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勝敗を分けた2つの要因とサポーターの挑発行為について。2014年J1第21節 横浜F・マリノス対川崎フロンターレ レビュー

      2014/08/30

2014年J1第21節、横浜F・マリノス対川崎フロンターレは、2-0で横浜F・マリノスの勝利。川崎フロンターレは前回の横浜F・マリノス同様に無得点での敗戦を喫しました。なお、無得点は、その横浜F・マリノス戦以来7試合ぶりとなりました。

この試合は、2つの要因が勝敗を大きく分けました。

大きかった谷口の欠場

1つ目は、谷口の欠場です。

横浜F・マリノスは、予想通り前からプレッシャーをかけ、川崎フロンターレの攻撃を止めようとしてきました。プレッシャーをかけ、1対1の場面に持ち込み、ボールを奪う。得点を奪った時間では、横浜F・マリノスの狙いが上手くはまっていたと思います。

川崎フロンターレは、横浜F・マリノスの狙いは十分分かっていたと思いますが、相手の狙いを外すことが出来ませんでした。大きな要因は、谷口の欠場です。Jリーグ再開後は、谷口がセンターバックに入ることで、よりパス回しがスムーズになり、相手がどんなに前から奪いにきても、相手の守備を空回りさせることに成功していました。

しかし、谷口が欠場した今節は、相手の守備に捕まってしまう場面が目立ちました。代わりに出場したジェシは、パス回しが下手な選手ではありませんが、谷口ほどではありません。また、慣れない左のセンターバックというポジションを務めたことも、パス回しにいつものスムーズさを欠いた要因となったと感じました。(登里の退場とも無関係とは言えないと思います)

ジェシのプレーが特別悪かったわけではありませんが、結果的に、欠場したことで、逆に谷口の存在感の大きさを感じたゲームとなりました。

レフェリーを味方にすることが出来ず

2つ目は、レフェリングです。

登里の退場は妥当な判定だと思うのですが、個人的に気になったのは、横浜F・マリノスのファウルに対する判定です。

この試合、横浜F・マリノスは、前からプレッシャーをかけて、川崎フロンターレの攻撃を止めようとしてきました。特に、中村、小椋、中町は、川崎フロンターレの中村、大島の2人に絶えずプレッシャーをかけ続けていました。何回か、ボールの無いところで身体をぶつけたり、足をぶつけたりする場面もみられました。

この試合の主審を務めた家本さんは、ファウルを取るべきところでは取り、プレーを続けるべき場面ではきちんと続けていました。しかし、横浜F・マリノスのファウルに対してイエローカードが出なかったことが、横浜F・マリノスにとって、この試合ではプラスに働きました。特に、後半20分頃に、立て続けに身体を相手にぶつけてファウルした小椋のプレーにイエローカードが出なかったのは、少し驚きました。

選手は、試合中にレフェリーの判定基準を判断して、「このくらい身体をぶつけてもOKだ」とか、「こういうファウルはやめよう」と判断するものです。横浜F・マリノスの選手たちは、この試合の家本主審の判定基準を上手く利用して、守備をしてきました。

こうした試合運びの上手さは、横浜F・マリノスの強みです。結果的には、上手くはまってしまったといえますし、イエローカードが小椋や中町に出ていたら、試合展開は違っていたと思います。

悲観する敗戦ではない

ただ、この試合はそれほど悲観する敗戦ではないと思います。後半は10人で戦いましたが、互角以上に勝負できていましたし、むしろ横浜F・マリノスを押し込むことが出来ていました。

特に、相手のプレッシャーに逃げずにボールを持ち続けた大島と中村憲剛のボランチコンビ、守備の時には右サイドバック、攻撃の時には右サイドハーフを務めた森谷は、気持ちのこもったプレーを披露してくれました。

采配も攻撃的でした。0-2になってから、森谷に代わって山本を投入し、3-3-3にフォーメーションを変更。實藤に代わって、本来サイドバックの田中を投入し、攻撃的に攻める姿勢を打ち出し続けました。無得点での敗戦となってしまいましたが、チームとしてやれることはやったと思います。次に繋がる敗戦だったと思います。

Jリーグの強みを捨ててはならない

最後に、試合中に起こった横浜F・マリノスサポーターによる挑発行為について、少しコメントをしておきたいと思います。

ヨーロッパでは、主に南米やアフリカの選手に対して、「モンキーチャント」と呼ばれる相手を中傷する応援歌や、バナナの皮を投げるなどの行為が問題視され、無観客試合や高額な罰金を支払うなどのペナルティを受けています。したがって、「バナナを用いて、選手を挑発した」という行為は、ヨーロッパでは、それだけで人種差別行為に該当します。

挑発した方に認識はなかったようですが、サッカーが好きで、横浜F・マリノスが好きなら、サッカーが世界に繋がっていることを踏まえて、自分がやったこと、自分が言ったことがどのように受け取られるのか、認識した上で、行動して欲しかったと思います。行為自体を捉えれば、浦和レッズが無観客試合を行う要因となった「JAPANESE ONLY」の段幕と何も変わらないので、ただただ残念です。

ただ、Jリーグを普段サポートしている方のほとんどは、こうした行為とは無関係の人々です。Jリーグの誰でも気軽にサッカーを楽しめる雰囲気は、こうした行為に関わりのない方が作り上げたものです。Jリーグのスタジアムの雰囲気は、20年間培ってきた強みです。その強みを、自ら捨ててしまわぬように、サッカーが好きな人々が、改めてサポートしていくことが求められているのだと、僕は感じました。

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