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川崎フロンターレ西本直が実践するのはトレーニングの”革命”

      2013/02/21

朝3分の寝たまま操体法

今年から川崎フロンターレのトレーニングコーチに就任した、西本直さんの著書を読みました。
本書を読んだ理由は、以下の記事を読んで、西本さんがどのような考えを持っているのか知りたかったからです。

したがって、この記事は本の書評というより、書籍に書かれている内容から川崎フロンターレに今後どのような変化が起こるのか読み解こう、という意図で記事を構成しております。

「鍛える」トレーニングと異なる「動きづくり」のトレーニング

西本さんと他のトレーニングコーチの考えで最も違うところ。それは、トレーニングに対する考え方です。従来のトレーニングコーチが指導する、選手を「鍛える」ためのトレーニングは、極端に言うと「ベンチプレス:●●kg x ●セット」や「スクワット:●●kg x ●セット」など、特定の部位を鍛え、数値を高めることで、機能を高めようというトレーニングでした。

ところが、西本さんが考えるトレーニングとは、「鍛える」ためのトレーニングと異なり、「動きづくり」のために行うのがトレーニングだ、という考えに基いてトレーニングを行います。

川崎フロンターレとFCバルセロナのトレーニングとの共通点

西本さんがトレーニングコーチに就任した川崎フロンターレでは、早速「動きづくり」のトレーニングを実施した効果が現れているようです。新加入の大久保嘉人選手のコメントが西本さん就任後のトレーニングと、その効果を分かりやすく説明していたので、長文ですが紹介します。

向こうの選手を見ていたら、みんな『ハァハァ』言っているし、キツイんだろうなと。
オレらは全然でしたね。主導権も握れて良かったです。

この時期にここまで走れたことはないんですよね。
ボールを使って練習をするので。ただの素走りというのは、まったくやりません。
ゲームとかボール回しとか、シュート練習とかばかりです。
これまでは走るだけっていうことが多かったのですが、
そうすると、どこかしらを痛めてしまう。
それで今の状態まで持ってこれない。
どのチームを見ても、ケガ人が多いみたいですが、
そうすると練習も組めなくて、サッカーができませんよね。

逆に走っているチームより、全然走れているんでね。
サッカーはボールを使う競技なので、ボールを使った方が良い。
ずっとボールを使ってやってきましたが、
ボールが足に付く感覚は、やっとこのキャンプで出てきたくらい。
だから、他の走っているクラブはもう少しかかるんじゃないですか

(以上、[練習試合]川崎F 新加入のMF大久保「自由に、楽しくやれています」(ゲキサカ)より)

西本さんが実施する「動きづくり」のトレーニングとこれまでの川崎フロンターレのトレーニングに関する情報や、実際に練習を観に行って「似ている」と感じたのは、「ピリオダイゼーション」と呼ばれるコンディショニング理論です。

レイモンド・フェルハイエンというオランダ人が提唱するコンディショニング理論で、FCバルセロナ、ゼニト、フェイエノールトなどに導入され、FCバルセロナでは導入後怪我人が激減した上に、90分間休むことなく攻撃し続けるサッカーを実現する原動力になっている。また、フェイエノールトでは導入後、2シーズン前は10位と低迷していたチームが2位に躍進しています。

「ピリオダイゼーション」の大きな特徴は2つあります。

  1. ほぼすべてのフィジカルトレーニングをボールを持って行なう
  2. 素早く筋肉を回復させる能力

Jリーグが進歩するために学ぶべき、世界最高のコンディショニング理論~【第1回】 バルサも採用するPTP~ より)

「ピリオダイゼーション」の細かい理論は省きますが、西本さん就任後の川崎フロンターレが実施しているトレーニングは、「ピリオダイゼーション」の特徴に似ている気がします。方法論に細かい違いはあるでしょうし、細かいところまではわかりませんが、西本さんのトレーニングによって川崎フロンターレに良い結果がもたらされるのであれば、トレーニングの面でも日本サッカー界に”革命”が起きるんじゃないか。そんな期待をしています。

ちなみに、ある日の川崎フロンターレのトレーニングを伝えている日記には、こんな文章が掲載されています。

筋トレと言っても、この日のメニューは体の回復をメインとしたリカバリー中心のメニューに。

西本コーチからは「昨日まで練習試合をやって、疲れがあると思うけど、
リーグ戦が開幕すれば今日のような状態もあると思うから、
そのシミュレーションとしてやろう」
と選手たちに今日のトレーニングの目的を説明していました。

さらには「あくまでも回復だから、自分が90分間試合に出たことをイメージして、
あまり負荷などをかけないように。
明日からまたいい状態でトレーニングできるように体をほぐしていこう」
とも話していました。

(フロンターレ日記:5日目 より)

カラダを動かすことは気持ちのよいこと

なお、本書には朝3分で寝たままできる簡単な操体法の手順が書かれています。早速実践していますが、まだ効果を実感するまでは至っていません。しかし、体を伸びをするという行為自体は気持ちのよい行為なので、カラダが痛くなったりするトレーニングではありませんので、続けていくことが苦になりません。これからも続けてみようと思います。

また、本書は整体関連本としては異例の7刷目というロングセラーになっているのだそうです。体幹トレーニングなど「体を鍛える」トレーニングが脚光をあびる中、「カラダを動かすことの気持ちよさ」が理解できて、「気持ちよくカラダを動かすためのヒント」を与えてくれる本書を、手にとってみてはいかがでしょうか。

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「ビリオタイゼーション」理論について、僕が知っている限り最も分かりやすく書かれている書籍はこちら。

ちなみにモウリーニョが「ビリオタイゼーション」理論の有効性を語った書籍はこちら。
ただし、amazonには在庫なしのようです。残念。

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