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自由の国の魅力に迫る。書評:熱風2014年2月号 特集「タイ王国」

   

スタジオジブリは、毎月10日に「熱風」という無料の小冊子を発行しているのですが、今月の特集は、「タイ王国」です。
「タイ王国」特集のラインナップは、以下の通りです。

タイはどこに向かうのか――タイの騒乱とクーデター(藤谷 健)
「自由」の国タイ――ルースで包容力のある社会――(柿崎一郎)
魅惑の森のタイ映画 六つのエピソード(石坂健治)
山田長政の実像(小和田哲男)
「自由の国」の秘密(高野秀行)

タイはアジアの国の中でも親日的な国で、経済的にも多くの日本企業が進出していますが、タイという国がどういう国なのか。スタジオジブリなりの切り口で紹介したのが、今回の特集です。

明るく楽しい「タイ流デモ」

タイといえば、2001年のタクシン・シナワット氏が首相に就任して以降、タイでは断続的にクーデターが繰り返されてきました。その度に、市民による反政府集会が行われているそうですが、現場はぴりぴりとした緊張感に包まれているかというと、そうでもないそうです。

大概の場合、お祭りのように楽しく、華やかな雰囲気が広がっているそうです。人が集まるところには必ず屋台が出て、Tシャツ、帽子、笛、タイ国旗と同じ三色(赤、青、白)のリストバンド、指導者の顔がプリントされたマグカップなど「デモグッズ」が競うように売られていたり、参加者の動員と維持を図るため、飲み物や食べ物が無料で振る舞われているそうです。

お堅い政治演説ばかりが続くと参加者も飽きるので、舞台ではミニコンサートや掛け合い漫才なども行われ、夜になるとカラオケ大会に変わったりするという話を聞くと、タイの政治デモは、一種のお祭なんじゃないかと思えてきます。

自由な国

「タイ」という言葉は、「自由」という言葉を意味します。この言葉が意味するように、タイにおいては集団主義的なまとまりが弱く、個人主義が強いといわれています。タイ人は人に雇われるよりも自営で仕事をすることを好み、独立志向が強く、バイクタクシーや、メッセンジャーなど次々に新しいサービスを生み出してきました。

厳しい戒律を実践する僧侶がいるかと思えば、昼間から酒盛りをして賭け事をして興じる人もいる。性の転換にも寛容で、ついこの間まで「男」であった人が突然「女」になることもある。これがタイの魅力なのだと、今回の特集を執筆した人は異口同音に語っています。

そんな、タイの社会で生きていく上での処世術が、「タイの人は問い詰めてはいけない」というもの。問い詰められていないタイ人は、問い詰めると逆ギレしやすく、あとで悪い噂をたてられたり、仕返しをされかねないのだといいます。この「問い詰めない」という考え方が、社会の寛容さにつながり、「自由の国」タイを作り上げているというわけです。

つまり、「問い詰めない」ということは、「解釈の自由」がたっぷり与えられているということでもあります。なぜ、クーデターが繰り返されるのか。なぜ、オカマが多いのか。どれも、どう解釈するかは、個人の自由というわけです。そんなところが、タイの魅力なのかもしれないと読み終えて感じました。

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