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Jリーグ作成の2015年総括レポート「Participate Understand Build Report」-2015年総括編-

   

JリーグPUBレポート2015

Jリーグが今年のシーズンを振り返る「Participate(参加して) Understand(理解して) Build(共に作る) Report」というリポートを、発表していました。2015年シーズンを、「年間トピックス」「大会結果」「クラブ収支」「入場者数」「視聴率・関心度」「メディア露出」「ホームタウン活動」という7つの視点から振り返っています。また、「5つの重要戦略のこれまでとこれから」というタイトルで、「魅力的なフットボール」「スタジアム」「経営人材の育成」「デジタル技術の活用」「国際戦略」の5つのトピックスについて、Jリーグの見解がまとめられています。

非常に興味深い内容が掲載されているだけでなく、インフォグラフィックも使われていて、凄く分かりやすいレポートに仕上がっています。ただ、あまりJリーグのサポーターに知られていないと思いますので、このブログで2回に分けて紹介したいと思います。まずは、2015年の総括です。

なぜ日本はACL制覇から遠ざかってしまったのか

冒頭に2015年シーズンの大会結果をまとめているのですが、大会結果のまとめの中に、「なぜ日本はACL制覇から遠ざかってしまったのか」というACL敗退の敗因を分析した文章が掲載されています。「On the Pitch」と「Off the Pitch」に分かれて掲載されているのですが、興味深い内容だったので、抜粋して紹介します。

On the Pitch

  1. アウェイの環境に十分適応出来なかった。日本と大きく異る過酷な気候、劣悪なピッチ状態、外国人レフェリーの判定基準等々
  2. 第1〜3節の序盤で大きく躓いた。鹿島、浦和ともに3連敗。ガンバ大阪は1分2敗。ガンバ大阪は第4〜6節で巻き替えし次のステージに進んだが、鹿島と浦和は出遅れを取り戻すことが出来ず、グループステージ敗退となった。厳しい日程を乗り越えるための選手の質と量が不足していた。またACLの経験が不足していたとクラブは振り返る。ACLを勝ち抜くには、毎年連続して出場することで蓄積される「選手の国際経験」が必要と分析した。

Off the Pitch

  1. 選手強化のための投資が満足に出来なかった。優勝した広州恒大(中国)の選手(特に外国人選手)の顔ぶれと比べると、Jクラブは小ぶりと言わざるを得ない。クラブの財政規模や基盤の補強が必要と分析した。
  2. 分析スタッフ、運営スタッフ等、チームをサポートするスタッフの国際経験が少く、試合をこなすことで精一杯だった。特に中国での試合は、現地公安との調整等、高次元での調整力が必要とある。あらゆる状況に対応するには、選手同様「スタッフの国際経験」が必要と分析した。

クラブ収支

クラブ収支の項目では、広告料収入が446億円、入場者収入が171億円、J1、J2、J3の全クラブ合計の営業収入が889億円と、いずれも前年比増加という結果になりました。Jリーグはこの要因として、スタジアムの改修、新設による観客数のん増加が、収入の増加につながったとまとめています。

また、入場者数は初めて年間1,000万人を突破。収容率80%以上の試合も、J1だけで68試合を超えました。特に収容率80%以上の試合が多かったチームは、12試合の松本山雅FC、9試合の川崎フロンターレです。Jリーグはこの要因を、2ステージ制とチャンピオンシップの導入により、新たな集客の山が出来たことが、要因の1つだと分析しています。実際、J1最終節の観客動員数は、史上2番目に多い結果になりました。導入に反対する人も多かったチャンピオンシップ制度ですが、集客面では一定の効果をもたらしたといえます。

入場者数

観戦者の性別を見ると、男性62.7%、女性37.3%という割合になっています。この割合は、例年あまり変化がないそうです。年齢構成を見ると、40代(29.1%)、50代以上(27.3%)、30代(21.1%)とあり、10代、20代の割合が少ないことが分かります。また、年間の平均観戦数としては16回以上が約4割とコアファンが大半を占めていることがわかります。

ここがJリーグの課題です。新規のファン、特に10代、20代のファンと女性ファンを獲得出来ていないのです。10代、20代のファンについて、関心が高いスポーツは、実はバスケットボールだと言われています。来年開幕するBリーグは、この10代、20代の興味関心の高さを強みに、顧客の獲得を狙っています。

また、女性ファンの獲得については、プロ野球が非常に面白い取組をしています。福岡ソフトバンクホークスは、「タカガールデー」というイベントを企画し、3万8,000人の観客の内7割にあたる、2万8,000人以上を女性が占めました。北海道日本ハムファイターズも、「ウーマンズフェスタ」という企画を実施。女性向けのかわいいピンクのユニフォームを限定で販売したり、女子大生シートといったシートを作ったり、女性が観戦しやすい工夫をしています。

参考記事

女子目線で古い社会が変化。新ファン層が野球界を活性化させる(ファイターズの球団経営)
観客の7割超が女性ファン。球界の概念を打ち破る、ホークスのエンタメ戦略

チャンピオンシップの視聴率

地上波で放送されるから導入されたと言われるチャンピオンシップですが、ガンバ大阪対サンフレッチェ広島という関西より西の地域のチームの対戦だったにも関わらず、関東圏で第1戦が平均7.6%、第2戦が平均10.4%を記録しました。広島では第1戦が22.6%、第2戦は35.1%を記録しました。ただ、視聴者は50代以上の男性が多く、女性や10代、20代の若者へのリーチは出来なかったといえます。

一定の成果は挙げられたが、新規顧客の開拓が課題

2015年のJリーグの取組を振り返ると、一定の成果は出ていると感じますが、Jリーグが抱える、事業規模の拡大が出来ない故の他国に比べた戦力低下、コアファンがいる故の新規顧客が獲得出来ていない、といった問題は、リーグ全体としては解決出来ていないと感じます。

現在取り組んでいることは、2016年シーズン以降も引き続き取り組む必要があります。新規顧客をいかに獲得するかという点においては、プロ野球の例などをみても、Jリーグも、もっと出来ることがあるし、他のスポーツの集客企画に学べることがある気がします。

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