カリスマ性のないリーダーが強いチームを作るためのマネジメントとは。書評「自分で動ける 部下の育て方 期待マネジメント入門」(中竹竜二)【中編】

中竹さんは本書「自分で動ける 部下の育て方 期待マネジメント入門 」の中で、「正しい期待をかければ、人は必ず成長する。これは私の信念です。」と語っています。では、どうやって「正しい期待」をかければよいのか。どうやって「正しい期待」をかけるのでしょうか。

なぜ期待がかなわないのか

その事を考える前に、中竹さんは「なぜ期待がかなわないのか」ということについて、説明しています。中竹さんは、「期待通り」にならない理由として、3つの理由を挙げています。

  1. 自分勝手な「強制要望」だから
  2. 期待のミスマッチに気づいていないから
  3. 期待が「あいまい」だから

逆説的に言えば、これらの問題を解決すれば、「期待」によって相手を支援し、「期待通り」の結果が得られる可能性が高まると、中竹さんは語っています。そして、私たちが誰かに期待をかけようとするとき、相手にやる気を失わせたり、プレッシャーをかけたり、必要のない期待をかけてはいないか、常に自らの胸に問いかけなければならないというのです。

必ず成果の出る期待の条件

では、必ず成果の出る期待の条件とは何か。「期待通り」にならない理由の裏返しを考えると、その条件はみえてきます。

  1. 実際に行動するのは「他者」であることを認識し、自分の勝手な思い込みを押し付けない
  2. 自分の期待は、相手の「こうなりたい」とマッチしている
  3. 期待の内容が、具体的である

この条件を、「プロジェクトマネジメント」の思想と方法論を持ち込むと、こうなります。

  1. プロジェクトのゴールを明確にして、メンバー全員がそれに共感、共有する
  2. ゴールに至るまでの道のりや、課題を解決する術を明らかにする
  3. メンバーという「他者」の意欲を高め、ゴールの達成に向けた行動を促していく

期待をマネジメントする手法「VSSマネジメント」

では、期待をどうプロジェクト化して、マネジメントしていけば良いのか。中竹さんは、独自の手法「VSSマネジメント」を用いています。「VSSマネジメント」とは、現在からゴールまでの道筋を映画のようにストーリー化し、その裏側にあるシナリオを徹底的に考えていく方法です。

V=ヴィジョン(到達したいゴールを描く)
S=ストーリー(現在からヴィジョンにたどり着くまでのプロセスをストーリー化する)
S=シナリオ(現実がストーリー通りに運ぶよう支援するための台本を作る)

ゴールを明確にする。そのゴールは、ワクワク出来るものであることが重要です。ワクワク出来るゴールでなければ、ゴールに至るまでの困難や壁を乗り越えるモチベーションを見い出せなくなるからです。ゴールに至るまでの困難や壁を予想するのが、ストーリーです。ストーリーとして、困難や壁を想定しておけば、なにをすべきか分かっているので、挫けずにゴールに向って進んでいくことが出来ます。シナリオは、ストーリーとしている困難を乗り越える術は何かを考えおくことです。メンバーが意気消沈した時、自分はなにをいうべきか。事前に考えておくことで、的確な対処が出来るというわけです。

次回は、VSSマネジメントを実践するために、重要なポイントを紹介したいと思います。

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