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中野嘉大の起用から分かる風間監督の繊細で慎重なチーム作り

   

風間塾 サッカーを進化させる「非常識」論

2015年J1セカンドステージ第13節対川崎フロンターレ対ガンバ大阪のレビューはこちらに書いたのですが、書ききれなかったテーマについて書きたいと思います。

新人だから自信のある形で最初はいれさせてあげたい

この試合の記者会見で、風間監督が活躍した中野について語っている言葉で、印象に残った言葉があるので、紹介したいと思います。風間監督は中野に関する質問を受けて、このように答えました。

入ったばかりの若い選手ですから。シーズン初めに風邪を引いたり、やれなかったことがありますが、途中から、夏くらいからですかね。すごく良くなってきて、何試合ですかね。4試合か、3試合か5試合くらい、入れようと思っていたんですが、なかなか入れる機会がなくて、新人ですから余計に自信のあるような形で最初は入れさせてあげたいと思っていたので。

個人的には、プレシーズンマッチのアルビレックス新潟戦の映像で中野のプレーを観た時、「途中出場で15分くらいなら今でも使える」と思っていました。だから僕は、風間監督はシーズン序盤になぜ中野を起用しないのだろうと思っていました。

しかし、風間監督は僕が考えているより、ずっと慎重で、繊細でした。記者会見のコメントを読んでいると、ルーキーなので、本人が自信をもってデビューできるタイミング、そして力が出せる試合や起用法を、中野の力は分かったうえで慎重に見極めていたのです。中野はセカントステージ第8節の湘南ベルマーレ戦でJリーグデビューを果たし、その後順調に出場機会を増やし、第13節のガンバ大阪戦にはプロ初ゴールを挙げました。

選手を入れ替えないのに、チャンスを得た選手が期待に応える

川崎フロンターレのチーム作りを追いかけていていつも不思議に感じるのは、風間監督はレギュラーを簡単に入れ替えたり、選手交代で出場機会を積極的に与える監督ではないにも関わらず、出場機会を得た時に活躍出来る選手が多いのです。

シーズン途中から正ゴールキーパーのポジションをつかんだ新井、3バックの右に定着しましたが元々はFWだった武岡、攻撃的なサイドバックだったのに3バックの左でコンスタントに活躍する小宮山、そして中野。本来のポジションでなかったり、シーズン開幕当初は控えだった選手が、出番を与えられた時に活躍し、そのままレギュラーに定着することが、川崎フロンターレではよくあるのです。

「試合に出るのは簡単じゃない」というメッセージ

風間監督が起用法を通じて、1つだけ明確に伝えているメッセージがあります。それは、「試合に出るのは簡単じゃない」というメッセージです。これは徹底してます。例えばサイドバックの選手が怪我をした場合、バックアップの選手の実力が伴っていないと判断した場合、他のポジションの選手をコンバートして起用する事があるくらいです。

風間監督が選手交代をあまり行わないことも、「試合に出るのは簡単じゃない」というメッセージを伝える1つの手段になっていると思います。簡単に選手交代をしないから、控えの選手にはチャンスは少ないです。控え選手にとってはしんどいですが、逆に「試合に出たい」という強い気持ちを持って努力し続け、実力のある選手だけが残る仕組みに自ずとなっているのです。

中央のポジションを任せる時はさらに慎重に

そして、風間監督は、新人や経験のない選手や、実力の伴っていない選手には、簡単にチームの幹となる中央のポジションを任せたりはしません。

昨年、谷口をスタメンで起用する時、風間監督は本来のポジションではない左サイドバックで起用しました。当時選手がいないということも起用した理由の1つでしたが、まずは試合に慣れさせたいという考えもあったのだと思います。シーズン後半はセンターバックにポジションを移し、2015年シーズンは、ここまで公式戦フルタイム出場を続けており、チームに欠かせない選手へと成長しました。

今年の新井の起用法にも、風間監督なりの配慮が感じられます。今年、川崎フロンターレは清水エスパルスに杉山が移籍し、ジェフ千葉に高木がレンタルといった具合に、GKの層が手薄になったと言われていました。ただ、新たに獲得したのは、ヴォルティス徳島で控えだった松井でした。この補強から、僕は昨シーズン第2GKだった新井の出番が確実に増えるだろうと思っていました。西部はよいGKですが、怪我の多い選手なので、シーズンフルで戦える選手でなかったからです。

ただ、新井の起用法を振り返ると、タイミングこそ西部の怪我による代役でしたが、本当は当初からどこかのタイミングで入れ替える予定で。起用するタイミングを慎重に見極めていたんじゃないかと感じます。GKはチームを支えるポジション故に、慎重に検討していたのだと思います。

チーム作りを追いかける楽しみ

川崎フロンターレに限らず、チーム作りを追いかけていると、必ず監督の試行錯誤の跡が見え隠れします。そして、そんな試行錯誤の跡にこそ、監督が考えている本質が隠されています。僕から見た風間監督は、本当に頑固な監督です。そして、ブレない。こうしたチーム作りを追いかけていく楽しみだったり、気付いた点を今後も伝えいきたいと思います。

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