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書評:Number「<日本代表2013→2014> 蹴球維新。~史上最強のザックジャパンが見たい~」

      2013/03/10

Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2013年 1/10号 [雑誌]

今週のNumberはサッカー日本代表の特集です。今年は例年以上に、Numberはサッカーの特集が多かった気がします。まあ、今の日本代表は歴代最強のチームであることは間違いなく、海外で活躍する選手も多いので、注目度が高いのは仕方ないとは思うのですが、頻度が多いので、以前出た記事に似た記事が多かったという印象を受けました。

「人間・本田圭佑をプレーで伝えたい」本田圭佑の熱き思い

巻頭記事は、今や日本サッカーの”顔”と呼べる本田圭佑のインタビュー。木崎伸也(@skizaki)さんによる毎度のアポ無し突撃取材によるインタビューです。

記事で今回焦点をあてているのは、本田圭佑のプレーそのものではなく、人としての本田圭佑です。この記事では本田はこういう複数の顔があることに違和感を感じ、「人間・本田圭佑を、どうやってプレーで表現するか。それが課題として出てきた」「自分の人間性や生き様をプレーで表現したい」という考えがあることを語っています。

昔、イチローが「イチローが鈴木一朗を超えた」というようなことを言っていたことがあります。素晴らしい結果を残すアスリートは、客観的に自身を見つめるがあまり、プレーしている自分と、プレーしていない自分が、どこか一致しないものなのかもしれません。

しかし、イチローはその後、10年連続200本安打の記録を達成した後、「鈴木一朗とイチローは同じ」というようなことを語っていたと記憶しています。Numberでイチローが食生活について語ったり、プライベートの考え方をコメントしたのも、この頃でした。

本田圭佑も今まで成長に必要なものとして、複数の顔を使い分けてきたのかもしれませんが、次のレベルに到達するための必要な考え方として、プレーしている自分とプレーしていない自分を分けない、「人間・本田圭佑をプレーで表現する」という考え方に至ったのかもしれません。

あるレベルに満足することなく、次のレベルを貪欲に目指す本田圭佑が2013年にどんな活躍を目指すのか、この記事を読んでますます楽しみになってきました。

都並敏史さんがサイドバックを評価するの基準がおもしろい

個人的には長友佑都のサイドバックの実力を、都並敏史さんが分析した記事がおもしろかったです。特にサイドバックに求める「守備力」に対する基準が面白かったです。

都並さんがサイドバックに求める守備力には、大きく分けて3つあります。1つ目は、1対1の局面で抜かれないこと。対面する相手にクロスを上げさせない、シュートを打たせないことです。2つ目は、相手の縦パスをインターセプトすること。ボールが相手に渡る前に体を寄せて、奪い取る。3つ目は、カバーリング能力。主に逆サイドからのクロスに対して、センターバックと連携して守れるかどうかは、サイドバックに絶対必要な能力です。

これらの基準から、都並さんが選んでいた左サイドバックに、アシュリー・コール、ジョルディ・アルバ、ドメニコ・クリシートという選手が選ばれていたことには、納得できました。僕も日頃から素晴らしいと思っていた選手だったからです。

サイドバックを見る基準として、ドリブルやパスやクロスなどの攻撃面をクローズアップしがちですが、あくまでもポジションはDFです。この記事を読んで、改めてサイドバックの「守備力」に注目して、サッカーを観てはいかがでしょうか。

クリスティアーノ・ロナウドの心の叫びを聞け

今回一番面白かったのは、クリスティアーノ・ロナウドのインタビュー記事「僕とメッシとバロンドール」です。
クリスティアーノ・ロナウドにとって、タブーとなっている3つのテーマに鋭く切り込んだインタビューで、海外のサッカー選手のインタビューとしては、珍しく読み応えのあるインタビューになっています。

推測ですが、今回インタビューしているのは、フランスのレキップ紙の記者であるヴァンサン・マシュノー氏。レキップ紙は以前バロンドールを主催していた権威ある専門誌ですので、掲載される内容は、ヨーロッパ中に伝わります。したがって、クリスティアーノ・ロナウドは、嫌な質問でも率直にインタビューに答えています。

例えば、メッシについてはこんなやりとりがあります。
メッシについて、クリスティアーノ・ロナウドがこのインタビューで率直に答えていることが、伝わってきます。

-よくメッシと比べられますが、彼とのライバル関係をどう思っていますか?
「それはもっぱらメディアが騒いでいるだけだ。僕等を対決させれば、新聞や雑誌の売上が伸びるからだろう。テレビも同じで、煽れば煽るほど視聴率が上がる」

-健全といえますか?
「本音を言えば、そうしたすべてにちょっと疲れている…」

-どうしてですか?
「僕らは来る日も来る日も、自分が最高であることを証明するように強いられている。
(中略)
消耗してしまうのは否めない。それに僕はほかの選手や人間と比較されるのは好きじゃない」

こういう他のサッカー誌で読めない、クオリティの高い海外のサッカー選手のインタビューが読めるのは、Numberの魅力のひとつです。今後もこうしたインタビューが掲載されることを、期待したいです。

おすすめ商品

この記事を読んで、興味を持った方はこちら。

長友佑都の著書としては、こちらの本がおすすめです。

今回のNumberと同じ日に発売された「Number Do」
今回は「冬のからだづくり特集」です。室伏選手が紹介するトレーニングは面白かったです。

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