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風間監督で最も印象に残っている「我慢する姿」

   

2016年10月12日に、川崎フロンターレは風間八宏監督と来季の契約を結ばない事を発表しました。

風間八宏監督の契約について(川崎フロンターレWebサイトより)

川崎フロンターレは、契約満了に伴い、風間八宏監督との来季の契約を更新しないことを決定しましたので、お知らせいたします。なお、現時点で後任は未定となります。

僕はこのニュースには、全く驚きはありませんでした。「やっぱりな」と思ったくらいです。風間監督のチーム作りを追いかけていて、2017年シーズンも川崎フロンターレを風間監督が指揮しているというイメージが、どうしてもイメージ出来ませんでした。ある人とは、2015年12月に立ち話した時、「来年で風間監督は最後だろうから、最後まで見届けよう」という話をしたくらいです。

タッチラインとベンチを何度も往復した横浜F・マリノス戦

風間監督のチーム作りを追いかけていて、印象に残っていることは色々あるのですが、最も印象に残っている事を挙げろと言われたら、風間監督が我慢する姿です。風間監督は就任前に「革命前夜」という本が出版されたこともあり、「変える人」というイメージを持っている人がいるかもしれませんが、僕の印象は違います。

2016年シーズンで「我慢する姿」で印象に残ったのは、セカンドステージ第13節の横浜F・マリノス戦です。この試合の後半、風間監督は何度も何度もタッチラインとベンチを往復していました。ミスが増えてきていた、この日スタメンで出場した三好と狩野をどこまで引っ張るのか。悩んでいる姿が往復する姿から感じられました。狩野がミスする度に、ベンチに戻って、鬼木コーチに何事か話して、ホワイトボードをいじる。まだタッチラインに戻って、ジリジリした表情で戦況をみつめながら、ベンチに戻る。その姿から、風間監督がいかに我慢しているかが見て取れました。勝っている試合だから、出来るだけ引っ張って、終盤にDFを入れて、試合をクローズさせたい。だから、あと10分、あと5分頑張って欲しい。そんな想いが感じられました。

選手交代で選手を変えるのは、簡単です。ただ、選手を交代して、状況が改善されなければ、交代しても意味がありません。2015年シーズンまでの風間監督は、「意味のない交代はしない」という考えを貫き、選手交代を積極的に行うことはしませんでした。選手交代をしないというのは、簡単ではありません。サポーターからは「なぜ選手交代をしないんだ」と叩かれる材料にもなります。とりあえず変えておいた方が、監督としては楽な事もあります。(このブログでも、よく批判しました。)でも、風間監督はそうしませんでした。我慢が出来る人でなければ出来ません。

変えられるときまでじっと我慢

風間監督は、「変えない」ことで、チームを変えてきた人でもあります。負けが増えたり、引き分けが増えたり、チームが思い通りに上手くいかないとき、風間監督は無闇に何かを変えるような手を打つことはしません。今までやってきた基本的なコンセプトは変えず、出来ていないことにフォーカスし、修正を行うことで、目の前のピンチを何度も乗り切ってきました。そして、中断期間などまとまった時間がとれるタイミングになって、本当にやりたかった大掛かりな変更をチームに施す。そうやって、少しずつチームを変えていきました。

風間監督は、現役時代チームメイトによく怒っていたというエピソードが残っているように、我慢強いタイプではないと思います。しかし、監督に就任してからは、怒り出したい気持ちを内に秘め、グッと我慢する姿をよく見せるようになりました。風間監督の言葉や、その時その時に実施したことも印象に残っているのですが、僕が最も印象に残っているのは、我慢する姿です。

風間監督が、我慢強く指導し、起用し続けた事で、選手は飛躍的に成長しました。小林は風間監督就任当初はよく前半で交代させられていました。しかし、今や日本代表に選ばれるまでに成長しました。大島は、2013年の時点ではサイドでよく起用されていました。サイドでのプレーに慣れてからボランチにポジションを移し、日本代表に選ばれるようになりました。谷口もサイドで起用して、チームに慣れさせてから、中央で起用。悪くても替えない事で、試合を経験することでしか得られない経験を積み、チームの中心選手に成長しました。また、中村、大久保といった選手は、「中心選手だからやって当たり前。調子が悪くても変えないぞ」という起用をして、中心選手なりの責任を与えることで、成長を促しました。

表面的な変化であっても、変わる事がよいとされる時代に、批判に耐え、思うように進まない現実に耐え、目指す道を黙々と追求するのは、簡単ではありません。不器用かもしれませんが、僕はそんな人物が嫌いではありません。

今が最大のピンチ。どう我慢するのか。

シーズンも終盤戦です。川崎フロンターレは、2016年シーズンで最もピンチと呼ぶべき局面を迎えています。負傷者の続出、無理して起用してきた選手のコンディションの低下、そして結果が出ないエースストライカー。課題はこの5年間で、最も山積みといっても過言ではありません。しかし、こんな状況だからこそ、我慢強く、辛抱強く、ガラス細工を積み上げるように、繊細に一つ一つ作り上げてきたチームの力と、監督の腕が試されています。

2016年シーズン、川崎フロンターレがどんな戦いをするのか。風間監督がどんな策を施すのか。注目したいと思います。

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