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書評「世界を「仕事場」にするための40の基本」(松浦弥太郎)-スキルより、語学より、身につけておくべき基本-

   

本書は暮しの手帖という雑誌の編集長から、クックパッドの「くらしのきほん」というWebメディアの編集長への転職で話題になった松浦弥太郎さんが、世界で仕事をしていくために、自身の友人・知人との仕事やプライベートでの交流を元に何が必要か、基本的な40個の項目にまとめた1冊です。

スキルよりアイデンティティ

本書には、アメリカ、フランス、中国という国を例に、それぞれの国の特徴、学ぶべき良い点、注意すべき点が分かりやすく書かれています。例えば、アメリカであればチャレンジする心、フランスであれば仕事と同じく遊びを楽しむ姿勢、中国であれば古くからの教えに基づいた人として守るべき姿勢、などです。

世界で働くための書籍を探していると、「どこの世界でも儲けられる仕事のスキルを身につけるべきだ」とか「語学を身につけるべきだ」とか、身につけるべきスキルについて書かれた書籍をよく目にします。本書にも、身につけるべきスキルに関する記述はありますが、むしろ強調されているのは、自分自身の理念であったり、生き方であったり、といった普段の生活に根付いた基本的な部分です。

日本人のアイデンティティとは

特に意識しておくべきは、日本人であるという確かなアイデンティティだと、松浦さんは語っています。松浦さんは、日本人のアイデンティティを以下のように。書かれています。

  1. 武士道:慈愛をもって人のために、社会全体のために生きるという哲学。
  2. 徳を積む:無償の愛や奉仕する心。また人として生活していく上で基本となる考え方であり、行動のこと。老子の教えであるタオイズムにおいては、徳とは、万物自然を生み出す根本的な実在である「道(タオ)」を養う作用をいいます。孔子の説いた儒教においても、徳は重要な概念であり、人間の道徳性から発展して、中国における統治原理とされるようになりました。
  3. 「侘寂(わびさび)」の精神:豪華絢爛の対局にあるもので、本来、バランス感覚にすぐれた日本人独自のもの。
  4. 義理と人情:人間関係の中で、筋を通すこと。お世話になった人への恩義を忘れず、礼と義をもって返すこと。思いやりや慈しみの精神をいいます。
  5. 粋:一つは色気・そして、想像力ゆたかな心遣い。
  6. 知足:少しのもので満足すること。すでにあるもので満足し、それに感謝する気持ち。もともとは、タオイズムの考え方からきています。何事も身の程をわきまえることが肝要だという教えです。
  7. 謙遜する気持ち:どんなに日々の努力を積み重ねたとしても、自分のことを評価する人間が誰もいない状況下におかれることも、ときにはあるもの。しかしその事に憤りを表出するのではなく、常に控えめに、すなおに振る舞う心がけが、成功した時の自らの振る舞いにも出るものです。
  8. 無情:僕たち日本人がそこに美を漢字、理解し得るもの「徒然草」にも書き綴られたように、無常のかなしみは逃れがたいもの。それは部屋の片隅に行けた花々を眺めやっているときなどに感じることができます。日々、枯れていく花々–それは絶望を内包しないかなしみと表現できることでしょう。
  9. 改善する気持ち:現在も変わらない日本人独自のもの。何事にも現状をよしとせず、さらに良くしていこうとする、日本人特有の前向きな気持ちです。
  10. 志:どんなことでも志をもつということ。それは自分の本心からの目標のため、そして、他者や社会全体への貢献のためでもあると思います。

松浦弥太郎さんの著書は基本を思い出させてくれる

松浦弥太郎さんの著書は、普段忘れがちな、どう振る舞うべきかといった基本を思い出させてくれます。たしかに、今後海外で仕事をすることや、多種多様な人と仕事をすることは増えていくと思います。もちろん、スキルを身につけることは重要です。しかし、スキルを身につけるのは、時間がかかります。スキルにばかり目を向けるのではなく、自分自身の内面にある基本的なことがきちんと出来ているか、改めて見つめなおさせてくれる1冊です。

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