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熱風2016年9月号 特集「レッドタートル ある島の物語」

   

スタジオジブリは、毎月10日に「熱風」という無料の小冊子を発行しているのですが、今月の特集は、「レッドタートル ある島の物語」です。

「レッドタートル ある島の物語」は、スタジオジブリ初となる外国人監督のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督により、スタジオジブリとフランスでジブリ映画の配給を行っているワイルドパンチとの共同で製作されました。スタジオジブリからはアーティスティック・プロデューサーとして高畑勲さんが名を連ね、プロデューサーとして鈴木敏夫さんの名前もあります。

荒れ狂う嵐によって無人島にたどり着いた1人の男。必死に脱出を試みるものの、見えない力によって何度も島に戻されてしまいます。絶望的な状況におかれた男の前に、ある日1人の女性が現れて、物語は展開していきます。僕はまだこの作品を観ていないので、今回書くのは、あくまで熱風の特集を読んだ感想にとどめたいと思います。

「レッドタートル ある島の物語」特集のラインナップは、以下のとおりです。

見ている側が歩み寄って行けば行くほど、魅力的に見える作品 (松井玲奈×鈴木敏夫)
この星を信じる (田口ランディ)
星占いのまなざしで見た「レッドタートル」 (石井ゆかり)
「レッドタートル」に想う (高砂淳二)
外国人監督によって継受された、高畑勲のアニメーション哲学 (尾﨑一男)

自分が映画を見ながら考えることによって面白くなる映画

率直に言うと、この特集を読んで、僕は「レッドタートル ある島の物語」を観に行くことにしました。当初はこの映画は観に行かない予定でした。でも、この映画を観に行こうと思ったのは、この映画が「セリフがない映画」だからです。僕はこの特集を読むまで、この映画がセリフがない映画だとは知りませんでした。でも、セリフがないと聞いて、途端に観に行きたくなりました。

最近話題の映画は、セリフで状況や心境を説明してくれる映画が多いですが、僕は説明がうっとおしいと考える人です。人の話を聞くのも嫌いですし、人から聞いた事を元に「これはどうなってるんだろう?」「どうしてこうなったんだろう?」と考えたい人にとって、説明は邪魔でしかありません。

鈴木敏夫さんは、松井玲奈さんとの対談でこんなことを語っています。

昔の偉い人で、ドナルド・リチー(映画評論家)というアメリカ人がいたの。この人が映画のどこを理解するかみたいな本を書いてるわけよ。僕はその人の影響をずいぶん受けたんだけど、その人がこう書いているの。映画っていうのは、大ざっぱに言うと、2種類しかないって。ひとつは全部見せてくれる映画。たとえば、スピルバーグ。これは楽しく見られますって。もうひとつは、自分が映画を見ながら考えることによって面白くなる映画。(中略)それで言うと、この「レッドタートル」はやっぱり参加型だよね。

自由とは何かを考えさせられる映画

この映画の感想を特集で読んだのですが、こんなに観る人によって、映画のポイント、意見が分かれた映画は珍しいと思いました。
無人島での物語を、「自由とは何かを考えさせられる映画」と書いたのは、ライターの石井ゆかりさんです。無人島に流れ着いた主人公を、牢獄に閉じ込められた囚人にたとえ、島からの脱出を「脱獄」に例えた上で、こう語ります。

「自由」という言葉は、いろいろな場で使われる。子育てや介護に取り組んで「自分の自由な時間がない」と苦しむ人。結婚して家庭に縛られ「自由が欲しい」 と言う人。仕事やルールから「自由になりたい」と言う人。一見他人に縛られている。
しかし一転して、誰もいない場所にほうりこまれると、私たちはもはや、他者の存在によってしか、「自由」になれない。他者に振り回されて「自由が欲しい」と嘆く人たちが「自由になれない」わけは、その果ての孤独の恐怖をしっているからなのかもしれない。だとすれば、私たちは「他者という存在によってしか、自由になれない」という事実に、常に振り回され続けている、ということにならないか。

物語とは「人が穴に落ちて、出て来ること」だと聞いたことがあります。自由とは何か。人が生きるとは何か。「レッドタートル ある島の物語」が、観た人に考えさせてくれる映画ならば、ぜひ観てみたいと思います。観た感想は、後日改めてブログに書きたいと思います。楽しみです。

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