仕事の教科書。書評「松浦弥太郎の仕事術」(松浦弥太郎)

2013/12/23

本書は、「暮らしの手帖」の編集長である著者が、仕事についてどう考えているのか、著者の考えをまとめた1冊です。COWBOOKSという中古書店を運営しながら、2006年から「暮らしの手帖」の編集長を務め、「暮らしの手帖」を立て直した著者が、仕事をどうとらえているのか。よりよい仕事をするために、どうしたらよいのか。分かりやすくまとめられています。

働くこととは

著者は「仕事の目的」について、こう語っています。

自分の行いが、人の役に立つ。
自分の中にある何かが、人に幸せを与える。

それが、たとえクリエイティブな仕事、音楽でも、芸術でも、料理でも、その芸術作品を見て心を動かす人がいなければ、それは仕事とは言えないというのです。社会の中で人の役に立つこと、人との関係の中で、「自分」を生かし、人に喜んでもらう。それが「仕事」であるというのです。この事を考えることで、よき仕事選びが出来、毎日の働き方が変わっていくというのです。

健康管理という仕事

著者が他の著書でも強調しているのが、「健康管理」の重要性です。自分自身が持っている技術や経験を発揮するには、まず自分自身の体と心が、技術や経験を発揮できる状態である必要があります。そのために、自分の心身のコンディションを保つ、「健康管理」が重要だというのです。

「本当に大切な仕事なら、心身を犠牲にしても成し遂げるべきだ」という価値観を持つ人がいることもいますが、著者はそれを「悪しき習慣」だと断じます。僕もそう思います。確かに一時的にパフォーマンスが上がったように感じることがあるかもしれませんが、長年にわたって実績と信用を積み重ねていくには、かえってマイナスになると僕も思います。

きちんと「健康管理」が出来てこそ仕事ができるし、プライベートも充実していきます。「太く短く」生きたいのであれば、刹那的に生きていくのもよいですが、「太く長く」生きようと考えている人は、自身の「健康管理」も仕事としてとらえ、ていねいに管理していく事が、自分自身の管理につながっていくのだなと思います。

勉強することの大切さ

本書の中で、著者は勉強することの大切さを語っています。「わからない」事があれば本を読み、わかったことをノートに記し、さらにわからないことがあれば、今度はそれについて調べていく。インターネットを使わず、本と自分の頭を使って調べていく。こうした勉強をする時間を確保することが、よい仕事をするためには重要だというのです。

本書の中でも語られていますが、雑誌の編集長やエッセイを書いて身を立てたいと考えている人というのは、たくさんいます。そんな人たちと競争して自分自身を選んでもらい、人に喜んでもらうには、普段から勉強し、自分自身をアップデートしていかなければならないのだと、痛感しました。

本書には、他にも「規則正しいスケジューリングの大切さ」「パソコンより頭と手を使う」「いやな仕事の変換法」なども語られています。

よい仕事をするための手引となれる1冊です。

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