すべてのライフハック本の元祖。書評「知的生産の技術」(梅棹忠夫)

2014/06/19

情報を整理する、情報を効果的に収集する、そして質の高い情報をアウトプットする。最近、書店の本棚を眺めていると、情報をどのように取り扱うのかという本が目につきます。代表的なのは、本田直之さんを有名にしたレバレッジシリーズや、GTDに代表されるようなタスク管理術でしょうか。読書術に関する本も数多くみかけるようになりました。

こうした、情報に関する書籍の元祖のような書籍をみつけました。それが本書「知的生産の技術」です。本書は、文化人類学者の梅棹忠夫さんが、自身の研究活動を通じて試行錯誤した経験と知識に基づいて得た、「知的生産の技術」について書いた1冊です。

1969年にプログラム技術の重要性を指摘

本書の冒頭には、こんな言葉が書かれています。

わたしは、たとえばコンピュータープログラムのかきかたなどが、
個人としてのもっとも基礎的な技能となる日が、
意外にはやくくるのではないかと考えている。

本書が出版されたのが、1969年。今から45年前です。45年前に、知的生産をいかに行うか考え、コンピュータープログラムの書き方が、個人としての基礎的な技能となる日がくることを予言していた著者の先見性には、いまさらながら驚かされます。

本書には、カードを使った情報分類法も紹介されています。このカードは、「京大式カード」というツールとして発売され、現在でも数多くの人達に使われています。カードを使った情報管理方法は、松浦弥太郎さんも使ったりしていますが、梅棹忠夫さんが元祖だとは知りませんでした。

情報関連本を読もうと思ったら、まずこの1冊

本書に書かれている内容は、現在の情報関連本に書かれている内容から比較すると、特別な内容が書かれているわけではありません。ただ、本書を読むと、現在書店に並べられている情報関連本の類に書かれていることは、ほとんど本書に書かれていることを、焼き直して出版しているのではないかとすら思えます。そのくらい、この本はよく出来ています。

情報を整理する、情報を効果的に収集する、そして質の高い情報をアウトプットする。こうした「知的生産」をどうやったら効果的に出来るのか。その方法を探しているけれど、同じような本がたくさんあって、どれを読んだら良いか分からない。そんな方には、まず本書を読んでみることをオススメします。

1969年に書かれた本ですが、今読んでも情報は古くなく、読みやすい文章で書かれています。一度は読んでみて損はない1冊です。

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