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リーダーがすべきことはチームを”ガイド”すること。書評「モウリーニョのリーダー論」

   

モウリーニョのリーダー論 世界最強チームの束ね方

本書はレアル・マドリーの監督であるジョゼ・モウリーニョのリーダーシップについてまとめた書籍です。以前からジョゼ・モウリーニョという監督のリーダーシップについて興味がありました。なぜなら、彼が監督したチームに所属していた選手から、モウリーニョに対する批判が全く聞かれなかったからです。

しかも、主力として活躍していた選手だけでなく、控え選手やスタッフからも彼を称賛するコメントを耳にしていました。サッカー界では「自分を使ってくれる監督がよい監督」と公言する選手が多く存在する中、(日本代表の内田篤人も事ある毎にそう語っています。)モウリーニョがなぜ”スペシャル・ワン”と呼ばれるまでのリーダーとして崇拝されるようになったのか。また、現在在籍しているレアル・マドリーでは、なぜ選手からの批判が聞こえるようになったのかよく分かりました。

チームを”ガイド”するのがリーダーの仕事

モウリーニョは「チームを”ガイド”するのがリーダーの仕事」と語っています。特に強いリーダーシップを発揮して、選手を指導しているように見えるモウリーニョが”ガイド”という言葉を使うことを、意外だと思う人もいると思います。


リーダーがすべきことは、命令を下すことではない。ガイドすることだ。
(中略)
私生活でもフィールド内でも、
選手たちには自主的に動いてくれることを期待している。
彼らには、毎週90分間、オレにも手を出せない試合での最高の自由時間がある。
この時間帯で、彼らは決断する力とその力を効果的に生かすことが求められる。
オレができることは、せいぜい迷ったときの道しるべを示すことと、
何かあった時の調整役くらいだ。

“ガイド”という言葉の意味には、「案内する」という意味があります。何かの本で「コーチ」という言葉の語源は、目的地に運ぶ馬車の事だと読んだことがあります。モウリーニョが語る”ガイド”という言葉は、「コーチ」という言葉の語源と同じ意味です。モウリーニョは自分の仕事が「目標を達成するためにチームを案内すること」だと理解しています。そして、理解したことを、自らの行動で示しています。だからこそ、チームのメンバーが彼を信頼するのだと、過去に指導を受けた選手たちが異口同音に語っています。

レアル・マドリー内紛の要因

では、なぜ現在所属しているレアル・マドリーでは、モウリーニョは選手から批判されるようになってしまったのでしょうか。本書を読んでいると、モウリーニョは「チームを”ガイド”できなくなった」ことが要因ではないかと思いました。

レアル・マドリーでのモウリーニョの振る舞いを見ていると、以前より”ガイド”しているというよりは、”命令を下す”ように見えることがあります。自身の意見や考え方を尊重してもらおうとするあまり、”ガイド”するのがリーダーの仕事ということを、見失ったのではないか。本書を読み終わると、そんな気がしました。

しかし、レアル・マドリーで内紛が起こっていたとしても、モウリーニョは超一流の監督です。彼が実践してきたリーダーとしての振舞いは、サッカー関係者だけでなく、ビジネスマンにとっても参考になるはずです。現代のリーダーシップとは何か、を学びたい方にはおすすめの1冊です。

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本書を読んで興味をもった方はこちら。

グアルディオラとモウリーニョを比較した書籍。
まだ読んだことがないので、興味があります。

先日発売された「欧州サッカー批評」にモウリーニョのインタビューが掲載されているんですが、
読んでいると、モウリーニョがレアル・マドリーの内紛に苛立っている様子が伺えます。

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