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熱風2016年11月号 特集「渡辺京二ロング・インタビュー 二元論のはざまで生きる」

   

スタジオジブリは、毎月10日に「熱風」という無料の小冊子を発行しているのですが、今月の特集は、「渡辺京二ロング・インタビュー 二元論のはざまで生きる」です。

江戸時代の日本人は「日本人はみんな幸せで満足そうに見える」

渡辺京二さんは、「逝きし世の面影」という書籍で、外国人が記録した江戸時代の庶民の記録をまとめています。僕は「逝きし世の面影」はまだ読んだことがないのですが、「逝きし世の面影」には、当時の日本を訪れた、ひとりの外国人のこんな日本評が書かれています。

「オズボーンは最初の寄港地長崎での印象をこう述べている。
『この町でもっとも印象的なのは、
(そしてそれはわれわれの全員による日本での一般的な観察であった)
男も女も子供も、みんな幸せで満足そうに見えるということだった』。
オリファントもいう。
『個人が共同体のために犠牲になる日本で、
各人がまったく幸福で満足して見えることは、
驚くべき事実である』。」

現代の日本人を見た外国人が、「つらそうだ」とか「忙しそうだ」ということはあっても、「日本人はみんな幸せで満足そうに見える」なんてことは言わないと思います。渡辺京二さんのインタビューにも書かれていたのですが、近代化以降の日本にとって、江戸時代は「遅れた文明」であり、優れているなどと考えていた人は多くないと思います。

しかし、渡辺京二さんによると、当時の外国人の見聞録は膨大な量が残されており、そして、たくさんの外国人が「おもしろい」と口をあわせたかのように語っていると言うのです。江戸時代が終わるきっかけとなった鎖国の終わりによって訪れた外国人が、日本を高く評価しているということに、僕自身は少し複雑な気持ちを覚えます。

渡辺さんは、2016年に「さらば、政治よ 旅の仲間へ」という書籍を出版し、グローバリズムの中での国家のあり方、人の生き方について書いています。今回の熱風の特集は、渡辺さんにインタビューし、混沌としている世界でどう考えているかを探っています。

最悪のものは最善を求めようとする努力から生まれる」

渡辺さんのインタビューの中で印象にのこったのは、こんな言葉です。

自分の生活、個人の生活というのは国家と関係がないんです。

支配はゼロにはできないの。だってひとつの組織的な仕事をしようとすれば、どうしたって仕事の分担ができ、それを統括する者が必要だから。職場には課長さんがいて、部長さんがいるわけだからね。だけど、そういうのは役割分担だから、それを権力にしないこと。

イバン・イリイチという人が「最悪のものは最善を求めようとする努力から生まれる」と言ったわけです。今の都会の唾棄するような風潮、それはセクハラがいかんとか、あるいは、こういったことを言ったら残酷じゃないかとか、そういうふうなことでしょ。平等であるとか、人格の尊重であるとか、差別をなくすとか、いろいろあるわけですが、それが他人の攻撃の攻撃に向かっていくわけでしょ。そうすると、とんでもないことになるわけです。

渡辺さんのインタビューを読んでいると、近代化によって私たちが得たもの、失ったものをしっかり検証した上で、その上でどう生きるか。その事を考えさせられます。「逝きし世の面影」はまだ読んだことないのですが、読んでみます。

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