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家族と愛犬を愛し、友人を大切にし、何より創作活動を愛した人。書評:熱風2014年3月号 特集「追悼 フレデリック・バックさん」

      2014/05/20

スタジオジブリは、毎月10日に「熱風」という無料の小冊子を発行しているのですが、今月の特集は、「追悼 フレデリック・バックさん」です。
「追悼 フレデリック・バックさん」特集のラインナップは、以下の通りです。

フレデリック・バックさんを偲ぶ(高畑 勲)
世界中の人々に自然への愛を喚起(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)
フレデリック・バックに出会えた幸運について(ノルマン・ロジェ)
追悼(アレクサンドル・ペトロフ)
バックさんの思い出(増田春雄)
バックさん、ありがとう!(落合ギャラン 健造)
バックさんとの素敵な想い出(西村由美子)
「バック展」とバックさん(中村知純)

2013年12月24日、アニメーション作家のフレデリック・バックさんが亡くなりました。
バックさんは「クラック!」「木を植えた男」で、アカデミー賞短編アニメーション部門賞を受賞し、高畑勲監督、宮﨑駿監督をはじめ、世界中に多くのファンがいるアニメーション作家です。「木を植えた男」を観たスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、こう言いました。

「1つの作品が、世界を変える」

今回の特集では、フレデリック・バックさんに関わりのあったアニメーション監督、音楽家、そして2011年に開催した「フレデリック・バック展」に携わったスタッフの方々による追悼文が掲載されています。

木を植えた男

フレデリック・バックさんの代表作「木を植えた男」は、一人の羊飼いが、どんぐりの種を一粒一粒、黙々と丹念に選り分け、来る年もくる都市も、一本一本木を植え続け、その献身的な行為が荒涼としたアルプス山脈地方を再生していく、という物語です。

フレデリック・バックさんは、「木を植えた男」を作るにあたって、2万枚におよぶ作画作業の大半を一人でこなし、30分の作品を5年半をかけて作り上げました。自分自身が「木を植えた男」になって作り上げたのです。この作品が映画やテレビで放映された後、カナダでは大きな植樹運動が起こり、翌年実際に2億5000万本もの木が植えられたといいます。

「木を植えた男」を観た山口智子さんは、「苗木がなくてもどんぐり一つから木を植えることに挑戦できる。大きなことを成し遂げるためには大きなことを準備しなければならないわけじゃない。今からでも遅くないんだということを教えてくれる作品」と語っていました。

東日本大震災と「木を植えた男」

2011年に開催された「フレデリック・バック」展のテーマソングとして、MONKEY MAJIKの「木を植えた男」という楽曲が作られました。楽曲をこれから作ろうとしたその時、東日本大震災が起こります。MONKEY MAJIKはボランティア活動に明け暮れ、音楽活動を再開する目処が立っていない時のこと、その現状を知ったバックさんから、こんなメッセージが届いたそうです。

日本人全体が苦しさに耐えているというこの状況において、
皆さんの(音楽による社会への)貢献そのものは劇的に求められているのです。
私は、皆さんの(大切な)楽器や備品が無事であったことを願っていますし、
皆さんのインスピレーションやモチベーションが見出され、
来場者との間に皆さんとの気持ちの共有が実現することを願っています。

今なお恐ろしさを募らせるこの状況の中でも希望と勇気とが立ち昇り、
生命が輝きに出会うことを祈って!

ここにいるすべての人々と同じく、
私も心から、皆さんとともに居ます。

このメッセージが、MONKEY MAJIKの音楽活動を再開するきっかけになり、作られた楽曲が「木を植えた男」なのです。

家族と愛犬を愛し、友人を大切にし、創作活動を愛した人

追悼文に書かれたバックさんは、家族と愛犬を愛し、友人を大切にし、そして何より創作活動を愛している人です。
そんなバックさんだからこそ、「木を植えた男」を作ることが出来たのかもしれません。

荒れた地に一つ一つ種を植え続け、大地を蘇らせる。
大きなことを成し遂げるために、大きなことを準備する必要はない。

フレデリック・バックさんの作品と言葉は、私たちに改めてその事を教えてくれます。

ミュージックビデオ『木を植えた男』/ MONKEY MAJIK

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