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問題を解決するための起業。書評「ゆっくりやさしく社会を変える」(秋山訓子)

   

「社会起業家」という言葉を、よく耳にするようになりました。Wikipediaによると「社会変革(英: Social change)の担い手(チェンジメーカー)として、社会の課題を、事業により解決する人のことを言う。社会問題を認識し、社会変革を起こすために、ベンチャー企業を創造、組織化、経営するために、起業という手法を採るものを指す。」のだそうです。僕自身は「社会起業家」という言葉には違和感があるのですが、社会問題を発端として事業を起こす人が増えていることを感じます。

そんな「社会起業家」としてNPOを立ちあげ、活躍する女性を取り上げた書籍が、本書「ゆっくりやさしく社会を変える」です。

AERAなんで買うもんじゃないよ!

本書の著者とは、実は面識があります。「サービスグラント」というNPOが手がける「プロボノ」と呼ばれる、各分野の専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動をやった時に、一緒に仕事をさせて頂きました。著者はライター、僕はWebデザイナーとしてプロジェクトに関わりました。僕自身としては、うまく仕事をこなすことが出来ず、悔しい結果に終わったプロジェクトだったのですが、著者の事は強く印象に残っています。

著者は、当時AERAの政治関連の記事を担当していました。自己紹介の時に、「今度記事を読んでみます。」と答えたところ、「AERAなんて買うもんじゃないよ!」と笑いながら答えてくれ、「何なら毎週送ってあげるよ。住所教えて!」と明るく言われ、住所を教えたら本当に送ってくれました。それ以外にも、政治取材のあれこれとか、ブログに書けない話も教えてくださいました。当時、著者がNPOの取材を続けていることを、僕は知りませんでした。本書を読んで、プロボノのプロジェクトに参加したのは、取材の一環だったのかもしれません。

問題を解決するための起業

本書には、NPOを設立して働く4人の女性が紹介されています。共通していたのは、4人とも起業を目指していたのではないことです。「お金を儲けたい」「自分のやりたい仕事がしたい」という自分の要求を実現することを目的とするのではなく、自分が抱えている問題点を解決しようとした結果、起業しているという点は、興味深く思えます。

インタビューを読んでいると、4人とも人生を明るく楽しく生きていることが伝わってきます。4人とも起業したことによって、様々な苦労を体験しています。しかし、様々な苦労を経て出会った人々との出会いや、仕事を通じて体感した心からの満足が、4人の言葉から伝わってきます。

実際にNPOで働く人からも話を伺ったことがあるのですが、NPOで働くということは、簡単ではありません。しかし、NPOで働くことで得られることもあるはずです。だから、NPOで働くひとが増えているのではないのでしょうか。本書を読み終わって、そんなことを考えました。

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