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書評「気仙沼ニッティング物語:いいものを編む会社」(御手洗 瑞子)-みらいを人の手で作る-

   

気仙沼ニッティング

1着15万円の手編みのセーターを販売している会社があります。それは、「気仙沼ニッティング」。2011年の東日本大震災以降に、東北に新しい仕事を作ろうと考えた糸井重里さんが、ほぼ日刊イトイ新聞のプロジェクトの1つとして開始。2013年に法人化されました。決算は2年連続黒字。きちんと納税しています。

機械でのモノづくりが一般的な時代に、1着15万円の手編みのセーターを売る「気仙沼ニッティング」とは、どんな会社なのか。どんな仕事をしているのか。「気仙沼ニッティング」の今について書かれたのが、本書「気仙沼ニッティング物語:いいものを編む会社」です。

古くて新しい仕事

本書を読んでいて面白いと思った点は2点あります。

1点目は、働き方です。気仙沼ニッティングは、編み物を編む人に対して、ノルマはなく、納品された商品に対して、編み代を編むシステムを採用しています。したがって、編み手はたくさん編んで稼ぎをたてることも出来るし、空いている時間にゆっくり自分のペースで編むことも出来ます。このシステムによって、外で働くのが難しい主婦や家族の介護をしている人を、編み手として確保出来ているのです。

女性の力をいかに活用するか。様々な会社が悩んでいる問題に対して、小さな気仙沼で生まれた会社が編み手を確保するために考えだしたフレキシブルな働き方は、みらいの働き方を示している気がします。

2点目は、手仕事の可能性です。21世紀は、機械の時代だと言われています。均一で、短時間で商品やサービスが提供されるのが常識。そんな中、編み手によって仕上がりが異なる、商品が出来上がるまでに時間がかかるといった、現代の社会でサービス提供する際に問題と言われている部分を、気仙沼ニッティングはサービスのウリにしています。

機械では出来ないことは何か。気仙沼ニッティングの挑戦は、そんな事を考えさせられます。

肩の力を抜いて、壮大な目標に挑む

本書で著者は、「100年続く会社をつくりたい」と語っています。しかし、そんな壮大な目標を掲げながら、ふわふわとしていて、どこかリラックスした文章からは、これから目指す100年に向かって、力むような様子は一切見られません。肩の力を抜いて、いろんな問題が起こっても、「こんなこともあるさ」「まあ、どうにかなるだろう」といった具合に、ゆったりと構えながら、前に進んでいきそうな感じがします。

気仙沼ニッティングは、どんなみらいを作るのか。本書を読み終えて、今後の動向がますます楽しみになりました。

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