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江戸時代とはどういう時代だったのか。書評:熱風2014年1月号 特集「渡辺京二ロング・インタビュー 近代のめぐみ」

      2014/02/17

スタジオジブリは、毎月10日に「熱風」という無料の小冊子を発行しているのですが、今月の特集は、「渡辺京二ロング・インタビュー 近代のめぐみ」です。

江戸時代の日本人は、みんな幸せで満足そうに見える

1998年に出版された「逝きし世の面影」という書籍は、外国人が記録した江戸時代の庶民の記録をまとめた1冊です。僕は「逝きし世の面影」はまだ読んだことがないのですが、「逝きし世の面影」には、当時の日本を訪れた、ひとりの外国人のこんな日本評が書かれています。

「オズボーンは最初の寄港地長崎での印象をこう述べている。
『この町でもっとも印象的なのは、
(そしてそれはわれわれの全員による日本での一般的な観察であった)
男も女も子供も、みんな幸せで満足そうに見えるということだった』。
オリファントもいう。
『個人が共同体のために犠牲になる日本で、
各人がまったく幸福で満足して見えることは、
驚くべき事実である』。」

現代の日本人を見た外国人が、「つらそうだ」とか「忙しそうだ」ということはあっても、「日本人はみんな幸せで満足そうに見える」なんてことは言わないと思います。渡辺京二さんのインタビューにも書かれていたのですが、近代化以降の日本にとって、江戸時代は「遅れた文明」であり、優れているなどと考えていた人は多くないと思います。

しかし、渡辺京二さんによると、当時の外国人の見聞録は膨大な量が残されており、そして、たくさんの外国人が「おもしろい」と口をあわせたかのように語っていると言うのです。江戸時代が終わるきっかけとなった鎖国の終わりによって訪れた外国人が、日本を高く評価しているということに、僕自身は少し複雑な気持ちを覚えます。

江戸時代から明治維新にかけて市井の人々はどう生きたのか

このインタビューを読んで考えたのは、「スタジオジブリはなぜこのタイミングで江戸時代のことを取り上げたのか」ということでした。たぶん、今の日本の社会の問題や将来を考えるにあたって、「今の日本はいつからこうなったのか」が知りたかったのだと思うのです。

そして、近代国家へと舵をきったのが明治維新であるならば、江戸時代はどんな時代で、なぜ明治維新は起こったのか。その事を考える上でたどり着いたのが、「逝きし世の面影」だったのだと思うのです。

昨年、大河ドラマ「八重の桜」を観ていても感じましたが、江戸時代から明治時代へと、国家の考え方が変わる激動の時代に、市井の人々が「どう生きたか」を知ることは、現代社会を生きる上で重要なヒントがある気がしています。

「歴史は未来を知るために学ぶ」と言ったのは高城剛さんですが、「逝きし世の面影」は、そんな現代人にとってヒントになる書籍なのではないか。インタビューを読んで、そう感じました。まだ、読んだことないので、ぜひ読んでみたいと思います。

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