nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

イングランド・プレミアリーグ2015年シーズン第30節 レスター・シティ対ニューキャッスル レビュー

   

イングランド・プレミアリーグ2015年シーズン第30節、レスター・シティ対ニューキャッスルは1-0でレスター・シティが勝ちました。

危なげなく試合をコントロール

試合開始直後は、ニューキャッスルのペースで試合が進みました。ニューキャッスルはこの試合から、ラファエル・ベニテスが監督に就任。新監督就任直後のチームらしく、前に前にボールを運び、レスター・シティを押し込みました。しかし、開始10分過ぎから、レスター・シティはニューキャッスルのペースに慣れ、ボールを保持できるようになります。

ボールを保持したら、いつものようにすぐにヴァーディーを狙うのではなく、ドリンクウォーターとカンテの2人でパス交換しながら、相手DFの間で岡崎、オルブライトン、マレズといった選手がボールを受け、少しづつ相手を押し込む事に成功します。岡崎の先制ゴールの後は、ボールを保持しながら、相手が攻めてきたところをカウンターで攻撃するといういつも通りの戦い方を貫き、危なげなく試合をコントロールしてみせました。スコアは1-0でしたが、完勝だったと思います。

岡崎が求め続けていたゴール

これまで、レスター・シティの試合のレビューを書く時は、敢えて岡崎には触れないようにしてきましたが、この試合ばかりは触れないわけにはいきません。岡崎が決めたオーバーヘッドは、試合を決める貴重なゴールであるとともに、2015-16シーズンを振り返る時、絶対にハイライトシーンに登場する、インパクトの強いゴールだったと思います。

岡崎はレスター・シティに移籍してから、常々「ゴールが欲しい」と語ってきました。岡崎は守備にも攻撃にもよく動き、チームのためにプレー出来る選手という印象を持っている人がいると思います。しかし、レスター・シティでは、抜群のスピードをもつヴァーディーも、190cmの高さと人に対する強さがあるウショアも、守備にも攻撃にもよく動きます。守備にも攻撃にも動くハードワークは、レスター・シティでは強みにはならないのです。

したがって、岡崎は生き残るために、ゴールを追い求めてきました。シーズン序盤の試合では、ヴァーディーへのパスを選択しがちな他の選手に対して、自分の動きの意図と、パスを出すタイミングについて、何度も何度も身振り手振りを交えて伝えていました。ヴァーディーへのマークがきつくなるにつれて、岡崎へのパスも増えるようになりましたが、なかなかチャンスを決めることが出来ていませんでした。したがって、このタイミングでのゴールはチーム内の岡崎への信頼を、よりいっそう高めてくれるはずです。

スタンドを煽ったラニエリ

この試合で最も印象に残ったのは、ラニエリが試合残り10分で激しいアクションでスタンドと選手を煽ったシーンです。

土曜日にトットナムが勝利し、勝ち点差2に詰め寄っていました。したがって、レスター・シティとしては19位のニューキャッスルとの対戦ということもあり、勝ちたい試合でもありました。1-0で残り10分。何が起こるか分からない時間帯に、チームを鼓舞し、スタンドを煽り、勝利に向けた雰囲気を作る。この試合に勝ちたいというラニエリの執念がよく現れたシーンでした。僕は観ていて鳥肌が立ちました。

ラニエリは常々「目の前の試合に全力を尽くす」「目の前の試合のことしか考えていない」と語っていました。これは、アトレティコ・マドリーのシメオネ監督も常々語っている事なのですが、先の事を考えず、目の前の試合の勝利にチームの力を注ぎ、勝利の積み重ねの先によって、目標を変えていく。そうやって、チームをマネジメントしています。

しかし、ラニエリのアクションは、「優勝」という言葉を決して口にしないラニエリが、初めて「優勝」を意識した行動を披露した瞬間でもありました。残り8試合。勝ち点差は5。4位のマンチェスター・ユナイテッドとの勝ち点差が、1試合消化試合数が少ないとはいえ現時点で12。レスター・シティのチャンピオンズリーグ出場は、かなり高い確率で実現しそうです。3月を首位で終えることも、確定しました。いよいよ現実味を帯びてきた、「優勝」の2文字。レスター・シティの快進撃は、終わりそうにありません。

戦術という切り口ではレスター・シティの魅力は伝わらない

なお、Footballistaの2016年4月号の「戦術リストランテ」で、レスター・シティの戦いが取り上げられています。ただ、あまり読むべきポイントはありません。なぜなら、レスター・シティの戦い方は「普通」だからです。戦術的に特殊な事は何もしていないチームなので、「戦術」という切り口で分析すると、面白みのあるチームではありません。ところが、チーム作りや選手の組み合わせの妙という観点で分析すると、これほど面白いチームはありません。引き続き、レスター・シティの戦いを追い続けたいと思います。

おすすめ

 - , , ,