がよく登場します。

人間には二つのタイプがいる。一つは、夢や目標に向かって進んで行く人。もう一つは、目の前の事に一生懸命取り組む事で、道を切り拓く人。僕と宮崎駿は後者のタイプだった。

僕は夢や目標を持つ事自体は、否定しません。ただ、どう考えても夢や目標を持てない人もいます。僕もそうです。壮大な夢や目標を思い描いても、待ち受ける困難や障害も見えてきて、足がすくむ。そんな人もいると思います。

夢や目標を持つ事が、遠いどこか高みに到達する方法ではないと思います。目の前の小さな事にコツコツと取り組み、少しずつ改善を続ける事。続けているうちに、始める前に思い描いていなかった、思いもよらぬ場所にたどり着く事があります。高田さんの人生もそうだったのだと、本書を読んでいて感じました。

一生懸命生きていれば、どこかにたどり着く

高田さんの人生も、思わぬ方向似進んでいます。ジャパネットたかたの社長を退任し、悠々自適の生活が待っているのかと思いきや、待っていたのはJ2のV・ファーレン長崎の社長就任。経営危機に陥った長崎のクラブの立て直しを任される事になりました。

高田さんは、商品を売るときに「商品を買ったら、どんな素晴らしい体験が得られるのか」を伝える事を意識していたそうです。この考え方は、Jリーグのクラブ運営にも応用出来ると思いますし、Jリーグのクラブが最も欠けている部分ではないかと感じます。

Jリーグのクラブがあることで、どんな体験が得られるのか。そして、クラブは体験を得てもらうために何をすべきなのか。高田さんのような経営者として長年企業を成長させ続けてきた方が経営に参画する事で、V・ファーレン長崎だけではなく、Jリーグのクラブ運営、経営が変わるのではないかと期待しています。楽しみです。

夢がない。目標がない。それでも、目の前の事を一生懸命に生きているということは、それだけで素晴らしい事だし、一生懸命生きていれば、どこかにたどり着くのだから、過去を否定したり、未来を嘆いている暇はない。そんな事を教えてくれる本です。

本書を読み終えて、身体の奥からじんわりと勇気が湧いてきたような気がします。ぜひ読んでみてください。

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