2017年J2第42節 カマタマーレ讃岐対名古屋グランパス プレビュー「データで名古屋グランパスの2017年を振り返る」

2017/11/20

2017年J2第42節、名古屋グランパスの対戦相手はカマタマーレ讃岐です。

シュート成功率が2016年より下がっているカマタマーレ讃岐

まずは、カマタマーレ讃岐のデータを分析してみたいと思います。
Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は9.4%でリーグ15位。攻撃回数は126.4回とリーグ18位。1試合平均のシュート数が11.9回でリーグ16位です。

カマタマーレ讃岐のデータを読み解くと、相手陣内にボールを運ぶ回数が少なく、ゴール前にボールを運ぶ回数も少ないことが分かります。30mライン侵入回数は、1試合平均30.6回でリーグ20位。ゴールライン付近までボールが運べている事を示すデータの1つである、コーナーキックの数も、1試合平均3.9回でリーグ21位。ただ、このデータは2016年も同じようなデータになっていたので、元々のチームの特徴だと言えます。

気になったのは、シュート成功率です。得点数をシュート数で割った「シュート成功率」は、8.4%でリーグ18位。2016年シーズンのシュート成功率が、9.2%でリーグ9位でした。シュート本数も少なく、枠内シュート数も2017年は3.3本でリーグ17位、2016年も3.2本でリーグ20位と、枠内にシュートが飛ぶ本数はほぼ同じですが、得点に結びつけている本数が減っています。

2016年シーズンのデータと比較すると、ドリブルからのゴールが減っています。2016年シーズンは6得点あったドリブルからの得点が、2017年シーズンは1点のみ。ドリブルは相手陣内にボールを運ぶ手段であり、カマタマーレ讃岐のように、パスをつないで攻撃するわけではなく、自陣深くに下がって守るチームにとっては、重要な攻撃手段です。その重要な攻撃手段であるドリブルからの得点が減っているというのは、上手くボールを相手陣内に運べていないという事を示しています。

守備のデータを分析すると、シュートを打たれた数を攻撃を受けた数で割った「被チャンス構築率」は10.7%でリーグ14位。攻撃を受ける回数は128.2回でリーグ8位と少ないのですが、被シュート数が13.7回でリーグ14位と、シュートチャンスを作られる確率が高いチームです。シュートを決められる確率を示す「被シュート成功率」は、10.4%でリーグ16位。実は2016年シーズンの「被シュート成功率」は、8.9%でリーグ9位。得点が奪えず、相手の攻撃を受ける事が増え、失点が増えているというのが、カマタマーレ讃岐の現状だと思います。

ボールを相手陣内に運ぶプレーに課題がある名古屋グランパス

リーグ最終節なので、名古屋グランパスのデータも分析してみたいと思います。

Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は10.3%でリーグ10位。攻撃回数は132.2回とリーグ5位。1試合平均のシュート数が13.6回でリーグ10位です。名古屋グランパスのデータで気になったのは、パス本数の割に、ボール支配率が低い事です。パス本数は610.2本でリーグ2位ですが、ボール支配率は56.2%でリーグ4位。パスをつなぐ事が、ボールを保持し続け、相手が攻撃する回数や時間を減らすことにつながっていないのではないかと、読み取れます。

実は0-3で敗れたジェフユナイテッド千葉戦のパス本数は449本と、平均より170本近く少ない本数になりました。引き分けた第38節のV・ファーレン長崎戦のパス本数が571本と考えると、名古屋グランパスの勝敗を左右するバロメーターは、パス600本という数字になりそうです。ただ、630本をつなぎ、3-2で勝った第37節の湘南ベルマーレのボール支配率は54.1%と、パス本数が基準に達していても、ボール支配率はそこまで高くはありません。

ボール支配率が高くない要因は、ボールを相手陣内に運ぶまでのプレーでミスが多いからだと思います。ボールを失う回数が多いため、攻撃回数が130回を超えています。ボールを保持し、ミスなく相手陣内にボールを運びたいチームは、出来れば攻撃回数は125回程度にしたいところです。名古屋グランパスはセンターラインを超えるまでのプレーの質が高くないので、ここでミスが増えているため、攻撃回数が増え、チャンス構築率が減っているのだと思います。攻撃回数が増えるという事は、相手の攻撃を増やす要因にもなり、結果的に失点が増えている要因にもなっています。

名古屋グランパスのデータで特筆すべきは、「シュート成功率の高さ」です。1試合平均のシュート成功率は14%でリーグ1位。リーグ2位の愛媛FCが11.4%なので、いかに高い確率でシュートを得点につなげているかが分かります。

名古屋グランパスの得点のパターンで、最も多いのは、実は「クロス」です。クロスからの得点が25%を記録しています。ただ、シモビッチは高いパスをヘディングでシュートするのが上手い選手ではありません。低いパスを正確に味方の足元に出してシュートしてるパターンが多いのです。第40節のファジアーノ岡山戦の青木のゴールは、名古屋グランパスにとって最も得点になる確率が高いプレーが、得点につながった例だと言えます。

守備のデータを分析すると、シュートを打たれた数を攻撃を受けた数で割った「被チャンス構築率」は11.1%でリーグ18位。攻撃を受ける回数は124.2回でリーグ5位と少ないのですが、被シュート数が13.8回でリーグ15位と、シュートチャンスを作られる確率が高いチームです。シュートを決められる確率を示す「被シュート成功率」は、11.5%でリーグ19位。つまり、相手に9本シュートを打たれたら、1失点してしまうチームなのです。

今の名古屋グランパスは、良くも悪くも、櫛引、ワシントン、小林、田口のプレーの出来によって、勝敗が左右されるチームだと思います。特に、櫛引、ワシントンの2人で相手陣内にボールが運べている時はシュートチャンスも作れているし、失点の可能性も減らすことに成功していますが、2人が相手陣内にボールを運ぶ前にミスをしていたら、相手に攻撃される可能性が高まり、シュートを打たれて失点してしまう。そんなチームなのだと思います。

この試合は、2人がミスを頻発するような場面は多くないと思います。ただ、プレーオフではミスは許されません。櫛引、ワシントンの2人が、相手の守備が狙いを定めている、小林と田口の負担を軽く出来るかに、昇格の命運は握られているのかもしれません。

こういう試合には、チームがどのような状態なのか、選手のコンディションはどんな状況なのか、如実に現れます。もちろん100%の力をかけて戦ってくれるのですが、チーム状態によって、選手が発揮できる100%は変わります。不満が渦巻いているチームの100%は、高くはありません。プレーする選手がかかえていなくても、チームの雰囲気は、選手のプレーに現れるものです。

選手がどのようなプレーをするのか、楽しみです。