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書評「誰もいない場所を探している」(庄野 雄治)-凡人でも自分が必要とされる場所がある-

   

凄くよい本に出会いました。

徳島にコーヒー好きに知られている、焙煎専門のお店があります。その名は、「アアルトコーヒー」。「アアルトコーヒー」は店主の庄野雄治さんが36歳に脱サラして始めたお店です。庄野さんの前職は旅行代理店の営業。飲食業や小売業の経験もなく、お金も人脈も才能もない状態で始めたお店を、10年以上続けてきました。徳島で焙煎専門のお店を続けるということは、簡単なことではありません。

そんな庄野さんが、アアルトコーヒーを立ち上げた後、実践してきたアイデアをまとめた本が、本書「誰もいない場所を探している」です。

凡人には凡人の生き方がある。

本書に書かれている庄野さんの言葉は、派手さはないけれど、心にストンとおちてくる言葉ばかりです。それは、自分自身が経験してきたことに基いて語られている、嘘のない言葉だからなのだと思います。

偉人と呼ばれている人たちの話を聞いて、どんなに一生懸命に理解して学んでも、同じようには絶対出来ない。だって彼らは、努力の才能も含めて天才なんだから。凡人には凡人の生き方がある。一流でも二流でも三流でもない、普通の人がフリーランスで生活していくために必要なことがある。

夢や希望がなくたって、楽しく幸せに暮らしていけるんだ。「自分らしく」なんて言葉に惑わされれずに生きていって欲しい。
夢や希望ばかりいう人の話は、誰も聞いてくれない。だけど知識や経験、戦力や資金を持っている人の夢や希望はみんな聞いてくれる。やりたいことをやるための環境を作る。それがロマンティックに生きていくってことなんだ。

大切なのは自分に何ができるかだ。できないことをできるように努力するのは一見美談のようだけれど、お金を稼ぐという視点で考えると、そんな悠長なことは言っていられない。とはいえ、これができますと自信を持って言えるものなんて、普通の人にはない。

だけどよくよく考えて見れば、絶対に何かひとつはあるはず。例えば、素敵な笑顔ができる、きれいな字がかける、時間に正確、約束は必ず守る。そんなのは普通のことだと思うかもしれないけれど、それを毎日きちんとできる人はなかなかいない。
(中略)
大切なのは夢ではなくて毎日の生活。何がしたいかを考えるより、自分は何ができるかを意識して、できることを確実にやる。

常に自分の場所を真剣に探している。

僕が本書で最も印象に残ったのは、この言葉です。

本物に勝てる訳がない。それなら他がやっていないことを真剣にやろうと考えた。だから、新しい何かを求める人たちの目に留まったのかもしれない。きっとブームの最中に他と同じことをやっていたら、多勢のうちのひとつだっただろう。
新しいアイデアを考えるのは大変なことだけれど、場所を見つけるのはそんなに難しいことではない。私は常に自分の場所を真剣に探している。今は何が流行っているんだろう。だけど、そこは私の場所ではない。

本書は、人は他の人と違う点があり、違う点を活かして目の前の人を大切にしていけば、十分楽しい生活ができる事を教えてくれます。目の前の人を大切にするには、普通の事をきちんとすること。時間に正確、約束は必ず守る。当たり前の事を続けていると、なかなか成果が出ないので、時には違うこともしたくなります。でも、人から信用を得ようと思ったら、当たり前の事を淡々と繰り返していくしかないのです。

僕は最近、人と同じことをしよう、誰かのようにやろう、ミスなくやろうと意識しすぎていたのではないか。本書を読み終えて、そんな事を考えました。自由に生きるとはどういうことかを教えてくれる1冊です。手元において損はない1冊だと思います。ぜひ多くの人に読んでいただきたい1冊です。

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