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歴史は繰り返す。未来は過去から生まれる。書評:熱風2015年7月号 特集「翁長雄志 沖縄県知事インタビュー」「三鷹の森ジブリ美術館 幽霊塔へようこそ展」

   

スタジオジブリは、毎月10日に「熱風」という無料の小冊子を発行しているのですが、2015年7月の特集は、「翁長雄志 沖縄県知事インタビュー」と「三鷹の森ジブリ美術館 幽霊塔へようこそ展」の2本立てです。

辺野古問題は日本の民主主義を考える上で興味深い話題

先日、宮﨑駿さんが辺野古基地移転を支援する、「辺野古基金」の共同代表に就任したことを発表し、記者会見を行いました。翁長県知事は、就任後から一貫して、基地の移転に反対する意志を表明しています。

スタジオジブリは、2015年5月にも沖縄に関する特集を企画し、基地移転に疑問を投げかける記事を掲載しました。今回の翁長さんのインタビューは、改めてスタジオジブリとして、基地移転に対して強い疑問を投げかけています。

スタジオジブリの鈴木敏夫さんは、「辺野古問題は、日本の民主主義を考える上で興味深い話題だ」と、今回の特集で語っています。沖縄は元々中国との結びつきの強い場所でしたが、基地があるために、アメリカの影響を強く受けた土地でもあります。つまり、中国とアメリカの間に位置する日本という国の立場を、端的に現しているのが、現在の沖縄なのだというわけです。

なお、今月の熱風では、「日本人と戦後70年」というタイトルで、美輪明宏さんが、戦後の日本について、マイノリティとしての自身の立場からみた所感を語っています。ネットで話題になったようですが、非常に読み応えのあるインタビューになっています。個人的には、美輪さんが自身の立場を踏まえてしゃべったインタビューは、他にはないのではないかと思います。

過去の物語から新たな物語を作る

もう一つの特集である、「幽霊塔へようこそ」展は、三鷹の森ジブリ美術館で開催されている企画展示に関する特集です。展示宮﨑駿監督が中学時代に何度も読んだという、江戸川乱歩の小説「幽霊塔」を、宮崎監督デザインによる大きな時計塔や、自ら描き下ろした漫画などで紹介しています。

今回の特集である「幽霊塔」は、名作「ルパン三世カリオストロの城」に大きな影響を与えた作品なのだとそうです。「ルパン三世カリオストロの城」では、密室で、縦方向で動いて、上に下に、動くことで場面展開するという作品をやりたかったそうです。かといって、作るときに幽霊塔を読み返して作ったわけではなく、自分の想像で作ってしまうのが宮崎さんの面白いところなのですが、スタジオジブリが、昔の小説、物語に影響を受けて、新たな作品を作り上げていることが、今回の特集からもよく分かります。

「ONE PIECE」という作品は、「次郎長三国志」という時代劇が元になっている作品なのだそうです。「ジョジョの奇妙な冒険」は、シェイクスピアの作品に影響を受けて作った「王道」の物語なのだと、荒木飛呂彦さんが語っていたのを読んだことがあります。

全く新しいところから、ものが生まれることはありません。過去の歴史、文脈といったものを踏襲した上で、現代にいかに適用するか。それが、現代に生きる人々に求められていることではないのでしょうか。

歴史は繰り返します。未来のことを考えるために、歴史を学ばなければならない。今回の2本の特集を読み終えて、改めてそんな事を考えさせられました。

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