nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

熱風2015年12月号 特集「麻生家の人々」-日本に階級社会は存在するのか-

   

熱風2015年12月号

スタジオジブリは、毎月10日に「熱風」という無料の小冊子を発行しているのですが、今月の特集は、「麻生家の人々」です。

ここで紹介している麻生家は、第92代内閣総理大臣を務めた麻生太郎さんの家系の事を指します。麻生家は戦後日本の発展とともに歩んできた家ともいえます。富国強兵政策の原動力となった石炭で福岡で富をなし、その富を元に現代では、医療、健在、教育といった分野で80社ものグループ企業を経営。グループ企業全体の売上は、2,500億円。グループ全体の従業員として、約11,000人もの方が働いています。

そんな麻生家は、大久保利通、吉田茂といった近代日本を形成するキーマンと縁戚にあるだけでなく、政界、財界、皇室まで幅広い人脈があるということが分かります。現在内閣総理大臣を務める安倍晋三さんも、家系図をたどると、麻生家の縁戚にあたることが分かります。まるで小説の「華麗なる一族」の世界のように思う人もいると思います。余談ですが、「風たちぬ」に登場する日本家屋は麻生家がモデルになっています。

麻生家はもともとは地方の庄屋でした。そんな、地方の庄屋である麻生家がなぜここまでの発展を遂げることが出来たのか。そして、現代の麻生家の人々は、どんな事を考えているのか。麻生セメント社長の麻生泰さんへのインタビューと、グループ企業株式会社麻生の社長を務め、ドワンゴの社外取締役でもある息子の麻生巌さん、ドワンゴ会長の川上量生さん、スタジオジブリプロデューサーの鈴木敏夫さん、ジャーナリストの青木理さんとの座談会から、麻生家の今を読み解こうという企画です。

世襲で生じる大きな責任

今回の特集は、麻生家という血筋、世襲の是非といった事を深く考える特集になっています。特に世襲については、既得権益を何の努力もなく享受すると考えている人が多いと思います。世襲によって既得権益を享受している人によって、様々な改革が妨げられたり、庶民は苦しい生活を強いられている。そんなことを考えている人もいると思います。こうした世襲の是非について、青木さんは麻生さんに鋭く切り込んでいます。

世襲の是非について、麻生さんの回答は一貫しています。世襲については、いい事か悪い事かは分からない。そして何より強調していたのは、麻生家に生まれるということは、大きな責任を背負うことだという事です。グループ企業を経営する経営者としての責任があり、たくさんの人々の生活、そして何より事業を起こしている地域に対する責任があるのだということを、今回の特集で何度も強調されていました。

こうした地域の暮らしや、たくさんの人々の生活を背負って生きるというのは、ベンチャー企業の社長にはなかなか出来ません。ある種封建領主的な感覚を持ち、自分の領民の幸せを願う領主のような感覚を持ち、それぐらい地域にコミットする。これを続けてきたことで、麻生家は大きく成長してきたのだということが、今回の特集でよく分かりました。これは、世襲経営者のよい面であり、成り上がりの経営者にはあまり持ち得ない感覚だと思います。

麻生家の謙虚な人々

今回の特集を読んでいて強く印象に残ったのは、麻生家の人々が持つ「謙虚さ」です。既得権益を持つ人々は、頭も悪く、性格も卑しい。そんなイメージを持つ人もいると思います。しかし、麻生家の人々はとにかく謙虚です。麻生家は麻生太郎さんも含めて、クリスチャンとしての洗礼を受けているのですが、洗礼の影響や教育レベルの高さを節々に感じます。麻生太郎さんは、実は非常に礼儀正しく、ジェントルマンな方なのだそうです。

麻生泰さんは、インタビューの最後にこんな事を語っています。

親の七光りを受けているだけだから、やはりこれに対しては応えなきゃという思いはあります。
それからカトリック信者だから、天から見られているという思い。神というか、両親が「おまえ、何してるんだ、ふんぞり返るな」ということですね。ただこれは麻生家の伝統ではなくて、カトリックの精神だと思うんです。
(中略)
親父やお袋から「おまえ、ようやったね。麻生も潰さんやったし、兄弟も仲良かったし、筑豊、飯塚のイメージも上げてくれたし、ありがとう」と言われるように、天国で観ている両親に実績として上げたいなと思いますね。

日本は今後格差社会になると言われています。富める者とそうでない者との格差が広がると言われ、格差の底辺の人々を取り上げる記事は目にしますが、真に格差の上位に位置する人々の記事を目にすることは多くありません。これからの社会を理解するには、非常に面白い特集になっていると思います。ぜひ手にとって読んでみることをおすすめします。

おすすめ

 - , , ,