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こんな人に指導してもらいたい。書評「日本人チームを躍動させる 決断力の磨き方」(ミゲル・ロドリゴ)

   

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2012年のFIFAフットサルワールドカップで、フットサル日本代表をベスト16に導いだミゲル・ロドリゴ監督。大会には三浦知良選手を招集したことでも話題を集めましたが、そこにはミゲルさんなりの明確なビジョンがありました。そして、フットサル日本代表は個性的なメンバーが集まり、魅力的なフットサルを披露し、大会中注目を集めました。

スペインからやってきたミゲルさんが、いかに日本人選手を指導し、魅力的なチームを作り上げたのか。本書「日本人チームを躍動させる 決断力の磨き方」は、スペイン、ロシア、イタリアでの指導歴を振り返りながら、強いチームを作るために、ミゲルさんがチームを指導する時に心がけているポイントについてまとめた1冊です。

こんな人に指導してもらいたい

ミゲル・ロドリゴさんの指導の凄さは、選手の力を引き出すところにあります。NHKで放送された「奇跡のレッスン〜世界最強コーチと子供たち」という番組で、ミゲルさんは文京区のどこにでもある少年サッカーチームを、1習慣指導することになりました。ミゲルさんは、トレーニング中に選手にチャレンジを促すような声をかけ、選手がよいプレーをしたら褒め、よくないプレーをしたら、プレーの改善点を端的に指摘します。指導された子供たちは、1週間のうちにぐんぐん成長し、驚くほどのプレーを披露します。それは、ミゲルさんも驚くほどでした。

そして、最も印象に残ったのは、子供のために親身になって指導していることが、声や態度から画面を通じても伝わってくることです。「こんな人に自分も指導してもらいたい。」番組を観た人で、そう思った人は多いと思います。

ミゲルさんが、なぜ1週間で子供たちを変えることが出来たのか。番組を観ただけでは分からなかった秘密の一端は、本書を読むことで理解することが出来ます。

やる気にさせる気配りとトレーニング

ミゲルさんの指導は、主に2つの要素で成り立っています。1つ目は、選手にやる気を出させるマネジメント。チームの雰囲気に常に気を配り、前向きに物事が進むように、選手やスタッフとコミュニケーションを取ったり、チームのルールを決めていきます。チームを上手くマネジメントするノウハウは、イタリア、ロシア、そしてスペインフットサル協会のスタッフとして、指導要綱の策定にあたった経験を通じて、ミゲルさんが身につけていったものです。常に冷静なミゲルさんの態度は、こうした経験に裏打ちされたものであることがよく分かります。

2つ目は、トレーニング。「インテグラルトレーニング」と呼ばれる、攻撃だけ、守備だけ、フィジカルだけといった特定の要素を取り出してトレーニングするのではなく、全ての要素を総合的に鍛えるトレーニングを行うことで、選手の能力を短い時間で鍛え上げるだけでなく、サッカーというゲームに必要な要素が全て詰め込まれた、頭も身体も使うトレーニングメニューを考えることで、選手を飽きさせず、前向きに取り組めるように工夫しているのです。

指導者に求められることは多い

本書を読んでいると、指導者がチームを率いるためには、様々な点に気を配らなければならないことがよく分かります。かつては、指導者が「これをやれ!」と言えば、有無を言わさず選手に実行させることが出来ました。しかし、今では選手も納得しなければ、練習すらやってくれません。指導者は、選手に前向きに取り組んでもらえるように常に気を配るだけでなく、選手が考えていなかった新たな視点、気づきを与え続けることが出来なければ、簡単に信頼を失ってしまう職業なのだと痛感します。

なお、ミゲルさんの著書「フットサル日本代表監督ミゲル・ロドリゴの フットサル戦術 パーフェクトバイブル」は、サッカーにも共通する、戦い方の基礎が分かりやすく書かれた名著です。ぜひ、本書と併せて読んでみることをおすすめします。

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