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書評「正直」(松浦弥太郎)

   

2015年に、暮しの手帖の編集長を務めていた松浦弥太郎さんが、クックパッドに転職し、「くらしのきほん」というWebメディアを立ち上げたことは、話題になりました。松浦さんは転職する頃、1冊のエッセイ集を発表されています。それが、本書「正直」です。本書は、松浦さんが新たな環境に移るにあたって、今の心境、考えていることが書かれている1冊です。

松浦弥太郎の内面が描かれている1冊

本書は、松浦さんの著書にしては珍しく、松浦さんの内面が描かれているのが特徴です。したがって、今までの松浦さんの著書とは違い、松浦さんのドロっとした黒い部分にも触れるような文章も描かれています。

「今に見てろ」
この言葉を、何千回、何万回唱えたかわからない。

こんな言葉を、松浦さんの文章で読むとは思いませんでした。ただ、こうした反骨精神が松浦さんの考えの基になっているのです。

「成功したい」「お金持ちになりたい」だから方法を考える

もちろん、松浦さんの著書らしく、心に響く、役に立つ文章が、いくつも収められています。たとえば、松浦さんが古本屋「COWBOOKS」を立ち上げた当初、本がなかなか売れなかったころ、知り合いの経営者にこう言われたそうです。

「君が売りたいものは、たしかにすごいのかもしれないし、すてきなものかもしれない。だけど、ものを売る前に自分を売らなきゃダメだ。

また、松浦さんは「成功している人は、どうして成功しているのか」と考えたそうです。知り合いの経営者に訪ねた松浦さんは、「そんな事自分で考えろ!」と言われてしまします。しばらく考えた松浦さんは、知り合いの経営者にこう応えます。

「成功している人は、人を助けている。売れているものは、人を助けている。人を助け、役に立つもの。つまり、人の抱えている問題や不便を解決するものが、支持され、売れるものではないでしょうか。

松浦さんのお金、センス、仕事に対する一見スマートな考え方の裏には、どんな人の心の奥にある、「お金持ちになりたい」「成功したい」といった欲望が基になっていることが、本書のタイトル通り「正直」につづられています。自分の心の中にある黒い部分を、いかにエネルギーにして、前向きに人生を歩むか。その事を教えてくれる1冊です。

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