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レスター・シティの躍進を支える「不揃いな選手たち」

   

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僕は、最近レスター・シティに注目しています。2016年1月14日現在、レスター・シティの勝ち点は43。アーセナルと同じ勝ち点で並んでの2位。シーズン前にこの順位を予想した人は、誰もいなかったのではないかと思います。僕は2015年12月頃からレスター・シティの試合を観始めました。観始めてすぐにレスター・シティのサッカーに魅了されました。2015-16年シーズン、レスター・シティの試合を5試合ほど観ましたが、つまらなかった試合は1試合もありません。

第19節のマンチェスター・シティ戦では、試合終了後に現地の実況が、「Heartful Game!!」と叫んだほど、気持ちのこもった試合を披露してくれました。

強みも弱みも分かりやすい選手たち

レスター・シティが魅力的なのは、選手たちの特徴が分かりやすいからです。左サイドバックのクリスティアン・フクスは左足のキックとロングスロー、センターハーフのエンゴロ・カンテはボール奪取と驚異的な走行距離、カンテとコンビを組むダニー・ドリンクウォーターは正確であっと驚くようなスルーパス、といった具合です。

そして、2015-16年シーズンのレスター・シティの躍進を支えている、ジェイミー・バーディーとリヤド・マレズの2人も明確な特徴があります。ジェイミー・バーディーには、DFの背後に走りこむスピードと正確なシュート、リヤド・マレズには左足を使ったドリブルと正確なキックです。選手個々の特徴が明確なので、どこに注目すればいいのか分かりやすく、観ていて楽しいのです。

一方、分かりやすい特徴(長所)があるということは、短所も分かりやすいということでもあります。エンゴロ・カンテはパスが苦手ですし、ダニー・ドリンクウォーターはスピードがあまりありません。ジェイミー・バーディーは、ポストプレーが上手くないし、リヤド・マレズはボールを持ちすぎる傾向があります。

「不揃いな選手」たちを集めてチームを作る

レスター・シティが面白いのは、こうした一芸に秀でていて、弱点も分かりやすい「不揃いな選手」たちを集めて、チームを作っていることです。個々の弱点は、選手を組み合わせてカバーする。センターハーフであれば、パスが上手いドリンクウォーターと、スピードがあるカンテを組み合わせた結果、2人はプレミアリーグ屈指のセンターハーフコンビとして、チームの躍進の原動力になっています。

レスター・シティでは、苦手なプレーで頑張ることは、チームとしてあまり求められていません。例を挙げると、ジェイミー・バーディーは、90分間通してひたすらDFの背後を狙い続けます。ポストプレーはほとんどしません。DFの背後でボールを受けられるのは、1試合に1回あればいいほうかもしれませんが、1試合1回でもチャンスがくれば儲けもの、そんな覚悟を決めてプレーしているのが伝わってきます。だから、バーディーは試合によっては、ほとんどチャンスに絡まない試合もあります。ただ、1回チャンスがくれば、バーディーには1回のチャンスを決めてしまうシュートの技術があるので、ゴール決めてくれればOK。そうチームメイトが考えているのが分かります。

バーディーは、ゴール決めてくれればいい。マレズはドリブルしてくれればいい。カンテはボールを奪ってくれればいい。個々が自分の得意なプレーをすれば、それでいい。そして、個々の特徴を組み合わせてチームを作るのは、監督の仕事です。選手個人個人の特徴が活かされているように観えているとすれば、それは監督が素晴らしい仕事をしているからです。

個人個人が自分が出来ることをやる

イチローがオリックス時代に1軍に定着した頃の話です。ある試合に負けて、責任の一端を感じていて落ち込んでいたイチローが落ち込んでバスに座っていたら、当時オリックスの監督だった仰木監督が、にこやかな顔でバスに乗り込んできたそうです。

不思議そうに見ていたイチローに対して、仰木監督は「お前、今日の成績は?」とたずねると、イチローは「3打数1安打でした」と答えました。すると、仰木監督は「いいじゃないか!ヒット1本打ってるんだから!最高じゃないか!!」と答えた後、「負けたことなんて気にするな!!」と続けたそうです。勝敗の責任を背負って落ち込んでいたイチローは、その言葉に心から勇気づけられたといいます。

よく、「苦しいときこそチームのために頑張る」という言葉を聞きます。この言葉は、「チームで成績をあげるためにどうすべきか考え、行動することで、問題を解決する」という意味で使っているのだと思うのですが、そもそも、チームの成績が苦しくなっているのは、メンバー個人個人が自分のできる事をきちんとやっていないからであって、ただチームで成果をあげることを考えて行動しても、個人個人が成果が出ないままでは、状況は改善されません。

選手個人個人の能力を活かして、結果について責任を負うのは、監督の仕事です。レスター・シティのサッカーを観ていると、選手、監督それぞれが自分たちの仕事に徹しているからこそ、個性が際立ち、チームに興味がなかった人も、巻き込む魅力を持っています。

今シーズンはレスター・シティに注目です。観て損はありません。僕が保証します。

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