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熱風に連載されている川上量生さんの連載「鈴木さんにも分かるネットの未来」第3回:ネット住民とはなにか(2)

      2013/07/16

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ネット住民に対しては、現実社会の”負け組”がネットに居場所を求めた結果、生まれた人々だと解釈している人がいるかもしれません。僕もそうでした。だから現実社会に恨みを持っていて、ネットに罵詈雑言を書き散らかすのだと考えていたのですが、それはある部分は正しくもあるが、ネット住民の心情はもっと複雑だ、と川上さんはいいます。

彼らは現実社会からのある種の疎開感を持ちながらも、同時に人間社会の進化の先端に自分たちはいるんだという、優越感ももっているのです。ネット住民はネットの社会は面白くて時代の先端だと自分から望んで飛び込んできた部分も大きいのです。

ネット住民が持つ劣等感と優越感について、川上さんは以下のようにまとめています。

劣等感の例

  • 現実社会での友達が少ない。いない。
  • 彼女・彼氏がいない。異性と付き合った経験がない。
  • 学校などで虐められた経験がある。
  • 自分の趣味の理解者が現実社会にはいない。話すと相手がひく。

優越感の例

  • パソコン、インターネットの使い方に詳しい。
  • 正しい情報をネットを通じて調べる能力がある。
  • ネットで何が流行っているか、これから流行るかを知っている。
  • ネットリテラシーにくわしい(なにをすると炎上するかを知っている。)

この劣等感と優越感をよく表しているネット用語が「リア充」と「情報強者」なのです。
「リア充」とは、リアル(現実の生活)が充実している人、という意味です。「リア充」は、ネット社会では憎悪の対象であり、迫害の対象になります。なぜなら、「リア充」という言葉にはネット住民たちの劣等感や嫉妬、羨望みたいな感情が相当に根深いものとして存在しているからです。

「情報強者」とは、ネットで検索して、最新の情報、正しい情報を手に入れて特をしている人であり、だれかに騙されない人、というような意味を持ちます。ネット住民は自分たちのことを”情報強者”だと思っており、ネットが得意でない人、使っていない人を馬鹿にしています。

ネットの一般化に伴って、ネット住民の構成が大きく変化し、ネットをツールとして使う人達が増加しました。いまや世の中でネットをまったく使わない人のほうが探すのが難しくなっており、ネット住民は少数派になりつつあります。しかし、ネット住民は”ネットに住んでいる”人々ですから、ネットでの活動が非常にアクティブであるため、ネットの中で圧倒的な影響力があると、川上さんはいいます。

ネット住民が、ネットをツールとみなすような新しいタイプのネット住民の事を快く思っていないことは、容易に想像出来ます。自分たちのなわばりが現実社会に侵略された、と思う人もいると川上さんはいいます。したがって、ネットで発生している様々な揉め事は基本的にネット社会を守りたいネット住民と、現実社会をそのままネット社会に持ち込みたい人たちとの争いなのです。

ネットでなにか事件が起こって、多数のネットユーザによって批判にさらされることを「炎上する」といいますが、多くのネットでの「炎上事件」の典型的な例は、犯罪だったり、モラルに反する行動を実名あるいは実名が特定されるような状態でネットに情報を書き込んだ場合に発生します。ネット住民は新参者のこうしたミスを見逃しません。なぜなら、現実社会をネットに持ち込む人は”敵”だからです。
(僕は、この”炎上事件”が起きる理由について書かれた箇所は、凄く感銘をうけました。こんなに分かりやすく”炎上事件”を解説している記事を読んだのは、初めてだったからです)

川上さんは、ネット住民という存在は日本のものだけではなく、世界的に広がっていく普遍的なものだと語っています。また、日本にネット住民が多く存在するのは、日本の豊かさと安価なインフラが要因だが、世界中がネットを利用できる時代になった時、ネット住民の先進国である日本が果たせる役割は大きのではないか、と川上さんは語っています。日本のネット住民が初音ミクを生み出したように、ネット住民が生み出す社会や文化への貢献こそが、日本の財産になる日がくるのかもしれません。

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