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中東の今を知ることが出来る特集。書評:熱風2015年3月号 特集「エルサレム」

   

スタジオジブリは、毎月10日に「熱風」という無料の小冊子を発行しているのですが、今月の特集は、「エルサレム」です。

「エルサレム」特集のラインナップは、以下のとおりです。

エルサレム(笈川博一)
見えない”線”、目に見える”壁”~私が感じた聖地・エルサレム(谷生俊治)
エルサレム「神殿の丘」の宗教と権力(池内 恵)
『聖書の世界』の舞台となる地を撮影して(白川義員)

エルサレムが”中東の火薬庫”と呼ばれる理由

嘆きの壁、ゴルゴタの丘、岩のドーム。エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という、全世界で32億人もの人々が信仰する3つの宗教の聖地です。そして、4000年以上にわたる民族や宗教の歴史が複雑に折り重なった結果、人口83万人の街が”中東の火薬庫”と呼ばれるようになったのです。

しかも、問題になるのは、エルサレムの東部と西部の境目にある約1平方キロメートルの城壁に囲まれた旧市街のエリア。この狭いエリアに、ユダヤ教徒が祈る嘆きの壁、イスラム教の聖地である岩のドーム、イエスが葬られたゴルゴタの丘に立つ「聖墳墓教会」があるのです。それぞれ違う宗教を信仰する人々にとっての聖地が、1箇所に固まっていること。そして、ユダヤ教も、キリスト教も、イスラム教も、エルサレムが発祥の地になっているということ。それゆえに、エルサレムという都市の統治権を奪い合うように争い続けてきたこと歴史の積み重ねが、エルサレムを複雑な場所にしているのだということは、よく分かりました。

複雑ゆえに簡単に理解するのは難しい

ただ、今回の特集を読んでも、正直エルサレムの事情を、きちんと理解したとは、自分自身思えません。それほど、エルサレムを取り巻く状況は、複雑です。ただ、エルサレムという場所について改めて考えることが、イスラーム国(ISIL)が起こした事件を含めた、中東の問題を理解するきっかけになるのではないかという熱風の考えは、よく理解出来ました。

中東でNGO活動に従事した人が語るイスラーム国問題

今月の熱風には、イスラーム国の事件について、イラク、アフガニスタンでNGO活動を続けていたピースウインズ・ジャパンの大西健丞さんのインタビューが掲載されています。大西さんは、あまりメディアにはでない人なので、今回のインタビューはとても貴重だと思います。

大西さんのインタビューには、いくつか興味深い指摘がありました。イスラーム国は、サダム・フセインの治安警察だったメンバーがイスラーム国に流れ込んでいるということ、イスラーム国のピークは2014年8月にアメリカがイラクを空爆した頃で、日本人人質事件の頃は実はピークを過ぎていたのだということ、それまでは別扱いだった日本への扱いが変わったのは、2004年のイラク戦争へのコミット以降だということ、など。テレビや新聞のニュースではあまり報道されない情報が、掲載されています。

今回の「熱風」の特集は、僕のように中東の事情や、世界の情勢に疎い人にとって、情勢を理解する入口としては、最適な特集だったと思います。ただ、そんな「熱風」を読んでも、分からないことがいくつもあります。引き続き関連書籍を読むことで、少しづつ理解していきたいと思います。なぜなら、対岸の火事というには、大きすぎる問題を、中東は抱えていると思うからです。

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